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終焉世界の探索者  作者: 雷炎
3章:電脳仮想領域 インターネット
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黄金の門

モンハン楽しい


【電脳仮想領域 インターネット】に出現した絶淵級ダンジョン【仮想都市 OZ】の中を俺と数人の隠密能力に特化した冒険者が駆けていた。ダンジョンボス【無限進化AI ラブマシーン】がいるのはOZの中枢である管理棟の前、そこに陣取り冒険者が潜ってきたら即座に接近してそのアカウントを奪う(殺す)


俺たちの目的はラブマシーンに気づかれる事なく接近し、奴が確実に奪った権限(アカウント)で偽物の軍勢を展開するひらけた場所に留まらせ、この【鍵】を使う事。


“いいか。作戦の第一段階で肝心なのはひらけた場所で戦えるようにする事だ。勿論数人では奴も軍勢を展開しないだろうが我々にはその【鍵】がある。奴の眼前まで来たらその【鍵】を使え。”


大神より承った最初の任務がこれだ。俺を含むメトロ九傑なんかの国家認定冒険者は作戦の概要だけでなく細かいところまで聞いてはいるが、まあとんでもない作戦だ。


そして事前情報の通りの場所に奴は居た。

黒人よりの肌色をした筋骨隆々のアバター。口はまるで子供の落書きの様なギザギザ口で、背後に浮かべる十重二十重の輪光の内に並ぶ無数の円はそれらの一つ一つが奪われた権限(アカウント)。まるで仁王の如き出で立ちは正にダンジョン最深層のボスに相応しい。


「着いたぞ。俺は【鍵】を使う。それまでは時間稼ぎを頼む」


「「「「了解」」」」


俺が持つこの【鍵】は効果の代償として馬鹿みたいに霊力を消耗する故に霊力が豊富かつ近接戦闘もこなせる俺が発動役に選ばれた。


「空間接続…開始」


黄金に輝く【鍵】を眼前の空間に突き立ててゆっくりと回す。

途端に眼前の空間に無数の金色に輝く線が伸びて行き、擬似的な黄金の壁が生まれる。


隠密系統の霊術を使っているとはいえこれだけ目立つ様に莫大な霊術を発動すれば流石に気付かれる。さあ、お前ら後は頼むぞ。俺はここから一歩も動けないからな。


ラブマシーンは小手調べとばかりに背後の輪光より四つの光球を取り出し右手を振る。

すると四つの光球がみるみると人の形を取り、四人の冒険者それぞれの前に立ち塞がった。

双剣を構える中国人らしき男、杖を構えたアメリカ人らしき男、そして国籍はわからないがヨーロッパ方面の人らしき出で立ちをした二人組の女達。

いずれもそれなりに名の知れた冒険者だったのだろう。そこらの冒険者とは比べ物にならない位にしっかりとした構えをとっている。それに対してこちらは隠密型が四人に最大戦力の俺が動けないため、かなりのハンデを背負っている。


「相原、霧島!やれ!」


「《霧煙室(ミストルーム)》」

「《小迷路(リトルメイズ)》」


だが、何もわざわざ相手の土俵で戦う必要など無い。要は俺が準備しているこの【鍵】が発動すればこちらの勝ちなのだ。


その点においてこのパーティは遅滞行動を行う上で最上級のメンバーだと言える。


霧島の《霧》によって敵の視界のみを奪う煙幕を俺たちの周囲に広域展開


相原の《迷》による限定的な空間シャッフルで実際とはズレた位置に存在する(標的)


そして


「《無音(サイレント)》」

「《闇夜(ダークナイト)》」


音井の《音》による無音領域の形成


月島の《夜》による霧をさらに覆い隠す夜闇の展開


これで敵はそう簡単には俺たちの位置を特定出来ない。例え霊力を感知する類の術を持っていてもこれだけ何重にも展開されればその識別は困難だ。万が一に《魔眼》持ちがいても霧と夜の二重カーテンを貫通した上で内部の人間を明確に判別出来る者などいたとしてもここに駆り出される様な人材では無いので居ないだろう。まあ、いたとしてもどうにでもなるが。


奴の生み出した四人の偽物が夜闇を超えて霧の中に侵入するが、その内側は《迷》によって空間の配置が滅茶苦茶だ。霧の外に飛び出したり何故か上から落ちてきたりとしっかりと見えてるこちら側としては滑稽極まりない。そこにこちらの四人が奇襲を仕掛けるものだから案外あっさりと偽物は倒された。


すると、倒された四人の死体が光り輝き元の四つの光球に戻ると再びラブマシーンへ吸収されてしまった。これが対ラブマシーンせんにおける最大のネックだ。ラブマシーンの生み出した偽物は倒されたところで元の持ち主に戻る事はない。凡そ三日程で再召喚が可能なのである。だがこの三日というのは最速の場合であり、レベルが高く強力な冒険者程、再召喚にかかる時間は長い。今の四人はザックリ五日と言ったところだろうか。


さて、生み出した四人が倒されたのを見てラブマシーンもいよいよ本気を出すのか、背後の輪光から何十どころか何百もの光球が出現する。

圧倒的な数の暴力。流石にこの数ではこちらの守りも意味を成さない。迷路に対する究極の回答が人海戦術なのだからそちらの方面で手を打たれるとどうしようもない。


だがそれはこちらがたった四人しか居ない場合だ。


「ちぃーっと本気になるのが遅かったな」


俺の眼前に展開された無数の黄金の線はいつしか一点を目指す様に渦を巻き巨大な黄金の渦を描いていた。そのサイズは凡そ半径20メートル程の巨大な円。俺を中心として展開された巨大な渦はゆっくりと浮かび上がりその最下点が丁度地面に接する様に配置された。


さあ、ここからが本番だ。


「開け、【越境黄金門ゲート・オブ・バビロン】」


途端、黄金の渦から次々と無数の人影が出現し、俺たちの前に立ち並ぶ。


さしもの奴等も驚いたのか一瞬、ラブマシーンを含めた敵全体の動きが止まる。

だがいいのか?そんな明確な隙なんか作って。


「《紅蓮大煉獄(ムスペルヘイム)》」

「『鎧袖一喰』」

「《居合手刀》」

「《空間捻切(ツイスト)》」

「《幻影大楽団ドリーム・オーケストラ》」

「《煽魂歌ウェクアップアンデット》」


地獄が顕現した。


ある者は煉獄の炎に焼かれ、ある者は触れた瞬間に喰われた(・・・・)。またある者は素手で切り裂かれ、幻の楽団に惑わされた者達は己が斬られたことすら自覚せずに光球に戻った。最も悲惨なのは空間の捻れに巻き込まれた者か、足元から無数に沸いて出たアンデットにタコ殴りにされた者達だろう。


そこに居たのは紛れも無い日本国国家認定冒険者【メトロ九傑】。それに続く様に現れたのはそれに追随する日本国の中でも最上級の冒険者達。


その最前線に立つのは…


「よくやった鈴木」


「霊力回復も兼ねて暫く任せますわ」


「ああ、存分に休め」


【異界将】大神照義


────────────────────

【TIPS】

どこぞの馬鹿なオタクどもが技術の粋を結集して完成させた【空間連結型次元転移装置】こと【越境黄金門ゲート・オブ・バビロン】。莫大な量の霊力を用いて【鍵】側が門を形成し、【鍵】と対になるように設置された【門】側で複数人の技術者達が演算を行う事によって一時的とはいえ正規ルートを通らずにダンジョンへ侵入出来る超アイテム。

将来的には擬似的な《異空庫(アイテムボックス)》や《亜空庫(インベントリ)》の代用品を作成することが目標。尚、最初の目標であった異空間から物体を射出する機能に関しては現在鋭意研究中であるとの事。

日本の技術の未来はどっちだ。

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新作です

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