期末テストと夏休み
今日は期末テスト初日でした。明日も明後日もテストテストテスト……それが終われば、楽しい夏休みです!
宿題が出るのは嫌だけど、年々減り続けているのは嬉しい上に、この暑い中を歩いて登校しなくていいから、それも嬉しい!夏休みは大好きです。
部活はゆるい文化部だから、学校にもあまり行かなくて済むのでそこも好き。友達はテニス部で毎日のように学校へ行かなくちゃならないそうです。
大変そう。真っ黒に日焼けして、ちょっとげっそりしたみたい……中学生なのにげっそり痩せるなんて、どんな練習しているのかな?と心配です。
あ~あ。早く帰れるのはいいけど……明日もテストかあ……。
中学生って、大変なんだなあ。
「……み?智恵美、智恵美?聞いてる?」
「えっ……あ、ごめん。ぬんちゃん。聞いてなかった」
ぬんちゃんは、沼部彩という私の幼なじみです。クラスは違うけど、時間が合う時は時々一緒に帰ります。
「全くもー。じゃあさ、智恵美は今日は彩んちには来られないんだ?麻衣は来るよ?」
「うん、ごめんね。お母さんが遅番で帰りが遅いから、早く帰ってご飯を早く食べちゃって、って言われているんだ……お兄ちゃんも早く帰って来るんだって。明日なら一緒に勉強出来るよ」
「わかった。明日は麻衣んちで一緒にテス勉しよ?」
「ええ~勝手に麻衣んちって決めちゃうの?」
「大丈夫だって。その次は智恵美んちだからねー」
「うん、多分大丈夫だと思うけど。じゃ、また明日ね!
」
「質問三個考えて来るの忘れないでよー?」
「あ、忘れてた……」
「あー、全くもー!しっかりやりなさいよー!」
中学生になって二回目の試験。期末とか言うやつ。中間とは違って、範囲が広くなるそうです。
気が重いなあ……。
「ただいまー」
あれ。靴がいっぱいある。もしかしたら、この靴……夏美ちゃんと大樹くんの、じゃないの?多分、そうだよね!
申し遅れました。
私の名前は市倉智恵美です。中学一年生です。
お母さんの弥生と、お兄ちゃんの透の三人家族です。
お父さんはずっと昔に事故で死んでしまいました。
玄関にある靴は、多分お兄ちゃんの親友の小西大樹君と、大樹君のお姉さんの夏美ちゃんのものだと思います。
大樹君のお家は、うちから歩いて十分くらいなので、昔から私たちは、お互いの家に遊びに行ったり泊まりに行ったりしています。大樹君には、年の離れたお兄さんがいます。夏美ちゃんは、お兄ちゃんたちより三歳年上で、その上のお兄さんは、夏美ちゃんより二歳年上だそうです。
私はお兄ちゃんより四歳年下ですから、夏美ちゃんとは七歳離れていますね。
だけど、夏美ちゃんは私を妹のように可愛がってくれます。遊んでくれます。
去年、夏美ちゃんが車の免許を取ったので、車であちこち連れて行ってもらえるようになりました。とっても嬉しいです。
お姉ちゃんがいたら、こんな風に可愛がってくれるのかな……?
友達に聞くと、ケンカばかりしていると言います。
夏美ちゃんは、弟の大樹君の文句ばかり言っています。理由は私も分かるのですが、お兄ちゃんと夏美ちゃんが大樹君の面倒を見ている感じなんですよね。大樹君はお兄ちゃんと同い年なんですけど……。
「あれ、智恵美、帰ってたの?誰か不審者かと思うじゃない。そんなところでぼーっとしてて……ただいまくらい言いなさいよ。お帰り」
「ただいま、って言ったもん。お母さんが聞こえなかったんでしょ」
お母さんが、お仕事の制服をもう着ていました。早くない?
確か、私たちが夕ご飯を食べるのを見届けてからお仕事に行くと言っていたのに。
だから早く帰って来たのに。
「お母さんね、いつもよりも早く出勤する事になったの。今ね、丁度夏美ちゃん達が来ているから……」
あ、やっぱり!
「お?智恵美帰ってたんか。お帰り。丁度良かったな。これからおやつ作るんだ。早く着替えて来い」
お兄ちゃんがマシンガンの様に喋るので、私が口を挟めません。
「……ただいま」
「じゃ、透、智恵美、お母さんもう行くから。おやつとお夕飯は皆で好きに食べてくれる?お金は透に渡したのを使ってね。 少し遅くなるから、戸締まりお願いね。後は夏美ちゃんに任せてあるから」
お母さんもお兄ちゃんと同じくなので、口を挟めません。
「……うん。行ってらっしゃい」
「アイスはお母さんの分を残しておいてね?じゃ、稼いで来ます!」
……アイス?
おやつはアイスクリーム?
お兄ちゃんは、とても楽しそうにVサインを出しました。