表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/105

第21話「奇術師マルコの持論」

シュヴァリエ邸。


玄関前の車止めに、マルコシアスのクラシックカーが止まっていた。

そこへ、白薔薇の団の正装で身を固めたエルザが階段を降りてくる。



マルコシアス「よう、エルザ。呼んでくれて嬉しいぜ。お嬢さん方もご機嫌よう」


ゾエ・ヴィヴィアン「ご機嫌よう、マルコシアス様」


マルグリット「ご、ご機嫌よう、マルコシアス様…」


エルザ「フッ…。ご足労(そくろう)頂いて悪いね。マルコシアス。…いい車じゃないか。新車かい?」


マルコシアス「あぁ…。イカしてるだろ?バカみてぇに燃費が悪いがな。乗りな」



ダンテが後部座席のドアを開け、エルザとローランが乗り込む。

続いてダンテとマルコシアスも乗り込むが、マルコシアスは運転席に座る。



エルザ「へえ?マルコシアス。あんたが運転するのかい?」


マルコシアス「あぁ。これでも若い頃は、よく闇レースに出たもんだ。奇術師マルコって呼ばれてたんだぜ?」


エルザ「イカサマばっかしてっからかい?」


マルコシアス「ヘッ。イカサマは駆け引きの内さ。見破れねえ方が悪い。…出すぜ。シートベルトがねえから何かあったらその辺に掴まりな」



エンジンがかかり、軽妙な音とともに、車が黒い煙を吐き出す。

そして、シュヴァリエ邸の正門までの道を駆け抜けた。



エルザ「…そっちの連れ。見ない顔だね」


マルコシアス「あ?あぁ、そういや初めてだったか?こいつは失敬」


エルザ「いや、こちらこそさ。私は、白薔薇の団、団長、シュヴァリエ家当主、エルザ・シュヴァリエだよ。知ってるだろうがね。こっちは近侍(きんじ)のローランだ」



頭を軽く下げ、会釈するローラン。



ダンテ「お初にお目にかかりやす。ご挨拶が遅れ、申し訳ありやせん。マルコシアスファミリー、ダンテ・ヴァレンティーノと申しやす。お見知りおきのほど、願いやす」


マルコシアス「おいおい。もうちっと愛想よくしろよ」


エルザ「いやいや、気に入ったよ。中々堂々としてるじゃないか」


ダンテ「恐れ入りやす」


マルコシアス「良かったな。ダンテ。せっかくだし親睦(しんぼく)でも深めたらどうだ?長くなるからな。あぁ、そうだった。すまないなエルザ。寄り道させてもらうぜ」


エルザ「あぁ。構やしないよ。色々、話させてもらうからね」


ダンテ「はあ…」


エルザ「おや、嫌かい」


ダンテ「嫌じゃねえですが。自分は口下手なんで。楽しくねえと思いやす」


エルザ「そんなこたないさ。ここにも口下手がいる事だしね」


ローラン「…すみません」


エルザ「冗談だよ。…しかし、ダンテ。あんた随分腕が立ちそうだね。こんな良いの、どこで見つけてきたんだいマルコシアス」


マルコシアス「ん?あぁ…。まあ、仕事のいざこざでな」


ダンテ「親父には、良くしてもらってやす」


エルザ「喋りたくないってかい?これは悪いこと聞いちまったかね」


ダンテ「いえ、別に。自分がやらかしちまっただけっすから」


エルザ「良いんだよ。誰でもスネに傷の一つや二つあるもんさ。…もっと楽しいこと話そうかね。ローラン、何かないのかい」


ローラン「え…。私は…」


マルコシアス「はははっ。おいおい、あんまり若いのをいじめてやるなよ。俺たち年寄りが楽しめる話題なんて持ち合わせてねえさ」


エルザ「何言ってんだい。老け込むにはまだ早いよ。恋の一つや二つ、してみちゃどうだい」


マルコシアス「俺がかぁ?馬鹿言え。食わせなきゃいけねえ息子や娘がわんさかいるんだ。そっちで手一杯さ。お前さんこそ、どうなんだ」


エルザ「…私かい?そうさねぇ…」



窓の外に目をやるエルザ。



エルザ「私も忙しくてねぇ。…ローラン。お前はどうなんだい?相談に乗ってやるよ?」


ローラン「わ、私ですか。私は…」


エルザ「お前は頑固だからねえ。案外、年上が良いかもね。ドロテアなんてどうだい。お似合いだと思うよ?」


ローラン「……ドロテア様は、良い方です」


エルザ「はは。ま、あいつは酒癖悪いしね。…ダンテ。あんたはどうだい?」


ダンテ「あっしは…、そういうのとは縁がねえもんでして」


エルザ「へぇ…?そいつはいい事聞いたねえ」


ダンテ「…?どういうことですかい?」


エルザ「いやいや、こっちの話だよ。うちのメイドに1人、行き遅れがいてねぇ。……メイドと言や、マルコシアス。さっき、3人、玄関の前に並んでたろ?内ひとりがあんたにお熱みたいだよ?」


マルコシアス「ん?お前さんとこのお嬢さんがか?はっはっは。俺もまだまだ捨てたもんじゃないな」



マルコシアスがアクセルを踏み込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ