第35話「最高潮」
黒の街、南エリア。
スマイルの山車の前に、ドラムマガジンを備えたマシンガンを持つ手下を、ズラリと従えたマルコシアスが立ち塞がっていた。
マルコシアスが拡声器を手に怒鳴る。
マルコシアス『今すぐ止まれ!!この万年顔色最悪野郎!!』
スマイル『おやおや!はしゃぐのは分かるけど、パレードの邪魔をしちゃダメだよ〜!さぁ、どいたどいた〜!』
マルコシアス『誰に許可を得てトンチキ騒ぎしてやがるんだ!!鉛玉で強制的にダイエットさせられたくなかったら今すぐ巣穴に帰って玉乗りの練習でもしてろ!!』
スマイル『あれあれぇ〜?何日か前にパレードのお知らせを渡しに行った時は楽しみにしてるとか何とか言ってたと思うんだけどな〜』
マルコシアス『気が変わったんだよ!今日は静かに月でも眺めてたい気分なんだ。だってのに馬鹿みてえにビカビカドンドンさせやがって!!』
スマイル『祭りの夜に無粋なことは言いっこなしさ!』
マルコシアスの登場にざわめき出す観衆。
マルコシアスは、そちらへ向かって拡声器越しに怒鳴る。
マルコシアス『何見てんだ!!見世物じゃねえぞ!!てめえらもとっとと帰らねえとぶっ放してやるからな!!俺は今最高に虫の居所が悪いんだ!!』
ますますざわめく観衆。
マルコシアスの手下が、宙に向かって発砲する。
何が起こったのか分からず戸惑うばかりの観衆だったが、次第に、その中から声が上がり始める。
ダンテ「実弾だぞーーーー!!!」
マウリツィオ「本気で殺す気だーーー!!逃げろーーーー!!!」
2人の叫び声を合図に、観衆に扮したマルコシアス・ファミリー達が、次々に声を上げ、中央区の方へと逃げ始める。
次第に、人の流れが出来始め、観衆たちは中央エリアへと避難を始めた。
そこへ、白薔薇の団の団員たちが現れ、避難誘導を始める。
マルコシアスの通信機が鳴った。
エルザ『何をしたんだい?!随分騒がしいじゃないのさ!!民間人に発砲したってのは何かの間違いなんだろうね!!』
片耳に指を突っ込み、マルコシアスが通信機に向かって怒鳴る。
マルコシアス「いいや!本当だ!!全部空砲だがな!!多少怪我人は出るだろうが、他に方法を思いつかなかった!!後は俺達ファミリーがとち狂って暴れてる映像を他のエリアに中継する!!お前さんのとこの団員を借りるぞ!!」
エルザ『了解!嫌な役回りを押し付けちまって悪いね!!』
マルコシアス「なーに、俺たちぁ、嫌われ者担当だ!屁でもねえさ!!それより、カメラに映った俺は最高にキマッてるぜ!!腰抜かすなよ!!」
マルコシアスの言った通り、黒の街の至る所、建物の壁や広場のスクリーンに、マルコシアスが暴れ回る姿が映し出される。
エルザ「ちょっと見直したのが馬鹿みたいだよ!!通信終了!!」
ローラン「エルザ様!スマイルの山車が南エリアから西エリアに戻っているそうです!!」
エルザ「何する気だ…?急いで戻るよ!!」
元きた方へと引き返すエルザ達。
一方。
スマイル「やれやれ。運命って奴はとことん僕がお嫌いなようだね。全くもってひねくれてる」
リトル・トラジティ「団長!どうするの?」
スマイル「ハハッ!予定よりは幾分か早いが、これもまた祭りの醍醐味さ!!クライマックスと行こうじゃないか!!…ねぇ?お姫様」
ヘルタースケルター『ウフフ…。そうね。それがいいわ』
パレードはクライマックスへ。




