表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/105

第81話「取るに足らない」

アドリエンヌとエルザに挟まれたフィガロは、背後を気にしながらもエルザに暴食の枝を向けていた。



アドリエンヌ「ホンットに。色んな人に探されてるわよ、ボス。大人気で何よりだわ」


エルザ「全くだね。忙しいからここは任せたよ」


アドリエンヌ「ボーナス。あと休暇」


エルザ「終わったらね」


アドリエンヌ「とっとと終わらせて、ちゃっちゃと支払ってちょうだい。今すぐどっかの賭場で有り金全部突っ込みたい気分なの」


エルザ「せっかちだね。善処するよ」



バイクを再び走らせるエルザ。



フィガロ「行かせないと言って…」


アドリエンヌ「ちょっと」



スカルシュレッダーが火を吹いた。


エルザが、車体を大きく右に倒し、フィガロの横を走り抜ける。



アドリエンヌ「邪魔しないでくれない?」


フィガロ「…こちらの台詞です」



屋根の上で対峙するアドリエンヌとフィガロ。



アドリエンヌ「なに?アナタ、ふらっふらじゃない。今すぐ飛び降りれば見逃してあげるケド?」


フィガロ「御託は結構。時間がありません」



暴食の枝を構え直すフィガロ。



アドリエンヌ「命懸けってヤツ?メンドクサ。そういう暑苦しいの苦手なのよね」



スカルシュレッダーをコッキングし、フィガロに向けるアドリエンヌ。



フィガロ「命を懸けるに値する信念。貴女には分からないでしょう」



アドリエンヌに斬り掛かるフィガロ。

しかし、度重なるダメージで、その動きは精細を欠いていた。



アドリエンヌ「わっかんないわよ。人間なんて死んだらタダの肉袋じゃないの」



アドリエンヌは、容赦なくフィガロに銃撃を見舞う。

辛うじて避けたフィガロだが、銃弾は、後方の車両を抉り、一部を吹っ飛ばした。



フィガロ「鉛玉を浴びて倒れようと、例えこの身が朽ちようと、私の魂が、志が生き続ける!我が肉体は死を迎えようとも、それは断じて終わりなどではありません!!」


アドリエンヌ「くっだらな」



アドリエンヌが後方に跳ぶや、足元の連結器を狙い撃ち、車両を切り離す。



フィガロ「くっ!!」



フィガロが、アドリエンヌのいる車両へと飛び移った。

そして、フィガロが着地する瞬間を狙って、アドリエンヌがどこからともなく取り出した小袋の中身を、フィガロの眼前にぶちまける。


火薬である。



フィガロ「っな!!」


アドリエンヌ「アタシのバカンスに比べたら取るに足らないってのよ」



アドリエンヌが、くわえていた煙草を指で弾いた。

空気中にばら撒かれた火薬に引火し、フィガロを巻き込んで大爆発が起こる。


黒煙が晴れると、そこには汽車の屋根の上に横たわるフィガロの姿があった。



フィガロ「っ…私は…、負けられない…っ!」


アドリエンヌ「はーいはい。アタシの負けでいいから。寝てなさい」



フィガロが意識を手放す。


アドリエンヌは、新しい煙草を取り出そうと、くしゃくしゃの煙草のパッケージを取り出したが、空なのに気がついて、大きく舌打ちをした。

パッケージを握りつぶして肩越しに捨てる。


と、先頭車両の方からエルザの叫び声が聞こえてきた。



エルザ「掴まりなぁああ!!!!」



汽車が脱線し、クラッシュした。



風景が躍る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ