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終焉世界の探索者  作者: 雷炎
4章:第一次人魔大戦
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全知を求める簒奪の求道者 其の九

始なる簒奪の魔王(ラブマシーン)】の最終形態はその人魂が如き見た目の通りエネルギーの塊だ。既に何発もの物理攻撃や術攻撃が叩きこまれているが、ダメージが徹っている様子はない。恐らく人魂中央の核に届かなければノーダメージなのだ。まずは纏う火の攻略から始めなければならない。だがそれを許してくれる様な甘い奴だったら俺達はとっくに勝っている。


『『物核憑依(トリツク)』』


 奴の纏う炎から無数の鬼火が飛び出し飛来した。それは物理法則何てあったものじゃ無い軌道を描き、次々と着弾した。しかしそれは人にでは無い。個々の装備する武器や防具。それが奴の狙いだった。


『『物核操作(アヤツル)』』


「うおっ!?」


「ちょっ……!」


「武器が!」


 全てを失った奴の最後の力は正しく【簒奪】の魔王に相応しい力だった。鬼火が着弾した器物は問答無用で奴に所有権を奪われまるで付喪神の様に浮き上がると周囲へ襲い掛かった。


『遍く器物は我が器。遍く器物は我が腕。肉体も、道具も、経験も、我求むるは我に無き物。在るべき場所より無き場所へ、埋まらぬ虚ろこそ我が本質。欲魔術が第十階梯 《簒奪》』


 幸いにして着込んでいる防具の被害は軽微だが、それでもすさまじい勢いでこちらの軍勢の武器が奪われ所有者達を切り刻み始めた。


「鈴木!」


「大神さん?」


「俺が道を拓く。お前が奴を叩き切れ」


 そりゃまた……。


「無茶苦茶言ってるの分かってます?」


「ああ、だがお前ならできるだろう?」


「何を根拠に……」


「俺がそう信じている。俺だけではない。この場の多くの人々が、この戦いを見ている多くの人々が期待している筈だ。人は、人類は、こんなところで終わりはしないとな」


「人類の行く末何て俺には重いですよ」


「それでもお前はやるさ。なんてったって我らが日本の【英雄】様だからな。頼んだぞ。それまでは待機してろ」


 そう言い放って大神さんはこちらの返事なんか待たずに動き始めた。


「天よりおはしますは我らが慈母【天照大御神】」


 大神さんはラブマシーンにとっても最大の警戒対象だ。奪われた武器達が殺到する


「されど我は願わず、祈らず、ただその神威が届くことと信じるのみ」


 だが大神さんは止まる気なんて全然無い。あまりにも無防備なその身を守るべく多くの探索者達が壁として立ちはだかる。


「これより先は神魔入り乱れる終焉の時代」


 殺到する武器の群れは光を反射しさながら死の流星の様だった。


「行かせるかあぁ!」

「守り切れ!武器が無ければ腕でも差し出せ!」

「残りの霊力全ぶっぱだぁぁぁ!」


「故にこそ我求めるは人の力。矮小にして不完全なる輝きの連なりこそが人の【太陽】」


 だがあまりにも数が多い。一人二人と加速度的に防備は破られていく。それでも大神さんは詠唱を止めず。一心不乱に霊力を練り上げ続けている。

 そして遂に大神さんの守りに致命的な穴が生まれた。


「まっず!」

「塞げえええ!」


「《属性付加エレメントエンチャント穢れ(フォールン)》畏れ多くも我らが偉大なる神【イヅノメ】に奉る。どうか我らを大いなる穢れより護り給へ。《祓穢之加護(イヅノメ)》」


 その致命的な隙は魔法少女によって埋められた。


「赤月!」


「鈴木さん!」


「天に在らず地にて繋がり輝く命の銀河。繋ぎ、結び、像を造り、虚ろを満たす洪水を成す。《日輪霊術》が第十階梯 《超新星(スーパーノヴァ)》」


 そして詠唱は完遂された。

 それはとても不思議な感覚だった。体の芯が、魂とでも言うべき何かが熱くなる感覚がした。そう思った時、俺は燃えていた。


「は?」


 だが全く熱くない。全身が燃えているのに装備の一つとして焦げるそぶりも無かった。

 ふと周りを見れば大神さんも赤月も、他のみんなも燃えていた。

 俺達から溢れた炎が大きくなる。それらは互いが繋がりあってより大きな炎になり、膨れ上がっていく。炎に触れた奪われた武器達はまるで糸が切れたように次々と落ちていく。そして一つの大火となった炎は急激にサイズを縮めた。小さく、小さく圧縮された炎は太陽と見間違わんばかりの輝きを放ちながら俺に収束した。


「行け鈴木」

「鈴木さん!」

「頑張れ!」

「行け!」

「やっちまえ!」


 俺は走り出した。この霊術にどんな力があるのか、これでラブマシーンの纏う炎を破れるかなんて分からない。それでも無数の声に突き動かされる様に走り出した。


「《虚空纏》『唯我独尊(我が道を征く)』『死線観測(デッドホライズン)』『無限思考』瞬刻思考『啓示板(オラクルチャンネル)』」


 速く、早く。加速を積み上げ、刹那の領域に至り、啓示を受け、最後の加速を発動する。


「『無窮歩法(タキオンステップ)』」


 限界なんて考えるな。

 俺は何処までも早くなれる。

 そういう力を貰ったんだ。

 だから恐れるな。

 音速が何だ、光速が何だ。

 刹那を超え、涅槃寂静すら踏み越えろ。


 常世思金神(オモイカネ):決めちゃいな、亮君♪


“最速”に届いた俺にとってこの世に……!


「届かぬ物無し」


『……そうか』


 大神さんの術は確かに俺をラブマシーンの炎から守り通した。

 ラブマシーンの核から剣閃が溢れる。


「念には念をって奴だ。切った回数は……百から先は分かんねえわ」


『見事だ【英雄】』


 ラブマシーンの核は、崩壊した。




《大戦決着》

《【大戦(レギオンレイド)】が終了しました》

《勝者:【人類】》

《終戦フェーズを開始します》

《【一なる日輪の覇王】に【No.050 万物二分天秤 ライブラ】が与えられます》

《【人類】に対して【電脳仮想領域 インターネット】が無制限に解放されます》

《【終焉の宴エンドレススタンピート】までのタイムリミットを10年増加します》


《サブターゲット報酬の処理が行われます》

《【MVPに【No.096 天啓接界柱 オラクル】を授与します》

《【終焉の宴エンドレススタンピート】までのタイムリミットを3年増加します》

《【終焉の宴エンドレススタンピート】までのタイムリミットを9年減少します》

《【MVPに【No.098 正負捻環 メビウス】を授与します》

《【No.066 運命始点賽 カエサル】を授与します》

《【終焉の宴エンドレススタンピート】までのタイムリミットを6年増加します》

《【終焉の宴エンドレススタンピート】までのタイムリミットを6年減少します》


《【人類】参加者全員に【ステータスポイント】30が与えられます》

《【人類】MVPに【ステータスポイント】20が与えられます》

《【人類】参加者全員に【称号】『簒奪を超えし者』が与えられます》

《【人類】参加者全員に【特殊能力(スキル)】『所有者の刻印』が与えられます》

《【人類】参加者全員に【特殊能力(スキル)】『戦への備え(パラ・ベラム)』が与えられます》

《【所属国家:日本】全員に『龍人族転生クエスト』が解放されます》


《非公開通知》

《【天之試練】が解放されました》

《始天試練【一期一柄】が出現条件を満たしました》

《二天試練【二律背信】が出現条件を満たしました》

《三天試練【三惨死後】が出現条件を満たしました》

《四天試練【四面蘇歌】が出現条件を満たしました》

《五天試練【五裏夢中】が出現条件を満たしました》

《六天試練【六根僧正】が出現条件を満たしました》

《七天試練【七天抜刀】が出現条件を満たしました》

《八天試練【八方微塵】が出現条件を満たしました》

《九天試練【九死一症】が出現条件を満たしました》

《終天試練【十刄砥色】が出現条件を満たしました》

《下剋上が解放されます》

そろそろ終わる

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新作です

【DRAGON SLAYERS】

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