表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/105

第97話「鮮血とワルツ」

ヘルタースケルターが立ち上がり、エルザに襲いかかる。



ヘルタースケルター『何で…っ!!何でよ!!私、あなたの悪口は1回も言わなかった!!何でそんなに私の事が嫌いなの…っ?!あなたたちも、生きるために動物を殺して食べるじゃない!!人間同士で殺し合うじゃない…!!私の何が悪いの?!!私の何が悪なのよ…!!!』



素手で殴り掛かるヘルタースケルターを、ジャンヌ・ダルクでいなすエルザ。



エルザ「家畜だって食われそうになったら反撃くらいするさ!!そうだよ!!これは人間だけの身勝手な正義だ!!!だからもう黙れ!!!恨むなら恨みな!!憎むなら憎みな!!」


ヘルタースケルター『嫌いよ!!!あなたなんて!!!!』



ヘルタースケルターが、大きく飛び退(すさ)って距離を取った。

ヘルタースケルターの左目から咲いている花が紅く光る。



ヘルタースケルター『死んじゃえ!!!!!』



ヘルタースケルターから伸びるツタが、槍のように形を成してエルザを襲う。

エルザはジャンヌ・ダルクで受けるが、受けきれず、大きく体勢を崩される。


そこへ、更にツタが振るわれる。


ツタをもろに喰らいそうになるが、咄嗟(とっさ)に、包帯で吊った左腕を肩ごとヘルタースケルターの方に向けて身体を(かば)う。



エルザ「うぐっ…!!!!」



エルザの身体が浮かされる。

空中で激しく打ち()えられ、ダンスホールの(はし)まで吹き飛ばされるエルザ。


壁に背中から激突し、大きく()き込む。



エルザ「ぐっ…!ゲホッ…!!!ゲホ…!!ッはぁ…、はぁ……!!」



左腕で攻撃を受けたせいで、包帯は破れ、ギプスは駄目になっていた。

エルザは立ち上がると、ジャンヌ・ダルクの柄(つか)でギプスの残骸を叩き壊し、左腕をだらりと下げる。



エルザ「あぁ…、吹っ飛ばされてばかりじゃ芸がないねぇ…!」


ヘルタースケルター『あぁあああぁぁああああああ!!!!』



右手を振りかぶり、エルザに追撃を仕掛けるべく肉薄するヘルタースケルター。

エルザも、真っ向からヘルタースケルターに向かって走り出した。


ジャンヌ・ダルクを高く(かか)げるエルザ。



エルザ「ッはぁあああああ!!!」


ヘルタースケルター『あああああ!!!!』



両者が交錯(こうさく)する瞬間、エルザが身を下に投げ出し、転がってヘルタースケルターの攻撃を(かわ)した。

ヘルタースケルターの拳は空を切り、体勢を崩す。



エルザ「もらったぁあ!!!」


ヘルタースケルター『ッ!!』



ジャンヌ・ダルクでヘルタースケルターの背中に切りつけるエルザ。

ヘルタースケルターは咄嗟(とっさ)に、翼とツタを背後に向かって横なぎに振るう。


衝突するエルザの剣とヘルタースケルターの翼。



エルザ「ぐあっ…!!」


ヘルタースケルター『あァっ!!』



エルザは、ヘルタースケルターの翼を両断したものの、続けて振るわれるツタを受けきれず、ダンスホールの中央に向かって吹き飛ばされる。


床にもんどり打って転がるエルザと、痛みにうずくまるヘルタースケルター。



ヘルタースケルター『痛いッ…!!エルザぁあぁぁあ!!!』


エルザ「…おぉおおおおお!!!」



ヘルタースケルターが怒りに任せて突進してくる中、エルザは咄嗟に、近くに転がっていた燭台(しょくだい)を左手で掴み、前に突き出す。


それは、ヘルタースケルターの胸に突き刺さった。



ヘルタースケルター『ッキャアアアアアアアアアアアア!!!!!』



甲高い悲鳴と共に、鮮血が(ほとばし)った。



月明かりに照らされるダンスホールで、吹き出す血が紅く踊る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ