第37話「鴉」
スマイルの山車が、西エリアと南エリアの境界に差し掛かった時だった。
スマイル「時は満ちた。ラッキーボーイ」
ジ・エンターテイナー「いいだろう」
スマイルの合図で、目の眩むような真っ赤な花火が上がり、黒の街の空を覆い尽くす。
それは凶禍の始まりだ。
嫌な音を立てて、スマイルの山車の下部がフレームを残して弾け飛び、無数のドライフラワー病患者が溢れ出した。
そしてそれは、西エリアに留まっていたもう1台の山車も同じだった。
それと時を同じくして、北エリアの地下からはヘルタースケルター達が姿を現す。
と、その時。
スマイルの乗る山車が留まるストリートの上に架かっている高架橋の上から魔具で拡声した声が轟き渡る。
そこには、忍び達を従え、羽織を翻す暮雨が居た。
暮雨『そこまでだ!!これ以上の非道、我ら鴉がまかり通さぬ!!覚悟!!!』
刀を抜き放つ暮雨。
それを合図に、忍び達がいっせいに高架橋から四方八方に跳び、暮雨は山車の上に飛び乗る。
エルザ「私たちも行くよ!!」
ローラン「御意!!」
近くにいたエルザたちも、山車に飛び乗った。
すると、山車の周囲数メートルを囲むように結界が張られ、暮雨たち諸共ドライフラワー病患者たちが閉じ込められる。
暮雨「エルザ殿!!」
エルザ「やぁ暮雨。いい夜じゃないか」
暮雨「何故来た!出られぬぞ!!」
エルザ「あんたもだろ。無茶してんじゃないよ」
スマイルたちが、ハッチを開いて山車の上の舞台上へと出迎えに上がってくる。
スマイル「やぁやぁお揃いで。パレードはお気に召したかな?」
エルザ「あぁ、気に入ったとも。これでゴチャゴチャと理由をつけなくても心置き無くあんたを殺れるからねぇ」
ジャンヌ・ダルクを抜き放ち、切っ先をスマイルに突き付けるエルザ。
暮雨「同意だな。因果には応報が下るものだ」
暮雨も、愛刀、舞牡丹五月雨を上段に構える。
スマイル「それは何より。丁度パレードも盛り上がってきた所だ。君たちの首をオーディエンスの前に晒してフィナーレを飾ってあげるよ」
リトル・トラジティ、ジ・エンターテイナーもスマイルの横で構えた。
エルザ「一対一かい?よく出来た筋書きじゃないか。行くよ!!」
一際大きな花火が上がる。




