第44話「お披露目」
スマイルとエルザが、同時に魔具に魔力を込める。
エルザ「ジャンヌ・ダルク!!」
スマイル「ジル・ド・レェ!!」
双方の魔具から障壁が展開され、激しくぶつかり合う。
エルザ「力比べがお望みかい!笑止!!」
スマイル「くっ…!馬鹿力め!」
魔力の火花を散らす二人。
だが、次第にスマイルの障壁にヒビが入り始める。
スマイル「馬鹿な…!!いったい…!!」
エルザ「魔具も力量も、格が違うのさ!!道化!!」
エルザがスマイルを圧倒する。
スマイルの障壁が砕け散った。
スマイル「…ハハッ。これは、改良が必要だね。じゃあ次はこれだ」
エルザ「洒落臭いんだよ!!」
スマイルが巨大な姿見のような魔具を取り出すが、エルザが間髪入れずに斬りかかり、スマイルに剣戟を受けさせる。
スマイル「前説くらいゆっくり聞きなよ…!せっかちなお客様だ!!」
エルザ「ベラベラ喋ってると舌噛むよ!!」
スマイルが姿見のような魔具を掲げ、エルザの姿を鏡に写す。
すると、鏡型の魔具は、見る間に形を変え、エルザの姿を取った。
スマイル「ドッペルゲンガーと言ってね。使い切りだけど…、効果は見ての通りさ。全く同じ動きをするよ」
エルザ「はっ。猿真似がお好きなようで」
スマイル「ちなみに魔具も完全に複製されてる。ハハッ。どうするのかな?」
エルザ「こうするに決まってるじゃないのさ」
スマイル「ッ?!」
エルザが、自分の後方に向かってジャンヌ・ダルクを振るい始める。
ドッペルゲンガーによって生み出されたエルザも、寸分違わぬ動きをし始めた。
当然、そこにはスマイルがいる。
エルザ「おつむが足りてないんじゃないのかい?」
スマイル「とっさに後ろに向かって剣を振れるとか…!君、少しは人間らしくしたらどうなんだろうね!!」
エルザ「褒め言葉として受け取っておくよ!!死にな!!」
スマイル「チッ!!」
スマイルが指を弾いて鳴らす。
すると、たちまちエルザの鏡像は掻き消える。
エルザ「お〜やおや。面白くなってきたところだったのにねえ」
スマイル「全く、取り扱い説明書の注意書きに君に使わないようにとでも書き加えておこうかな」
エルザ「それより、返品、返金は一切受け付けておりません、とかの方がいいんじゃないかい?」
スマイル「ハハッ…。余裕だね。君の大事な大事な仲間たちの所に早いとこ駆けつけてあげた方がいいんじゃないの…?」
エルザ「なに。そっちと違って、私のとこの連中は優秀でね。こうやって遊んでても勝手に仕事してくれるのさ」
スマイル「それはそれは…。羨ましいね。是非とも秘訣を教えてもらいたい物だよ」
エルザ「簡単さ。誠実に、他者に尽くすことだ」
スマイル「ハハッ…。なるほどね…。ハハッ、ハハハハハハッ!」
道化の高笑いが響いた。




