第二話〜茜色の約束〜
シンとアカネは主人公じゃないんです。なのですみません...また今度出てくると思います。
祈来ちゃんはキクって読みます
穢日の約束
〜第一話〜
茜色の約束
あれから10年が経って私のお腹には赤児がいた。シンと私の子供だ。
「あー可愛い可愛い私の赤ちゃん。」
「まだお腹の中だけどね、それとその子に『継承』するのかい?」
「うん。正直する気は無いの。私の継承は、継承先を自分で決めるかもしくはあと何百年生きて、顔も知らない遠い子孫に継承させて、私がそのまま死ぬか選べるでしょう?無責任かもしれないけれど、私の子供に昔の私のような辛い思いはさせたく無いのよ。もし私がこの子に継承させたら、この子は必然的に世界を変えようとするわ、そしたら昔の私みたいに、逃げて怯えながら、1000年生きなければならなくなるのよ。」
「え、ちょっとまって世界を変えるってどういうこと?継承の内容は自分で決められるんじゃないの?」
「いいえそれが違うのよ、私の心の底にある一番の願いが継承の内容になるみたいなのそして私の願いは忌穢越者がこの世からいなくなることなのよ。」
*****6年後
「祈来、少し話を聞いてくれるかしら?」
私たちは生まれてきた子供に祈来という名前を付けた。そして祈来に物心がついた時に全てを話した。私の過去、継承の能力とその内容、祈来にも能力が少なくとも1つはあること、そして能力を絶対に使ってはならないということ、そして最後に伝えようとした時だった。
「アカネっ祈来ちゃん!人が...」
私達を捕まえるために軍が家に来てしまった。
「アカネ、祈来に継承しろ、そしたら祈来は死なないだろ!で僕も頑張って足止めするから、アカネが何かしらの能力で祈来を逃せ!」
「で、でもそしたら」
「早く、祈来が殺されるかもしれないんだぞ」
「祈来は死ななくなるけど...そうだね、『継承』対象『祈来』 『透過』対象『祈来』 祈来お願い逃げて!そして、諦めないで、自分を好きになってね。」
言えなかったなぁ言いたかったなぁ言おうとしてたのに、祈来ごめんね。愛していたわ。
「ごめんなアカネさんシンさん。さようなら、そしておやすみなさい。」
ドンドンドンドン銃の音が山に悲しく木霊した。
「子供は?見つからない?まぁアカネさんの透過だ。当然か...引き続き探せ!」
「ごめんな、アカネさん。」
*****
「ここまでが僕の知っている彼女の物語だ。」
「へぇー悲しいお話だね。」
私、『花稀 夕依』は、唯一の友達である、『桜 藍』に呼び出され藍の話を聞いているのだが、一向に話が読めていない。意味がわからない。
主人公達がようやく出てきました。物語は今から始まります。過去の記憶が交わり合って紡ぐ現代の物語です。っていう過去話が多い言い訳をしておきます。
花稀 夕依はハナキ ユイ
桜 藍 はサクラ アオ って読みます。あと夕依は女で藍は男です。
ちなみにアカネの精神干渉系って悪い能力じゃ無いんです。
この能力わかりにくいので説明を少ししておきます。この説明が全てでは無いですよ、今知ることができる分だけ説明しますね。
彼女の能力は、2ルートあって、自分で継承先つまり精神干渉する先を決めるルートそして遠い子孫にランダムで継承させるルートです。アカネに継承された人間は彼女の思想である忌穢越者の滅亡を願います。そして、継承された日から1000年間、死ぬことができません。この1000年間死ぬことができない能力というのは、衰えても死ねませんし、もし高層ビルから突き落とされても痛いだけで死ねません。忌穢越者の滅亡が起こった時に解除されます。しかも本人が忌穢越者の滅亡が起こったことを知らないと解除されません。ややこしいですね。他にもややこしい能力ばっかり出てきます。僕自身たまに混乱してます。