第85話「墜落」
突然、エルザとヘルタースケルターがサーチライトの強い光に照らされた。
飛行船の駆動音が近づいてくる。
エルザが手で光を遮って見上げる先から、縄ばしごが迫ってくるのが見える。
飛行船に乗ったマルコシアスの声が、拡声器越しに響いた。
マルコシアス『掴めえぇ!!エルザぁ!!!』
エルザがジャンヌ・ダルクを鞘に収め、右手だけで縄ばしごに掴まる。
エルザの両足が地面から離れた。
エルザ「高度を下げすぎだ!!」
飛行船に乗り組んだマルコシアスと、そのファミリー達が、右舷側に集まる。
ファミリーたちの重みで、微かに傾いた飛行船は、背の高い建物との衝突を、船体を擦りながらもギリギリで避けた。
縄ばしごが大きく揺れる。
マルコシアス『エルザぁ!!振り落とされんなよ!!!』
エルザ「もっと安全運転しとくれ!!!」
エルザが、風にあおられて不安定なハシゴを、右手だけでよじ登っていく。
マルコシアス『追いつかれるぞ!!!もっとスピード出ねぇのか!!』
エルザ「人が登ってんだからむしろスピード落としな!!!」
ヘルタースケルターが、猛スピードで飛行船に迫る。
ヘルタースケルター『鬼ごっこは嫌いじゃなかったの?』
ヘルタースケルターが、ツタで飛行船を殴りつける。
船体が、激しく揺れた。
マルコシアス『クソッタレ!!何やってんだ!!!砲撃をお見舞してやれ!!』
マウリツィオ「そんなことより、脱出してくれ!!パパ!!墜落する!!!」
ヘルタースケルターの次の一撃で、飛行船のバルーンに穴が空いた。
エルザ「冗談じゃないよ!!マルコシアス!!!何とかしな!!!」
マルコシアス『クソがァー!!!!民家は避けろ!!!!』
ダンテ「無茶言わないでくれ親父!!!!」
きりきり舞いしながら飛行船が墜ちる。
必死にハシゴにしがみつくエルザのもとに、デュランダルが投げられた。
姿を現したローランが、手を差し出す。
ローラン「エルザ様!!!掴まって下さい!!!」
エルザ「くっ!!!」
エルザが、ハシゴから手を離し、空中でローランに掴まる。
ローランは、エルザごとデュランダルの能力で近くの建物の屋上にワープした。
飛行船が墜落し、炎上する。
エルザ「マルコシアス!!!!」
ローラン「エルザ様はここに!!私が見て参ります!!」
エルザ「頼むよ!!ローラン!!私は一刻も早く、ライムライト保管施設に向かわなきゃならない!!デュランダルを貸しな!!片方でいい!!」
ローランは、エルザにデュランダルを手渡す。
ローラン「エルザ様、何故、ライムライトの保管施設に?!ライムライトが必要なんですか?」
エルザ「あぁ!それも大量にね!!ヘルタースケルターの奴にたっぷりご馳走してやるよ!!」
言うが早いか、エルザはワープしながらライムライトの保管施設に向かって行った。
ローラン「エルザ様ぁ!!!っ」
ローランは、マルコシアス達が墜ちた方へ向かって行った。




