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それから変わりない毎日を過ごし、いつの間にか2年半経ち平民学校の卒業まであと半年ほどになったある日のこと。
「アリアさんは高等学園へ行くつもりはあるの?」
いつものように勉強していると図書室の先生が言った。
「それは、行けたら嬉しいですけど……」
高等学園とは主に貴族の子供たちが通う少し発展的な内容を学ぶところだ。例外として平民でも平民学校の中で常にいい成績をキープしていた人は無償で通うことも出来る。
「でも、自分の成績では、厳しいのでは……?」
確かに自分はそれなりに勉強はしてきたつもりではある。
成績が着いてきているのかは分からないけれど。
「あら、いつもテストの後に張り出されている順位を見たことがないの?」
「はい、あまり興味がなかったので……」
先生が言っていたけれど、見に行く気にはなれなかった。上位に人しか載っていないようだし、自分がいるとは思えなかったからだ。
「アリアさん、あなた最初の時から変わらず1位を取り続けてるのよ」
「……え?」
先生は今、何を言ったのだろう。
「入学してからずっとアリアさんが1位なのよ。だから1人選ぶならあなたしかいないって全員の先生が言ってるの。入るまでに1年間、寮生活で中間学校に通わないといけないのだけれど、どうかしら?」
「そうなの…ですか……」
いきなり降ってきた人生の大誤算をしっかりと考え、私は返事をした。
「行ってみたいです…」
そう言うと先生は表情を明るくし、部屋を出ていった。
どっちにしろ家から離れるために住み込みで働けるような場所を探すつもりだったのだ。
いつもより少し幸せな気持ちで私は勉強に戻った。
それから半年、平民学校を卒業した。
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