表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/105

第90話「邂逅」

半ば意識を失ったエルザ。

その暗闇の中で、エルザは、誰かの腕に抱き抱えられていることに気づいた。



エルザ「…………ケイト…?」


スマイル「なんてザマだ。エルザ・シュヴァリエ」



ボヤけるエルザの視界が焦点を結び、次第に、メイクの殆どが涙で剥がれたスマイルの顔を見上げていることに気づく。


スマイルが自身の魔具、「嫉妬の足枷」の能力を使い、放り投げられたエルザを、ライムライト貯蔵塔の上まで運んだのだった。

エルザが口を開こうとする。



スマイル「何も言うな。…何も言うなエルザ」



笑みは消え、鋭い目付きを露わにするスマイル。

彼は、前をじっと睨みながら言葉を発する。



スマイル「お前は、弟を殺した。絶対に許さない。未来永劫、絶対にだ。お前の声も聞きたくない」


エルザ「……。」


スマイル「…いいかエルザ。俺はお前を許さない。許さないが、…(つぐな)いはしてもらう。例えこの先どれだけ掛かろうと、お前がシュヴァリエ家当主で無くなろうと、この街から居なくなろうとだ。この黒の街から、俺や、ジェラルドのような思いをする人間が、1人も居なくなるまで、…戦い続けろ」


エルザ「……、」


スマイル「何も言うなって言ってるんだ。返事なんて聞かない。まぁお前は、元よりそのつもりだ、とか言うんだろうがな。…さあ、立て。立って戦え」



スマイルが、エルザを貯蔵塔の上の地面に降ろす。

エルザは、よろめき、足を震わせながらも立った。


そこへ、散歩でもするかのように、塔の下まで歩いてきたヘルタースケルターが、2人を見上げる。


スマイルが口を開いた。



スマイル「そして貴様は殺す!!何が何でもだ!!!貴様がジェラルドを…、俺の弟をあの場に割り込むよう仕向けたんだろ!!!!どうなんだ、何とか言ってみろ!!!!」



ヘルタースケルターは微笑む。



ヘルタースケルター『違うわ。ジェラルドは自分であの場に行ったのよ。お兄ちゃんを助けたいって。私は友達として、その手助けをしただけ。残念よ。せっかくお友達になれたのに』


スマイル「ヘルタースケルタァァアアア!!!!!!」



と、そこへ、保管施設の正門の方から、轟音と砂煙を上げてクラシックカーが猛スピードで走り出てきた。

車の屋根の上には、上裸に血の滲んだ包帯姿の暮雨が、愛刀、舞牡丹を屋根に刺して身体を固定しながら乗っている。



マルコシアス「行けええぇぇええええ!!!!」


暮雨「おおおおおおおっっ!!!!!」



マルコシアスの運転するクラシックカーは、全く減速せず、ヘルタースケルターに衝突した。そのすぐ刹那の後、暮雨が自身の身体を固定していた舞牡丹を引き抜くと、大きく振るう。


搬入路のアスファルトに、巨大な横一線の斬撃の跡が(きざ)まれた。


クラシックカーが、スピンし、巨大な施設の壁に衝突して止まる。

そしてその中から、帽子が脱げ、頭から血を流したマルコシアスが這い出てきた。



マルコシアス「…クソが。シートベルトねぇのが裏目に出たぜ…」



マルコシアスは、よろよろと搬入路の中央に出ていき、立ち(ふさ)がるようにトランプを構える。

そこへ、刀を杖代わりについた暮雨も並んだ。



暮雨「悪運が…これで、尽きてなければ良いがな…」



黒の街の時計塔が、0時の鐘を打った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ