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二十八話 ドラゴノイド


「どこのギルドの依頼っていうか何の依頼ですか?」


 鑑定依頼なんて届く事は殆ど無い。

 まぁ、ギルドで鑑定のバイトをしてた事はあるが、それだって鑑定紙の代理だ。

 つまり、誰でも鑑定紙を使えば鑑定できるのだから態々俺に頼って来る必要が無い。


 アメリカから来て、まさか鑑定紙との差額で利益を出したいなんて話じゃないだろう。


 だから、考えられる選択肢は二択。

 モンスターの鑑定依頼。

 鑑定紙では鑑定できない何かの鑑定依頼。


「それが、通常の鑑定紙では鑑定できない未知のダンジョン産の物が見つかったと」


 どうやら後者らしい。


「もしも成功したなら多額の報酬を約束する、失敗しても挑戦してくれるだけで日本円で50万ほど払うと」


「失敗しても50万ですか? 成功報酬幾らなんです?」


「一千万ほどですね」


 イカれてんのか。

 いや、俺の鑑定の価値をそれほど高く見積も……いや違う。

 その物品の価値が計り知れない物である可能性が高いんだ。


「一体何を鑑定させようというんだ……」


「まぁ、鑑定前に守秘義務契約を結ぶように言って来てますから相当な品物なのでしょうね」


 報酬も魅力的だが、それ以上にその品物に興味がある。


「分かった。受けるよ」


「畏まりました。日時はどうしますか?」


「いつでも」


「では、そのように返信しておきます」


 そんな会話の次の日、「今日来るらしいので事務所に10時までに来てください」とメールが飛んできた。

 そっか、日本とアメリカなら転移魔法陣が運航してるから、一瞬でこれるんだった。


 普通高すぎるから民間人は使わないけど、相手は探索者ギルドの重役だろうしな。


 予定より早く事務所に行くと、そこには既にアメリカのギルドの人たちが到着していたらしく清水さんに部屋まで案内される。


「相手のギルド名は『パープルミスト』、アメリカで5番目の規模を誇る大型ギルドです」


 聞いてないんですけど。

 けど、そこが是が非でも鑑定したい品って事か。

 興味は尽きないな。


「天空君、英語は?」


「え、あ、殆どできないです」


「じゃあ、私も同席して通訳するわね」


「ありがとうございます」


 第一会議室の扉を開く。

 広々とした空間の中に、5人の外国人が座っている。


 扉を開けた瞬間、俺の目が半自動的に捉える。

 その中の一人、金髪の若い白人から圧倒的に高密度な魔力が見える。


「どうかしましたか社長?」


「ふ~ん、君分かるんだ」


 流暢な日本語で彼は俺に応えながら見返してくる。

 すると冷や汗をかいた横のおじさんが、その彼に何やら聞いている。それに彼も英語で応えていた。


「『何があった?』『あの人は本当に鑑定士らしいですよ』と相談してますね」


 反射だった。

 彼のステータスを覗き見てしまうのは止められなかった。



―――

セブン・レッド 22歳 男

クラス『ドラゴノイド』

レベル『125』


体内魔力量5400

身体強化率8100


スキル【ドラゴチェンジlv26】【フレイムドラゴンlv24】【アースドラゴンlv22】【サンダードラゴンlv20】【アイスドラゴンlv18】【ドラゴブレスlv16】【ドラゴクローlv14】【ドラゴファングlv12】【ドラゴストライクlv10】【ドラゴアイlv8】【ドラゴウィングlv6】【ドラゴスケイルlv4】【ドラゴンフォースlv2】

―――



 圧倒的なステータス。

 そして、圧倒的なスキル能力。


 龍を冠するその力の規格が俺には分かってしまう。

 黒峰さん以外に初めて見る、Aランク、レベル100以上の探索者。


 それが俺の目の前に座っていた。

「面白そう!」

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1から5までもちろん正直な気持ちで構いませんので是非。

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― 新着の感想 ―
[一言] 能力低いのはあれかな、自分で戦ってレベルあげてる訳じゃないから最低値でのステータスアップしかしてない的な?
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