第四話〜落命の約束〜
穢日の約束
〜第四話〜
落命の約束
うー。やっぱり意味が分からないよぉ。藍君の手前、分かってるふりしてたんだけどなぁ。まぁ簡単に言うと藍君はあと何百年生きて、私は一生死なないけど衰え続ける。私は超ピンチだけど藍君は別に良くない?何百年追加で生きれるんでしょ?衰えずに......あれ?藍君も衰えるのかな?何百年の老化ってキツイよな、次の継承者への罪悪感もあるだろうし...でも無理じゃない?死ぬって言っても私は不死身だし藍君も何百年後の消滅でしか死ねない訳だ。死ぬ方法が無い。あれ、私が継承すれば良いのでは?私は藍君みたいに死にたい訳じゃ無いし。生きたいのかな。死にたいのかな。
数年前まで私は虐められていた。けれどそれはしょうがなかったんだと思う。子供の王国では、誰かが上に立つと誰かがターゲットになる。ターゲットになる確率は誰も彼も等しい、と思う。上に立った人は人に認められなければならない。残酷な子供の王国で誰にも舐められないように上に立つ人は必死だ。もうターゲット側にはなりたくない。その一心で、他人に認められ他人に舐められないようにする。魔法の行為それが虐めの正体だと私は思っていた。だから私は私への虐めを受け入れた。生きるために殺す。当たり前のこと。弱肉強食と言うやつだ。虐めもそれと一緒だ、虐められないように虐める。ね、しょうがないでしょう?
虐めは悪化して行ったけど私は文句を言わず虐められていた。殴られ蹴られ罵声が止まない。こんな日々の繰り返し。だけれど私は死にたいとは思わなかった。ずっとつけているヘッドフォンから聞こえてくるから死ぬな生きろって。
音楽が救いだった。音楽が特別だった。何よりも、何よりも好きだった。私は憧れた作詞曲をできるようになろうと思った。多分だから死にたくなかったんだな。誰かを救いたいって夢があったから。音楽で救いたかったから。音楽を信じてたから。じゃあ私は音楽をやる。曲を作る。そしたら、そしたら......私は死ねるんだ。何故だろうか嬉しい。嬉しい?私はずっと死にたかったのか?そうだったのか。気持ちは嘘をつかない。私は死んで良い理由と私が生きる意味を今見つけたのか。そういうことだろう。それは嬉しいことだ。
悲しくもある。もう分からない。ただただこう思った。私が曲を作ったら私は私は
死んでも良いんだ。死ねるかは分からないけれど。
ああ、今日はなんだか心が軽い。曲を作りはじめよう。
夕依(自室)-やったぁ私死ねるんだってぇー!
母-え?(困惑)ポチポチポチ119番っと
夕依にはきちんと家庭があります。