第51話「事態収束のアピールも兼ねて」
3日後。シュヴァリエ邸。
左腕を包帯で吊ったエルザが、マルコシアスと暮雨を出迎える。
マルコシアス「よう。エルザ。邪魔するぜ。どうだ具合は」
エルザ「よく来たね。お陰様で、ぼちぼちって言ったところさ。事後処理も、優秀な部下たちが頑張ってくれてるからね」
マルコシアス「そいつぁ羨ましい。俺んとこにも分けて欲しいくらいだぜ。なぁ暮雨よ」
暮雨「うむ。どこも人手が足りていない故な」
エルザ「ま、愚痴は中で聞かせとくれ。入んな」
マルコシアス「おう。邪魔するぜ」
暮雨「かたじけない」
シュヴァリエ邸に集った組織の長たち。
マルコシアスはダンテを、暮雨は小雨丸を引き連れている。
それを迎えるシュヴァリエ邸の使用人たちにも、緊張が見て取れた。
玄関から入ってすぐ、後ろに使用人たちを並ばせたヴィヴィアンが出迎える。
ヴィヴィアン「ようこそおいで下さいました。マルコシアス様。暮雨様。おもてなしの用意が済んでおります。エルザ団長の私室へご案内致します」
マルコシアス「おう。世話になるぜ」
暮雨「僕は、付人を庭で待たせようと思うが、場所を借りても良いか」
エルザ「何言ってんだい。客人を庭で待たせるなんて、そんな失敬な真似するはずないだろ?応接室でもてなすよ」
小雨丸「拙者は、暮雨様の命に従いまする」
エルザ「暮雨?」
暮雨「相分かった。厚意に預かろう」
マルコシアス「ダンテ。お前も応接室で待たせてもらえ」
ダンテ「Si. 何かあったら呼んで下せえ」
エルザ「ローラン。案内して差し上げな」
ローラン「御意に。皆様、こちらへどうぞ」
ローランの案内で応接室の方へ向かう小雨丸とダンテ。
エルザたちも、ヴィヴィアンの案内でエルザの私室へと到着する。
エルザ「ご苦労。手筈通りに頼むよ」
ヴィヴィアン「はい。エルザ様。後ほど、お料理をお持ちします」
ヴィヴィアンが部屋を後にする。
暮雨は立ったまま部屋を見回し、マルコシアスはソファにどっかりと腰を降ろした。
マルコシアス「おいおい。この部屋、鎧やら剣やらが飾ってあった部屋じゃねえか?」
エルザ「よく知ってるね」
マルコシアス「先々代の時と先代の時にも来てるからな。何だ、お前さんこんな狭苦しい部屋を自室に使ってるのか」
エルザ「充分広いと思うけどねぇ。30人は入るよ」
マルコシアス「無欲っつーか何つーか。ま、広けりゃ良いってもんでもないしな」
暮雨「うむ。僕も、自室は4畳程だ」
マルコシアス「…良く生活できるなお前さん」
暮雨「む。人には2畳あれば充分であろう」
エルザ「まあ座りなよ。それとも座布団の方が良いかい?」
暮雨「あぁ。いや、すまぬ。つい癖でな。寛いでいない訳では無いのだ」
マルコシアス「起きて半畳寝て一畳ってか?お前さんなら四分の一畳でも生活出来るに違いねえ」
暮雨「流石に立ったまま寝るのは堪える。腰を悪くするのでな」
マルコシアス「寝られはすんのかよ」
シュヴァリエ邸は、いつになく活気づいていた。




