第64話「初恋の終わり」
消し飛んだシュヴァリエ邸の左半分側の断面。
そこでは、ヴィヴィアンとベアトリーチェの戦いに、決着がついていた。
ベアトリーチェ「…はぁ…!…はぁ…!…っははっ…!やって、やったわ…!……どう?サイコーでしょ……!!」
ヴィヴィアン「…う……。…くっ……」
2人とも満身創痍だが、立っているのはベアトリーチェの方だ。
ベアトリーチェ「……はぁ……はぁ…。這いつくばる姿が……とっても……可愛いわ……!」
ヴィヴィアン「ぐ……っ……!」
サンダルフォンを支えにして起き上がろうとするヴィヴィアン。
だが、ベアトリーチェがヴィヴィアンを蹴飛ばした。
ヴィヴィアン「ぐあっ……!」
ベアトリーチェ「…う…っ…ふふ……ふふあははは……!いい…ザマね……。綺麗よ……。…もっと素敵にして…あげる…!」
片手でブラッディ・メアリーを構えるベアトリーチェ。
引き金に指が掛かる。
ベアトリーチェ「Dolce notte (じゃあね。 甘い夜を)」
だが、銃声が轟く事はなかった。
ローラン「そこまでだ!!」
ベアトリーチェ「なっ…!!」
ローランがどこからともなく姿を表し、ベアトリーチェの銃を弾くと、デュランダルをヴィヴィアンの方に投げて瞬間移動し、ヴィヴィアンを抱き上げる。
ベアトリーチェ「…いけずね。……逢瀬の邪魔するなんて…、躾がなって無いんじゃない…?」
ヴィヴィアン「う…ぁ…」
ローランの腕の中で弱々しく呻くヴィヴィアン。
ローラン「貴様…!よくも…!」
ベアトリーチェに敵意を剥き出しにするローラン。
と、そこへ。
エルザ「ローラン。ヴィヴィアンを連れて下がりな」
ローラン「エルザ様。…御意」
片手でデュランダルを投げ、姿を消すローラン。
エルザが、ベアトリーチェへと歩み寄る。
銃を持ったままの左手で腹を押さえながらエルザに向き直るベアトリーチェ。
ベアトリーチェ「あはぁ…。あはははは…。エルザぁ…。やっと会えた…!綺麗になったのね」
エルザ「それはどうも。あんたは醜くなったよ」
ベアトリーチェ「エルザ…。あたし、やっぱり、あなたが…いないとダメ…。見て…たくさん…傷ついちゃったわ…。あなたがいてくれないから…。ねぇ、助けて…エルザ…」
エルザ「死にゃしないだろ?唾でもつけときな」
ベアトリーチェ「どうして…?何でそんな…酷いこと言うの…?」
エルザ「……」
無言でベアトリーチェの方へと歩み寄るエルザ。
その顔は、どこまでも無表情だった。
ベアトリーチェ「エルザぁ!!」
ベアトリーチェが、腹を押さえていた左手を上げ、ブラッディ・メアリーをエルザに向ける。
エルザは、歩みを止めなかった。
エルザ「撃ちな」
ベアトリーチェ「うあぁああああ!!!!」
ベアトリーチェが引き金を引く。
が、マガジンが回転するだけで弾は出なかった。
エルザ「惨めだね。ベアトリーチェ。哀れだよ」
ベアトリーチェ「…トリィって……。トリィって呼んでよ…!エルザぁ……」
エルザが、ベアトリーチェの眼前に立つ。
エルザ「白薔薇の団、団長、エルザの名をもって、ベアトリーチェ・クラウスヴェイク。貴様を拘束する」
ベアトリーチェ「嫌…、嫌ぁ…」
エルザが、拳をベアトリーチェの腹にめり込ませる。
ベアトリーチェ「がっ……」
意識を手放すベアトリーチェ。
くずおれるベアトリーチェの身体を、エルザが片腕で抱き留める。
エルザ「じゃあね。私の初恋の女」
そして、そこへ這い寄る影が一つ。




