第62話「小さな悲劇」
共同墓所から急ぎ戻って来た白薔薇の団の面々。
エルザ率いる精鋭たちが、シュヴァリエ邸の門を走り抜ける。
エルザたちの目に飛び込んできたのは、建物の左半分が消し飛んだシュヴァリエ邸の姿だった。
エルザ「ッチィ!どうなってんだい!!全員私の後ろから離れるんじゃないよ!!このまま正面玄関に突っ込む!!」
ローランたち「「「御意!!」」」
エルザ「ジャンヌ・ダルク!!!」
障壁を展開し、玄関の大扉を吹き飛ばして中に入るエルザたち。
そこでは、リトとアドリエンヌが戦いを繰り広げていた。
アドリエンヌ「あら。お早いお帰りね」
リト「来るな!!巻き込んじまう!!」
エルザを視認するが早いか、優先目標をエルザに切り換えるリト。
リト「うあぁっ!!!ヤバい!!避けろ!!!」
エルザ「ったく、何なんだい!!」
エルザに飛びかかると、障壁に取り付き、爆炎と共に次々に両拳を叩き込むリト。
エルザ「アドリエンヌ!!説明しな!!」
アドリエンヌ「その子の元上司の置き土産よ!体内に何か埋め込まれてて操られてるんですって!」
エルザ「チッ!面倒くさいね!!あのピエロの好きそうな手だよ!!」
と、ローランがエルザの後ろから飛び出し、リトを羽交い締めにする。
ローラン「エルザ様!今の内に!!」
リト「おいバカ!!自爆したらどうすんだ!!」
エルザ「でかしたよ!そのまま押さえときな!!」
障壁を解くと、ジャンヌ・ダルクを鞘に収め、素手に切り替えるエルザ。
しかし。
ローラン「うあっ!!!」
リト「言わんこっちゃねえ!!離れろ!!全員離れろ!!」
軽い自爆でローランの拘束を解いたリトが、爆弾を辺りにバラ撒こうと両腕を上げ、予備動作に入る、が、その時。
アドリエンヌ「ナイス」
スカルシュレッダーから、轟音と共に銃弾が放たれる。
その銃弾は、魔具ごと、リトの両手を撃ち抜いた。
リト「ああっっ!!!!」
衝撃で吹っ飛ばされるリト。
すかさず、ローランがリトを再び羽交い締めにした。
ローラン「エルザ様!!……?あれ?」
リト「…痛ってぇ……」
リトに、抵抗する様子は無かった。
アドリエンヌ「ちょろちょろ動くから狙いづらかったのよね。良くやったわ、ボーヤ」
アドリエンヌが、スカルシュレッダーをコッキングして排莢を行う。
エルザ「……体内に埋め込まれてんじゃないのかい?」
アドリエンヌ「あたしもそう思って、まず動き回らないようにしてからそれっぽい場所を1箇所ずつぶち抜いていこうと思ってたんだけど。ツイてたわね」
リト「ツイてねぇよ…。くっそ痛え…」
エルザ「何か仕込まれてたのは魔具の方かい。2人、この場の確保と、この娘の手当に残りな!残りは続け!!」
ローランたち「「御意!」」
アドリエンヌ「あたしは?」
エルザ「スマイルが来てんだろ?探してきな」
アドリエンヌ「めんどいわね。殺っちゃっていいんでしょ?」
エルザ「好きにしな。行くよ!!」
駆けていくエルザたち。
どうやら、とても小さな悲劇で済んだようだ。




