中編
こんな事言うのどうかと思うんですけど、長引かせるの苦手で多少呆気なくても短めにしたいと思って三つに分けました
「着いたぞ、ここだ」
デニムの男が指さした店は、
"インドカレー店 チャール"
と、看板の着いているごく普通の店だった
デニムの男が扉を開けて中に入っていくと、店主の男性が"いらっしゃいませと"一言
中も何の変哲もないただの料理店だった
朝なので客は他におらず、ほぼ貸切状態だった
バイカーのような男が小声でデニムの男に呟く
「おいリーダー、本当にここで合ってるのか?」
デニムの男は心配するなと一言いって店主の元へ歩いていきキーマカレーを二つとバターチキンカレーを一つ、それにグリーンカレーを一つ注文した
すると店主は厨房の方へ戻っていき、暫くする注文した通りのカレーが出てきた
ここまで何の変哲もないカレー店のままだ
「そうだ、お客さん
持ち帰りの分のこれもどうぞ」
店主はそう言うとデニムの男に厚手の布で出来た袋を手渡した
バイカーのような男はその中身がなにか気づき、やっと安心した顔をした
そして、一行はカレーを食べ終えると何事も無かったかのように店を後にした
「美味かった、また来れると良いな」
デニムの男が言うと、バイカーのような男が少し笑って返す
「暫くはゴメンだぜ」
そして一行は幾つかの路地を抜けて暫く歩き、廃ビルのようにツタがびっしりとこびり付いている建物の前に来ると中へ入っていく
中は、寂れた感じはするが綺麗に整えられた事務所といった感じで大部屋が一つに小部屋が5つあるといった内装だった
デニムの男が全体に喋りかける
「ローラ、エミリー、リヒトまた次の仕事までゆっくり休んでくれ
ただ、後で報酬を分けるから忘れずに来いよ」
そう言ってデニムの男は大部屋のソファに座ったままパソコンで作業を始め、双子のような少女2人は無言で2と書かれた扉の部屋へ入って行き、バイカーのような男は気だるげに手を挙げて、じゃあなと一言いって3と書かれた小部屋へ入って行った
デニムの男はパソコンで作業をしながら呟く
「有名になったもんだな…
どんどん手配額が上がっていっている、組織に雇われて敵対マフィアを淡々と潰しているがそろそろそんな日々も終わりにして今までの報酬を使って海外にでも逃亡してしまおうか…
いつか辞めなければ、これ以上仲間から死人が出る前に」
画面には、
"デニムヴァンパイア 3000$"
"ガスマスクツインズ 1500$"
"キラーバイカー 2000$"
と書かれた指名手配書が載っていたが、全て人相の所は不明になっていた
デニムの男は傍にあるマグカップからコーヒーを飲み、また何かの作業へと戻った
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「…自分達の手配書を見ているようだがどうしたんだろう?」
「なんか、組織を抜けたいようね」
「なんと!それはいけない!
私の楽しみが消えてしまうじゃないか、どうにかして止めなければ…」
「あなたの意見に乗るのはなんか嫌だけれどそうね、組織の為にも何とか阻止しなくてはね」
「丁度いい、今1人みたいだしやってしまおう!
よし!」
「ちょっと待ちなさ」
窓が割れる轟音と共にローブを着た男がデニムの男の前に現れる
読んでいただきありがとうございました〜