第80話「線路上の追撃」
外壁を突き破った両者。
ヘルタースケルターも、ジャンヌ・ダルクの能力を発動させたエルザも、無傷で、外壁の内部に敷設された貨物輸送用鉄道網の線路の上に着地する。
エルザは、口にくわえていたジャンヌ・ダルクを鞘に収めると、シュヴァルブランのスロットルを吹かした。
ヘルタースケルター「あ〜あ。残念。捕まっちゃった。流石騎士様ね」
エルザ「言い残すことはそれだけかい!」
ヘルタースケルター「じゃあ、次の鬼は私ね」
エルザ「うるさいよ!!」
ヘルタースケルター「…?スリーアウト制が良かった?」
エルザが、バイクをヘルタースケルターに向かって走らせる。
と、そこへ。
フィガロ「同志!!」
ヘルタースケルターの背後から、汽笛を鳴らしながら汽車が走ってきた。
汽車の先頭、機関室に乗ったフィガロが、身を乗り出し、腕をヘルタースケルターに伸ばしながら叫んでいる。
ヘルタースケルター「じゃ、スリーアウト制ね。あと2回よ」
エルザ「待ちな!!」
エルザとすれ違うように走る汽車から、フィガロがヘルタースケルターを掴まえ、引き上げる。
エルザは、バイクで後を追う。
エルザ「逃がすと思ってんのかい!!」
エルザは、貨物用の、屋根のない車両に飛び乗ると、そのままバイクを走らせる。
が、車両にはヘルタースケルターの手下達が乗り組んでおり、エルザ目掛けて銃を構えていた。
チンピラ「撃てぇーーー!!」
チンピラ「ざまぁみやがれクソアマ!!!」
エルザ「品性の欠片もないね!!お呼びじゃないよ!!」
右手でジャンヌ・ダルクを構え、銃弾を弾き落としながら汽車の上を疾走するエルザ。
ヘルタースケルターの手下達とすれ違いざま、ジャンヌ・ダルクで切りつけ、手下達を戦闘不能にしていく。
エルザ「退きなぁ!!轢き殺すよ!!!」
アクセルを全く緩めず貨物車両を走り抜け、客車の入り口に差し掛かったエルザ。
積んであった貨物を足場にすると、飛び上がり、汽車の屋根の上に飛び乗った。
チンピラ「屋根の上だ!!撃ちまくれ!!!」
エルザ「チッ!!」
客車の中から、エルザ目掛けて、屋根を貫きながら銃弾が飛んでくる。
蛇行し、それらを躱しながら先頭車両を目指すエルザ。
だが、機関室まであと4両ほどというところで、屋根にフィガロが登ってきて、立ちはだかる。
フィガロ「同志の下には行かせません!!」
エルザが、バイクを横倒しにして止める。
エルザ「しつっこいね」
フィガロ「忍耐こそが報われるのです!!」
と、次の瞬間、特大の銃声とともに壁がぶち抜かれ、人影が汽車の屋根へ降り立った。
アドリエンヌ「やっと見つけたわよ、ボス。あっちこっち引き回してくれちゃって」
スカルシュレッダーをコッキングしながら、フィガロの背後に立つアドリエンヌ。
彼女の煙草の煙が、汽車の蒸気に紛れて後ろへ流れていく。




