第43-3閑話「興醒め」
一方、その頃。
ヘルタースケルター「凄いのね。あなたのところの執事さん。ますます欲しくなっちゃうわ」
アドリエンヌ「余所見してて良いワケ?」
アドリエンヌが自身の魔具、スカルシュレッダーを構える。
ヘルタースケルター「あら?ウフフ…。貴女は戦うのが好きなの?戦ったらお友達になってくれる?」
アドリエンヌ「はぁ?なに。遺言はそれ?」
ヘルタースケルター「戦いじゃなくて、殺し合いが好きなの?じゃあ殺し合いましょ。ウフフ」
アドリエンヌ「頭おかしいんじゃないの?」
スカルシュレッダーの銃身が轟音と共に火を噴く。
その衝撃波は、ヘルタースケルターだけでなく、その近くにいたならず者やドライフラワー患者たちをも襲った。
吹き飛ばされるならず者とドライフラワー患者。
だが、ヘルタースケルターは、自身がいつも差している傘を前に開いて構えたまま、微動だにしていなかった。
アドリエンヌは、無言でボルトアクション機構を操作する。
ヘルタースケルター「…。死ぬのがお好きだったかしら?」
アドリエンヌ「ちっ…」
アドリエンヌが次弾を放とうとした、その時。
小雨丸「白薔薇の団の方!助太刀に参りました!!」
ジョナサン「鴉参上デース!!」
アドリエンヌ「余計なお世話よ。引っ込んでなさい」
小雨丸「いえ、そういう訳には!我ら忍衆が敵を押し返します!」
ジョナサン「もうじき、民間人の避難もコンプリートデース!マルコシアスファミリーが合流したら、北エリアの敵を一気に西エリアまで押し込みマース!!」
アドリエンヌ「………チッ。興醒めだわ」
1歩下がり、防衛の構えを見せるアドリエンヌ。
Mr.ブラックジョーク「姫サマ。そろそろ退がルヨ」
ヘルタースケルター「あら?どうして?」
Mr.ブラックジョーク「フィガロ達がしくじッタ。時間切レダ」
ヘルタースケルター「あらそう。じゃあ、あっちの執事さんのところに行ってくるわ」
Mr.ブラックジョーク「なニ?」
アドリエンヌ「ちょっと。馬鹿にするのも大概にしなさいよ」
ヘルタースケルターが半ばそっぽを向く形でアドリエンヌたちの前から離れる。
ヘルタースケルターの後を追うアドリエンヌ。
小雨丸「お待ち下さい!」
ジョナサン「小雨丸!我々はここを保たせなければなりマセーン!!あちらはお任せすべきデース!!」
小雨丸「くっ…!」
Mr.ブラックジョークとヘルタースケルターを追って、アドリエンヌがセバスチャンの方へ迫る。
セバスチャン「おや」
ヘルタースケルター「ご機嫌よう。執事さん。ねぇ、私のお友達になって下さらない?」
フィガロ「ブラックジョーク!何をしているのです!何故、同志がこちらに!!」
Mr.ブラックジョーク「ワタシはタダのバイヤーに過ぎないからネ。姫サマを止めらレル訳ないヨ」
ベアトリーチェ「次から次へとわらわらわらわら。ホント下らないわね。…お先に失礼するわ」
どこかへと跳び去るベアトリーチェ。
フィガロ「ベアトリーチェ!」
セバスチャン「アドリエンヌ様!」
アドリエンヌ「…ハァ。分かったわよ」
手近にあった壁を蹴って跳び上がり、半ば瓦礫と化した建物から建物へと飛び移りながらどこかへと向かうベアトリーチェを、アドリエンヌが追う。
白薔薇の団は、鴉の助勢を得たものの、満身創痍だった。




