第三話〜穢日の約束〜
狂った愛がX千年後の世界でまた狂う。←こういうプロっぽいのやってみたかったんです。
「ここまでが僕の知っている彼女の物語だ。」
「へぇー悲しいお話だね。」
私、『花稀 夕依』は、唯一の友達である、『桜 藍』に呼び出され藍の話を聞いているのだが、一向に話が読めていない。意味がわからない。
穢日の約束
〜第三話〜
穢日の約束
「で、なんで私なんかを休日に呼び出してこの話をしているの?いや良いんだけどさ、どうせ予定なかったし。」
「うん、僕はアカネの『継承者』だ。」
「へ?祈来ちゃんなの?と言うかこんな所に居て良いの?」
正直意味がわからない。クラスでも人気者の藍君がこんなに嫌われてる私を呼んでまで嘘を付くなんてありえないし。
「そんな訳(笑)あの話は8000年以上前の話、だから僕は祈来じゃないよ。忌穢越のことは大学で民俗学として学べるし、中三でも少し触れたはずだ。中三の時は夕依も学校に居たでしょ?」
「え、あぁうん。あ、でも保健室登校で保健室にずっと居たから...ってえぇぇぇ?なんで私が学校行ってなかった時があるって知ってるの?言ってなかった気がするんだけど。」
「ああ、ごめんね、僕の忌穢越だ。記知四境って言って人や写真を見たときにその人やその人に関わった人の記憶や情報を理解する能力。まぁ心とかも読める。だから超エリートのハッカー集団のリーダーくらいにはなろうと思えばなれるし、殺人事件なんて死体見た瞬間に解決できる。」
え、じゃあ私が藍君のことが大好きでもうヤバイことも、バレてるのか...恥ずかしいな。
「まぁ普段心を読むことは絶対無い。人権の侵害だろそれは。」
あー良かったぁぁ。恥ずかしさで死にそうだった。
「信じ始めた?」
「まぁ信じてたけど、なんでそんな話を私にしたの?」
「夕依は僕の忌穢越をすごいと思った?」
無視かい
「まぁ強いと思うよ、そこらへんのアニメに出たら主人公の座を奪えるぐらいには強いと思う。」
「確かにね、まぁ僕の忌穢越は弱くは無いけれど、ヤバイのは本当にヤバイ、秒で国を乗っ取れる忌穢越者も居る。そんな中、アカネと同じ忌穢越者の消滅を願う思想の集団が存在した。そいつらは集団巻き込み自殺をしようと計画していた。忌穢越者全員でね。一人は指定した人に毒を盛る能力、一人は他人の能力の出力を調整する能力、こういう系統の忌穢越者や、忌穢越を貫通させる能力、つまり無効化されなかったり防ぐことができない能力を持った忌穢越者の集団だ。計画は外に漏れてたし、ほとんどの人が知っていた。しかし誰も止められなかった。そして計画は実行された。これがxxxx年2月19日に起こった大事件『穢日』の全貌だ。本当ならこの計画を僕の先祖が知っていれば良かったんだ。先祖が計画を知っていたら穢日が起こった時に、アカネの継承が解除され、忌穢越者は完全に消滅していた。でも僕の先祖は、体が悪く、病院ぐらしでしかも忌穢越者だったからボロボロの病院で誰も看護しなかったらしい。だから情報が回ってこず1000年生きて、僕の先代に継承した。アカネの継承は自分が忌穢越者の消滅を知っていなければ解けないから。
ところで夕依は自分のお母さんを知らないよね?お母さんは好き?」
「まぁ記憶はないけどお父さんの話を聞く限り良い人なんだと思う。」
「そうだね夕依のお母さんは良い人すぎたんだよ、そして忌穢越者だった。能力は自分に不利益な情報が一切入ってこない代わりに自分の隠したい情報が相手に絶対に伝わらないこと。まぁ亡くなって忌穢越が解けた今では簡単にわかるんだけど。話を戻すけど夕依の母親は良い人すぎた。たくさんの人から信頼された。まぁただでさえ良い人で裏が無いのだから当たり前のことだ。忌穢越には『伝承』というものがある、忌穢越を自分の指定した人に譲渡することだ。夕依の母親は不利益なことを知ることはできない。夕依の母親を知っているものは、ほとんど夕依の母親に伝承された。不老不死が伝承されていたことも彼女は気が付かず何百年も生きた。彼女は次第に不気味がられるようになっていった。しかし、夕依の父親だけは違った。何百千年も姿が変わらない化物であるはずの彼女を愛した。そして彼女達は子供ができた。それが夕依。君だ。彼女はどんどん気が狂っていった。自分を愛してくれた夫が好きすぎて、夫が歳をとるのに自分は歳を取らない。彼女は自分の持ってる忌穢越のせいと決めつけた。そして自分の子供、夕依に伝承することにした。彼女が持っているはずの忌穢越意外にも能力を持っていることに気がつかずに。」
「えっちょっと待って?じゃあ私は忌穢越者なの?でもなんでお母さんの直接の忌穢越を持っていない訳?」
「飲み込み速い!さすが夕依♪結論から言うと夕依は忌穢越者だよ。なんで夕依の母親の忌穢越を受け継いで無いのかは、彼女が忌穢越を持ちすぎていて彼女自身の忌穢越のせいで、持っていることを知らなかったから本来、彼女自身の忌穢越が全て夕依に伝承されるはずが、あまりに多すぎて半分ぐらいしか伝承できてなかったのさ。だから夕依の忌穢越は何個かエグいのと『不死』が伝承されている。」
「というか何故お母さんに伝承したのよ!」
「そりゃ死にたいだったり色々あるだろ。夕依の母親は良い人だったから許してくれるとでも思ったんじゃ無いか?元々が化物扱いされてるんだからってのもあるだろうし。無責任ではあるけどな。まぁそれは置いといて最後だ。僕は継承だとか不死だとかは、もう僕で終わらせたいんだよ。今生きている忌穢越者は僕と夕依だけ、僕は忌穢越を消滅させる義務がある。これを踏まえてお願いがあって今日ここに呼んだんだ。」
「えっ私...嫌だよ......」
「え、でも夕依は不老じゃ無いんだよ?どれだけ体が衰弱しても生き続けるんだよ?」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ」
「僕と心中してください。」
「はい喜んで。」じゃねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
nnnn年2月19日のプロポーズであった。
説明回でした。
最後の会話だけ読めばこれからの話わかると思います()ようやく現代軸の物語がスタートです。
少し説明補足
伝承は一つの忌穢越に付き一回までしかできません。
本編であとから詳しく出てくると思いますが、忌穢越は良いものではありません。持ってるだけで忌み嫌われるものです。なので常人は不利益な情報と判断します。まぁどんな世の中にも異常者はいるのでややこしくなるかもしれないのですが。
人物紹介もしておきます。
名前 ・花稀 夕依 ハナキ ユイ
性別 ・女
学年 ・高校二年生
誕生日 ・7月7日(七夕)
特徴 ・ヘッドフォン
趣味 ・音楽を聞くこと
主要能力・親からの継承者 不死(他にもいくつかあります)
備考 ・藍君大好き 元いじめられっ子 今ただの嫌われ者
名前 ・桜 藍 サクラ アイ
性別 ・男
学年 ・高校二年生
誕生日 ・3月27日(桜の日)
特徴 ・茶髪
趣味 ・無い。生きることが大っ嫌いなので
主要能力・アカネの継承者(不死) 記知四境(人や写真を見たときにその人やその人に関わった人の記憶や情報を理解する)(他にもいくつかあります)
備考 ・生きることが嫌い 苗字は捨てて自分で勝手に付けた 一人暮らし