第43-1閑話「白い暴風」
スマイルの山車の上でエルザ達が戦い始めた頃。
セバスチャンのもとに、南エリアから、中央エリアを経由して西エリアまで防衛線を伸ばしたマルコシアスから通信が入っていた。
マルコシアス『白薔薇の団か!こちらマルコシアスだ!!今どこにいる!!』
セバスチャン「マルコシアス様、こちら白薔薇の団のセバスチャンでございます。現在我々は、北エリアと中央エリアの境でドライフラワー病罹患者、及び所属不明の武装集団と交戦中です」
両方の通信機からは、互いにけたたましい銃声や砲音、魔具の作動音や怒号が飛び交っているのが聞こえる。
マルコシアス『南と西の境でエルザがスマイル達とやりあってる!加勢に行きたいが、西から中央と北に向かってるドライフラワー患者を食い止めるので手一杯だ!!そっちから人員を割けないか!?』
セバスチャン「申し訳ございません。こちらも手が回らず。それに、エルザ様直々の命によりここから動けませぬ。避難誘導が完了しておりませぬゆえ」
マルコシアス『チッ…!持ちこたえろよ!西を片付けて北に人員を回す!!合図を送ったら挟撃するぞ!!』
セバスチャン「承知しました。こちらも体勢を整えます」
マルコシアス『…通信終了』
セバスチャンが通信を終える。
と、同時に、中央エリア境界の隔壁に向かって、ならず者たちを率いて強引に突破してくる一団が現れる。
ヘルタースケルター達だ。
フィガロ「同志よ。あれは白薔薇の団の中でも名の知れた強者。用心するのです」
ヘルタースケルター「あら?ウフフ…。執事さんがいるわね。ちょうど欲しいと思っていたところよ」
Mr.ブラックジョーク「ほウ?言ってくれレバ取り揃えて置いたのダガ。今度入荷しておくとシヨウ」
ベアトリーチェ「アハハハハハ!どっかで見た顔だと思ったら…!!エルザのとこの執事さんじゃない。ねぇ…?エルザはどうしてる?綺麗になった?」
セバスチャンとともに防衛線を張っていたアドリエンヌが、咥えていた煙草を投げ捨て、踏みにじった。
アドリエンヌ「なに?知り合い?」
セバスチャン「さあ。失礼ながら存じ上げない顔でございます」
アドリエンヌ「…あっそ。じゃあ、あの真ん中の親玉っぽい奴は貰うわよ」
セバスチャン「承知しました」
フィガロ「…。貴方お一人で我々3人を相手にするおつもりですか?」
セバスチャン「ほっほ。もしやご心配なさって頂けるのですかな?でしたらお気持ちだけ受け取らせて頂きましょう」
セバスチャンが、どこからともなく鎖で繋がれた身の丈ほどもある大剣二振りを取り出す。
セバスチャン「あなた方の相手など私め1人で十分でございます」
大剣を両手に構え、ヘルタースケルターを除く3人を睥睨するセバスチャン。
セバスチャン「生憎、多忙でございますので。お手柔らかに」
セバスチャン・ロベール。
かつて白い暴風と呼ばれた男。




