閑話:その時世界の裏側にて
《【爆鉄龍 エクステンペスト】が討伐されました。》
《最終到達レベル70》
《【称号】『システムアクセプター』保持を確認》
《最終到達段階は『第三境門』です。》
《【空想文明大陸 アトランティス】の進行度が30%を超えました。》
《【祖神降誕術式 ■■■■■】の起動準備を開始します。》
《【砂上楼閣三角錐 ピラミッド】の盗掘判定値が閾値を超えました。》
《【王家守護神獣 スフィンクス】がスポーンします。》
《【獅陽龍 ソルレオン】が討伐されました。》
《最終到達レベル65》
《【称号】『システムアクセプター』保持を確認》
《最終到達段階は『第三境門』です。》
《条件:百以上のダンジョン探索を達成した人物が現れました。》
《【ユニーク称号】『迷宮探索王』を該当人物に付与しました。》
《該当人物に界創属性《旅》を付与しました。》
《界基属性《癒》が界定属性《快癒》への変質したを確認しました。》
《該当人物に『真理の断片Ⅰ』を贈与しました。》
《廃棄世界より累計三五七一回目の干渉を確認しました。》
《《魂魄輪転理論防壁》での撃退に成功しました。》
《《魂魄輪転理論防壁》の耐久値が60%を下回りました。》
《早急に【No.006 三善三悪界 リクドウ】を奉納してください。》
《現在の【全獄統合死國 常世】の踏破率は32%です。》
《閉じた輪廻による魂魄保管量の上限が近づいています。》
「うーん。どうしたものか。」
世界の裏側、名もなき狭間、虚空の果て、第零レイヤー、新星の間、其処を示す言葉はいくつもあるが正確な名は誰も知らない場所にて一人の男…【摂理神】全界定理君はいた。
「廃棄世界の連中に介入されては今回の計画が台無しだし、今のスピードでは目標達成までは保たないし、かと言って輪廻の輪が崩壊するなんて最も避けなければならない。」
と、その時空間が揺らぎ一つの人影が現れた。
「やあアマツ、調子はどうだい?」
「うん?ああ、君かワカタツヒメ。何か用事かい?」
「用事も何も君に渡した《閉塞輪廻の輪》に異常反応が出てたから様子を見に来たんだよ。」
現れたのは全界定理君と同格の存在である真なる神【死生神】別離境界姫。全ての世界の死者の魂を管理しており、《八界輪転廻廊》こと通称《輪廻の輪》を管理する神である。
「困ったことに廃棄世界からの干渉が予想以上に多くてね。《魂魄輪転理論防壁》の損耗がかなり早くて途方にくれていた所だよ。」
「なるほどなるほど。なら例の死後の世界の神造ダンジョンと現世を繋ぐシステムを構築してはどうかな?あの世界を現世の人間が認知すれば技術の発展が加速することは大いにあり得ると思うよ。」
「成る程。その手がありましたか。ですがそう簡単に二つの世界を繋げてはいけないということは貴女自身が一番理解しているでしょう?」
「ああわかってる。だからやめてくれ。あの世界のことはもう思い出したくも無いんだ。」
「おっと、これは失礼。謝るからその断ち切りばさみを仕舞ってくれると嬉しいな。」
ワカタツヒメが取り出した黒よりもなお黒い漆黒のハサミを見てアマツサダメノキミは冷や汗を流しながらそう言った。
「…全く。次からはもっと慎重に発言してくれ給え。」
「ええ。肝に命じておきましょう。」
「ならいいんだけど。…それで現世と常世をあまり繋がらせたく無いのだったね。うーん。…おや?君の管理する世界には丁度いい物があるじゃないか。」
「丁度いい物?」
「【ニトクリスの鏡】というやつだよ。あれを現世と常世を繋ぐ窓口にすればいい。逸話的にも問題ないだろう。」
「確かにあれなら問題なさそうですね。でしたら空位の神器を割り当てておきましょう。」
そう言ってアマツサダメノキミは虚空に向けて手を動かして何かを操作し始めた。
「私は元々【原初の惑星】を丸ごとコピーして君が持ち込ん外部リソースを使って【神造ダンジョン】を乱造して強制的に魂の収斂を行うという発想は面白いと思っていたけど、輪廻の輪をこの世界のみで循環するようにして死後の世界すら神造ダンジョンにするとは恐れ入ったよ。
しかも世界管理システムを百に分割して人類に与えるなんて狂神の発想だと言われているよ?」
何かを操作しているアマツサダメノキミを眺めながらワカタツヒメが声をかける。
「そう言われても私にはこの方法しか思いつかなかったからどうしようもないのですが?」
「わかっているよ。それに、我々の目的を果たすことができるのならばどんな手段を取ろうとも問題ない。」
「ああ、そうとも。何一つとして問題はない。全ては」
「「世界の終わりを止めるため。」」
【終焉世界英雄譚】2章:恐慌の二年目
〜終〜
現在の奉納された神器の数【1/100】
────────────────────
【TIPS】
世界とは一つだけでは無く無数に存在している。そしてそれら全てを管理し、綻びを潰し、正常に廻るように管理する者たちがいる。今は唯、真なる神と呼ばれているが彼等にも確かにその存在を示す記号としての呼び名はあるのだ。




