第86話「大人のデート」
エルザが、夜の闇を裂くようにして駆ける。
ヘルタースケルターが、その後を飛んで追う。
ヘルタースケルター『あら。どこに行くの?』
エルザ「夜景が綺麗なとこだよ!!大人のデートってやつを教えてやるから着いてきな!!!」
ヘルタースケルター『まぁ、素敵』
ヘルタースケルターが、ツタを振るい、エルザがデュランダルの能力で避ける。
エルザ (くっ…!!魔力が!!使い過ぎた…。温存しないとマズいね)
エルザが宙を飛び、ヘルタースケルターが建物を破壊しながら迫る。
ヘルタースケルター『でもデートをするならまず恋人同士にならなきゃいけないわ。お花が咲くまで、真っ暗なところでお茶会でもどう?二人きりで』
エルザ「魅力的なお誘いだね!!中々ロマンチストじゃないか!!」
エルザが、建物の屋根から屋根へ飛び移りながら走る。
その後ろを、ツタが跡形もなく破壊する。
ヘルタースケルター『うふふ…。エルザからは何が咲くのかしらね?きっと、綺麗な薔薇かしら?そしたらあなたのこと好きになれるかも』
エルザ「あぁ、棘の鋭いやつが咲くんだろうさ!!」
ヘルタースケルターの振るうツタがエルザの目前に迫り、エルザは防御のために右手を上げる。
エルザ「くっ!!!」
が、しかし、エルザに当たる直前に、銃声が轟いたかと思うとツタが急に軌道を変え、弾丸を弾き飛ばした。
エルザが視線を銃声の方へ向けると、建物の屋根を、ボロボロのシュヴァルブランに跨って走るアドリエンヌの姿があった。
アドリエンヌ「ウソでしょ。最悪」
ヘルタースケルター『邪魔するなんて、いけない子』
ヘルタースケルターがツタをアドリエンヌに向けて振るう。
バイクごとジャンプしてツタを躱したアドリエンヌは、エルザの後ろに着地した。
右手でスカルシュレッダーを肩に担いだアドリエンヌが、エルザの後方から猛スピードで追い上げ、左手を伸ばし、エルザをバイクの後ろに引き上げた。
スピードを上げたシュヴァルブランから火花が散る。
アドリエンヌ「全くもう!!アタシ無免許なんですケド!!」
エルザ「センスあるじゃないか!!このままライムライト保管施設まで頼むよ!!」
アドリエンヌ「こんなボロじゃ煙草すら買いに行けないわよ!」
背後に、ヘルタースケルターのツタが迫る。
アドリエンヌ「あぁもう!!!」
エルザ「飛びなぁ!!!」
建物の屋根から、道路へと跳んだシュヴァルブラン。
しかし、着地の衝撃に耐えられず、バラバラに分解する。
シュヴァルブランから放り出される2人。
アドリエンヌ「うっ…ぐ!!」
エルザ「大丈夫かい!!」
アドリエンヌは、軽くない怪我を負いながらも、スカルシュレッダーを支えに立ち上がる。
アドリエンヌ「行って!!ボス!!引きつけるから!!」
エルザ「報酬払うまで死ぬんじゃないよ!!!」
エルザが駆けていく。
スカルシュレッダーを構えるアドリエンヌ。
アドリエンヌ「財政が破綻するまでむしり取ってやるわ」
黒の街に銃声が轟いた。




