表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/105

第48話「前庭の戦い」

エルザ達の決着がつく少し前。

シュヴァリエ邸。


その前庭では、ベアトリーチェとヴィヴィアンが睨み合っていた。



ベアトリーチェ「はぁ…。面白くないわ。どいつもこいつも、自分の目的の事ばっかで、本気で戦おうとしないし。醒めちゃった。もっと…剥き出しの闘争が、血が見たかったのに、…ねぇ?」


ヴィヴィアン「左様でございますか」


ベアトリーチェ「みぃんなそうよ。お前みたいに澄まし顔で戦っちゃって。つまらないったらありゃしないわ」


ヴィヴィアン「左様でございますか」


ベアトリーチェ「それしか言えないわけ?」


ヴィヴィアン「申し訳ございませんが、お引き取り願いますわ」


ベアトリーチェ「はぁ?なってないわね。…まあいいわ。エルザは?」


ヴィヴィアン「アポイントメントをお取りになっておりますか?」


ベアトリーチェ「話にならないわね。通るわよ」


ヴィヴィアン「申し訳ございませんが…」



ヴィヴィアンが、身の丈ほどもあるメイス型の魔具を取り出す。


黒の街のどこかで、目も眩む火の手が上がった。

スマイルの山車が爆ぜたのだ。



ヴィヴィアン「お引き取り願いますわ」


ベアトリーチェ「なに…。やる気?ったく」



ベアトリーチェが二丁拳銃を構える。



ベアトリーチェ「とっとと死んでよね」



ベアトリーチェの姿が、余りの速さに霞んで消える。

だが、ヴィヴィアンは迷うことなく振り返り、自分の後ろに向かって目にも留まらぬ速さでメイスを振り下ろした。



ベアトリーチェ「ッ!!」


ヴィヴィアン「翼持つ破壊者 (サンダルフォン)!!」



ベアトリーチェに相対するヴィヴィアンは、狂戦士の如き形相をしていた。

眼は見開かれ、口角は不気味に上がっていた。



ベアトリーチェ「ッいいじゃない!これよ!!これが欲しかったのよ!!」


ヴィヴィアン「オオォ゛ッ!!!」



瞬きすら間に合わない速度で、ヴィヴィアンはサンダルフォンを2度、3度と頭の上まで振りかぶり、渾身の力で振り下ろす。

ベアトリーチェは紙一重でそれを(かわ)すが、反撃できずにいた。


シュヴァリエ邸の庭に、クレーターが幾つも出来ていく。



ベアトリーチェ「ーー!!」



ベアトリーチェが二丁拳銃を発砲するが、ヴィヴィアンは弾丸を周りの空間ごとなぎ払って弾き、瞬く間にベアトリーチェに肉薄する。



ベアトリーチェ「やりづらいわね!!」



ベアトリーチェが銃床でヴィヴィアンを殴りつけるが、ヴィヴィアンはそれを気にも止めていない。



ヴィヴィアン「ギャハハハハァ!!!」


ベアトリーチェ「くっ…!!」



けたたましく笑うヴィヴィアンが、嵐の如く攻め立てる。

ベアトリーチェはそれを躱し続けるが、躱すので精一杯だ。



ベアトリーチェ「いいじゃない!!貴女いいわ!!」



ベアトリーチェが、振り下ろされたサンダルフォンの上に乗り、ゼロ距離でヴィヴィアンの顔面に弾丸を撃ち込む。

が、ヴィヴィアンはそれを尋常ではない速度で首を振って躱すと、サンダルフォンを手放し、殴りつけた。



ベアトリーチェ「っつあ!!」



ベアトリーチェがとっさに両手をクロスさせて防ぐが、20mほど吹っ飛ばされる。

着地し、体制を立て直すベアトリーチェだったが、ヴィヴィアンもすかさずサンダルフォンで追撃を見舞った。



ベアトリーチェ「あはは…!!」



ベアトリーチェがそれを迎え撃とうとした瞬間。



フィガロ「そこまでです」


アドリエンヌ「ストップよ」



フィガロが、魔具で、地面を水に変質させ、ヴィヴィアンがそれに足を取られ沈む。

アドリエンヌが、それを引き上げて地面に立たせた。



フィガロ「ベアトリーチェ、退きます。スマイルが失敗したようです」


ベアトリーチェ「あぁ?邪魔しないでよ。今、最高に良いとこなのよ!」


フィガロ「ベアトリーチェ。聞き入れて下さい。機会ならまた設けます」


ベアトリーチェ「今、やらせろ!!」



そこへ、ヴィヴィアンが声をかける。

その顔は、普段の表情に戻っていた。



ヴィヴィアン「どうぞ、お引取りを」


フィガロ「話が分かる方だ。さあ」


ベアトリーチェ「…ちっ。何よ、貴女まで。興醒めだわ」



ベアトリーチェが、二丁拳銃をホルスターに戻す。

フィガロが先立って、踵を返した。が。

ベアトリーチェがしばらく行ったところで振り返る。



ベアトリーチェ「ねえ。貴女、名前は?」


ヴィヴィアン「ヴィヴィアン・ボードレールと申します」


ベアトリーチェ「ヴィヴィアン…。覚えておくわ。私はベアトリーチェよ。ベアトリーチェ・クラウスヴェイク」


ヴィヴィアン「左様でございますか」


ベアトリーチェ「あはは…」



そして、2人は去っていった。


長い夜が明けようとしている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ