第42話「決着その二」
肩に魔具を担いだジ・エンターテイナーは言う。
ジ・エンターテイナー「貴様は何も分かっちゃいねえ。燕春が死を選んだのは貴様への愛の深さ故だ。死なせたのは貴様だ」
暮雨「…もう良い。これ以上の言の葉は要らぬ」
ジ・エンターテイナー「そうだ。今ここに燕春はいねえ。俺と貴様だけだ」
お互いに魔具を構える2人。
暮雨は居合の構え。
ジ・エンターテイナーは、魔具を肩に担いだまま、腰を低く落とした。
暮雨、ジ・エンターテイナー「「辞世の句ぐらい聞いてやるが?」」
花火を合図に両者が斬り込む。
暮雨、ジ・エンターテイナー「「!!!!!」」
刀を上に振り抜いた暮雨と、魔具を横に振り切ったジ・エンターテイナーが、一瞬の交錯の後の姿勢で止まる。
やがて、ゆっくりと崩れ落ちたのは。
ジ・エンターテイナーの方だった。
刀を鞘に収め、うつ伏せに倒れたジ・エンターテイナーに歩み寄る暮雨。
ジ・エンターテイナーは、掠れた声で暮雨に声をかける。
ジ・エンターテイナー「く…くく…。貴様との因縁も終いだな…。…やれよ」
暮雨「哀れな男よ…」
ジ・エンターテイナー「負け犬の…面を拝みに来るとは…。趣味の悪い…野郎に成り下がったもん…だな」
暮雨「黙れ。遠吠えなど聞かせるな」
ジ・エンターテイナー「くく…。耳障りか?なら…とっとと…一思いに…やれ…」
暮雨「何を勘違いしているのか知りはせぬが。貴様の命など取らぬ」
ジ・エンターテイナー「……なんだと」
暮雨「この舞牡丹は、貴様のような小悪党の血で錆つかせるには惜しい業物だ。貴様にものの価値など分からぬだろうがな」
ジ・エンターテイナー「待てよ…。生き恥晒せって…のか…!」
暮雨「それが似合いと言うものよ」
ジ・エンターテイナー「ふざけるな…!ゴホッ…!!貴様…!!貴様…ゴホッ…!!俺に情けを掛けるつもり…グッ…か…ァ…!!」
暮雨「情けか…。違うな。これは沙汰だ。貴様の業への報いに他ならぬ」
ジ・エンターテイナー「殺せ…!!殺せ…ゴホッ!!俺を…!!今殺せぇッ…!!ゴホッ!!ガフッッ!!」
暮雨「言ったであろう。言の葉など要らぬ。僕は、僕の成すべきことを成すのみよ」
ジ・エンターテイナー「貴様…!!貴様ぁあああ…!!ゴホッ!!カァッ…ゴフッ…!!」
暮雨「さらばだ。暫し寝ておれ」
背を向けると、ひしめくドライフラワー患者の方へと向かう暮雨。
こうして、山車の上の戦いにまた1つ決着が訪れた。




