表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/105

第61話「炎の八咫烏神社」

ドライフラワー患者とスマイル達によるシュヴァリエ邸襲撃の少し前。


八咫烏神社。

敷地内の地下牢。


木枠で出来た牢の中の囚人は現在一人。

ジ・エンターテイナーである。

暮雨が、一人で牢の前を訪れていた。



ジ・エンターテイナー「フン…。飯の時間か?それとも笑いに来やがったか」


暮雨「(やつがれ)にそのような趣味はない。…貴様の身をどう処すか思案しに来た」


ジ・エンターテイナー「言ってるだろうが。殺せよ。(いさぎよ)く腹を切らせろ。…貴様に負けた。これ以上の生き恥はねぇ」


暮雨「罪人には罪人の遇し方というものがある。貴様に似合いは牢の中よ」


ジ・エンターテイナー「チッ。やはり貴様は趣味が悪ぃよ。燕春は貴様のような奴のどこを見初めたのか、まるで分からん」


暮雨「……。僕にも分からぬよ。燕春は、僕などとは住む世界が違ったと言うのに。…何故、僕は…。燕春を愛してしまったのか…」


ジ・エンターテイナー「燕春も貴様を想っていた。口を開けば二言目には貴様の名前だったからな。…あれは、俺に似ずに、聡く強い娘だった。そして優し過ぎた。大方、貴様を放っておけなかったんだろうさ」


暮雨「…あの時分の僕には、他人の痛みが分からなんだ。それを教えてくれたのが…」


ジ・エンターテイナー「へっ。貴様に嫁がせるくらいならそこらの鼻タレにでもくれてやった方がマシだったぜ」


暮雨「ふっ…。違いない。だが、僕はそれでも燕春を愛しているよ。きっと、来世では添い遂げたいものだ」


ジ・エンターテイナー「…けっ」



突如、黒の街の何処かから、爆音と振動が響く。

ヴィヴィアンとベアトリーチェの戦闘の余波だ。



暮雨「…!」


ジ・エンターテイナー「おい…!何が起きてやがる!!」


暮雨「……」



ジ・エンターテイナーが、木枠を握って叫んだ。



ジ・エンターテイナー「おい!俺をここから出しやがれ!!戦いもせずに死ぬのなんざ真っ平御免だ!!おい、暮雨!聞いてるのか!!」



しばらく左手を刀の柄に掛け、右手を顎にやっていた暮雨だったが、おもむろに顎から手を外すと、刹那の後、刀を鞘に収めた。


次の瞬間、木の牢が両断される。

暮雨は背を向けたままだ。


自分が掴んでいた木枠を投げ捨て立ち上がるジ・エンターテイナーに、暮雨が刀を一振り差し出す。



ジ・エンターテイナー「これは…!」


暮雨「使い方を忘れたなどとは言わせぬぞ。取れ」


ジ・エンターテイナー「…後悔しても知らんぞ」


暮雨「既に悔いているさ」



二人肩を並べて、八咫烏神社の拝殿へと走る。

そこでは、ドライフラワー患者たちと忍びたちとの戦端が開かれていた。


密集陣形を組んで敵の猛攻を耐え忍ぶ忍びたち。

しかし、次々と押し寄せるドライフラワー患者たちの物量差に押され、燃え上がる拝殿を背に、一人また一人と倒れていく。



暮雨「おおぉっ!!!」


ジ・エンターテイナー「ちぇすとぉ!!」



切り込んでいく暮雨とジ・エンターテイナー。

背中を預け合いながら、ドライフラワー患者を次々に切り捨てていく。



ジ・エンターテイナー「やるじゃねえか!」


暮雨「貴様も鈍っては居らぬようだな!」



ドライフラワー患者たちを押し返していく二人。



小雨丸「今が好機!遅れを取るな!!」


ジョナサン「一気に押し返しマース!!」


忍びたち「「「応!!」」」



炎の中で、忍びたちの死闘が幕を開ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ