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狂信者は鉄塔で笑う  作者: 多賀まりあ
4/4

後編2

やっと終われます

デニムの男は項垂れて、両膝を地面についた

「言葉も出ないって感じかな?

さあ、もっと憎しみと怒りで燃えたぎってその力を増幅させてくれ!

なんだって君はプロ並みの暗殺の腕に加えて、復讐心によって身体強化されるように作られた我らの教団の最高傑作のクローンなのだから!」


-次の瞬間、デニムの男は目にも止まらぬ早さで地を蹴って駆け出し、ローブの男の片腕をもぎ取り上半身のみを手刀で切断して吹っ飛ばした


ローブの男は血を吐きながら上半身だけになり、飛んでいく鉄塔に引っかかった

「ぐっ、しまった!

少し侮りすぎてしまった、ここまでとは!

だが、愉快!愉快!これならばきっと我らが主も満足される器となろう!はははっ、ぐあっ!」

ローブの男はそう叫ぶとぐったりとなり、動かなくなった


「不味いわ、流石に撤退して教団の本部に知らせなくては」

「その必要は無い」

気がつくといつの間にか神父服の男がローブの女のすぐ傍に立っていた

「もしかして…教祖様!?

お初にお目にかかります、申し訳ありません、アダムが独断専行したばかりに少し手間取ってしまいまし!?」

教祖と呼ばれた男はローブの女の首を掴むと、木の枝でも折るかのように首の骨を折り、転落防止の鉄柵の外へ投げ捨てた

「がっ、そんなっ!なぜ、わた…し、がっ!」

少しして鈍い音を立てて下で破裂音が聞こえて、また辺りは静かになった

「私の正体を知ったからには例え誰であろうと生かしてはおけない、お前の元仲間達も死因を単独の任務での失敗と言っておいたが実はお前の仲間達も私の正体を調べて辿り着いた故に死んだのだ」

そう無慈悲に言い放つ顔をよく見ると、インドカレー店の店主その人であった

「まさか貴様直々に報酬を渡していたとはな…

許さん!もうこれ以上俺は誰も失わないし、死んだ仲間達全てにかけてお前を殺す!」

神父は少しの間黙っていたが、

「そうか」

と一言呟くとデニムの男が攻撃するよりも素早く間合いを詰め、頭部をつかみ地面へぶつける無慈悲な一撃を喰らわせた

デニムの男は死んではいないが瀕死の状態にされていた

「リーダー…この野郎!」


「…無意味な事を」

バイカーのような男はとてつもない速さで拳をフルフェイスヘルメットごと喰らい、その頭部はフルフェイスヘルメットと共に飛んで行った


「さて、邪魔者は片付いた

確かにまだ未熟だが神の器になるやもしれん、それに逃げられては面倒だ」

神父は一言呟くと、デニムの男を担いでどこかへと消えていった


その場に残ったのは血に濡れて錆びた鉄塔と、デニムの男の仲間だったもの複数…そして死してなお笑う鉄塔にぶら下がる狂信者の成れの果てだけだった

ここまで読んでいただきありがとうございました!

次も読んでいただけると嬉しいです…

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