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痛い。


「お前なんかがいたから……!」


痛い。


「ごめんなさい…ごめんなさい……」


痛い。


「お前がいなければ私は……!」


痛い。

ごめんなさい…自分なんかがいて……



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



酷い夢を見た。

おかげでかなり汗をかいている。

いつもの事だと気持ちを入れ替え汗を流しに家の裏ある小川へと向かった。

普通なら誰でも家にある風呂場を使えるのだが、私は使わない。

いや、使えないと言った方が正しいだろう。

まだ暗く朝一番の鐘もなっていないうちに水を浴び、家の掃除へと取りかかった。

掃除を終えたら朝と昼の食事の用意をして家を出た。


昨日までとは違う朝に程よい緊張感を覚えつつ初めての学校へと歩いた。

今年の入学人数は少ないらしく、1クラスだけのようだった。


教室に入ると、既に仲の良い人達が集まって黒板に書いてある席を見てはしゃいでいる。

アリアの文字をみつけ、席へと座った。

平民の中でも綺麗とは言い難い見た目の私は誰からも話しかけられることなく先生が教室へ入ってきてしまった。


「いいの、これでいいの」


小さく呟き自分に言い聞かせる。


「わかってたことなんだから……」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



それからひと月、学校が終わるとすぐに図書室へと急ぎ足で向かう。


「こんにちは…」


「あら、アリアさん。いらっしゃい」


会釈で返事をし、机にカバンを置いた。

入学してから毎日放課後に通っているため、図書室の先生とはすっかり顔見知りだ。


「毎日閉館までいるけれど、両親には心配されないの?」


私の心臓はドキリと跳ねた。


「だ、大丈夫ですよ。言ってありますので」


「そうなの?ならいいのだけれど」


そうして私はいつものように勉強を始めた。



「ありがとうございました」


「うん、お疲れ様」


閉館の時間になり図書室を出る。

家に近づくほど重くなる足を動かし家へと帰った。

昼までに使われた食器を洗い、弟たちの食事を作り、親の夜食を作ったりと家で休む時間などない。

やっと一段落着いたと思ったら、親の帰宅だ。

どうやら今日もだいぶ飲んで帰ってきたらしい。


「お、おかえりなさい。夜食は作って机の上に置いています。では」


なるべく顔を合わせないように早口で言いたいことを伝える。

自分の部屋へ戻ろうとしたのだが


「ちょっと待て。ここに座れ」


また、なのか。

自分は必死に痛みに耐えていた。



永遠とも思える時間が過ぎ、ようやく部屋へと戻った。

体のあちこちが痛む。


「さてと……」


私は1人呟き治療を始めた。

痛みが引くように、でもあとは消えないよう慎重に魔力を込めて。

跡がなければ不自然に思われてしまうから。


そうして私は眠りについた。

叶うことは無いと知っていても、明日が来ることのないように願いながら。


閲覧頂きありがとうございますm(*_ _)m

初めての投稿で拙いところもありますがよろしくお願いします

途切れない程度にまったり更新していきたいと思います

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