プラスチック製品廃止論
「プラスチックで作られた食器やストロー、袋は海を汚し、ひいては海洋生物に深刻な被害を与える。即効廃止すべきだ」
とある未来の世界。富裕層や有識者が口を揃えて唱えた言葉は瞬く間に世界中に広がり、賛同する人々はこぞってプラスチック製品を地球環境の悪だと断じた。
しかし、プラスチック製品は人間の生活に浸透してかなりの年月が経っている。今さら廃止などすれば影響は計り知れない。そこで代替として白羽の矢が経ったのが紙製品だ。
紙の袋に紙の食器、紙のストロー。果ては紙の衣服など。まるで紙こそが地球環境の救世主だといわんばかりに世界は紙製品を作り始めた。
思想の暴走は留まるところを知らない。プラスチック製品の原料である石油は二酸化炭素を多く排出するから環境を破壊する。人体にも悪影響を及ぼすとして紙の原料である木を燃料にすべきだというもの達が台頭。世界中の暖房は薪ストーブや暖炉に。車はガソリン車から木炭車に取って代わった。
当然ながら木を伐採するスピードに植林するスピードが追いつかず、バランスは崩壊。ついに世界では砂漠化や住処を失った森林生物の激減が深刻な問題となり、さらに木を燃やしたことで生じる煙が二酸化炭素の排出に拍車を掛けていた。
世界中の有識者が起こってしまった問題を解決すべく、頭を悩ませた。
長い時が流れ、ついに解決策が導き出され、富裕層たちもいっせいに賛同した。
「紙で作られた食器やストロー、袋は森林を破壊し、森林生物に深刻な被害を与える。即効廃止して石油を原料としたプラスチック製品に代替すべきだ」