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終焉世界の探索者  作者: 雷炎
2章:恐慌の二年目
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北綾瀬攻略4


【鋼龍 クシャルダオラ】

鋼の様な鱗を持ち常に風を纏って自らに近付く敵の悉くを吹き飛ばす。その身に纏った風を利用した攻撃は多彩かつ繊細、風を一点に絞りレーザーの如く放つこともあればその範囲を広域化して自分丸ごとを嵐の内に隠すこともある。


そんな超危険モンスターであるクシャルダオラは何を目的としてかは不明だがバゼルギウスを殺さず生かさずの状態に痛めつけてまるで俺の来訪を待っていたかの様に俺の方をジッと睨みつけてくる。


状況がイマイチ掴めないがわかることが一つだけある。


「何が何だかよくわからんがお前を倒せばこの千代田線ダンジョンは完全クリアだ。」


「アァァァァァァァ!」


甲高い声が今立っている大樹に巻き付く根の頂点から森に向かって響き渡る。


「死ねやぁぁぁっ!!」


唯我独尊(我が道を征く)』、『無窮歩法(タキオンステップ)』、『強制開示』、『無限思考』、瞬刻思考を並列発動。一歩で間合いを詰めムラクモを大太刀にして一気に薙ぐ


「新月斬り」


クシャルダオラは咄嗟に飛び上がってギリギリの所で躱す。


「まだだぁっ!」


太刀系統の奥義は基本的に月に関する名を持つ。そしてムラクモの様な可変武器であればどう系統なら奥義の連携が可能となる!


万能適応(マルチシフト)二刀(ツインブレードタイプ)


「月弦二刀・下弦登り」


ムラクモを二本の刀に変形しての二刀流、先程無双している際にもしやと思ってやってみればこれが上手くいった。


地面から垂直に勢いよく飛び上がりその心臓目掛けて突き進むがクシャルダオラは自分の纏う風を一方向にのみ強く吹かせることで急激な転換をおこなう。だけどこっちだって『無窮歩法(タキオンステップ)』を使っているんだ、そう簡単には逃げられない。


「アアアッ!!」


ギリギリとなったが奴の片翼に大きな傷を付けた。飛行は可能だろうが先程の様に急速に飛び上がったりするのはキツくなるだろう。そして俺の攻撃はまだ終わりじゃない。飛び上がる下弦があるなら次に何が来るかはわかるだろ?


痛みに悶え一瞬隙を晒したクシャルダオラの方を向きもう一つの奥義(・・・・・・・)を発動する。


「月弦二刀・上弦」


本来あり得ない挙動で空中で向きを整え起きる筈のない加速を行なって先程傷つけた部分をさらに深く斬り裂きムラクモの斬れ味をもってして切断する。


二刀流項目の奥義の名は孤月二刀。高速で下から上へと斬り上げ返す刀で勢いよく斬り裂く。この一連の動作を二つに分けて行う技だ。一撃目を躱して油断した相手を背後からの二撃目で斬る騙し技である。


「アアアアアアアッ!?」


片翼を切り落とされ悶え苦しむクシャルダオラ。だが容赦なく追撃を行う。


「アアッ!」


「っ!ちっ。」


だがその追撃は叶わずクシャルダオラが自分を中心として巨大な竜巻を生み出しその内側にすっぽりと隠れてしまった。

これは全方位を覆っているので『無窮歩法(タキオンステップ)』でも避けて内側に入ることは出来ない。


“ドオン!!”


「駄目か。」


竜巻めがけて《亜空庫(インベントリ)》から取り出した《炎》属性の霊力で作られた爆弾を投げ込んで見るが竜巻の表層にぶつかっただけで爆発し、その爆風も竜巻に何ら変化をもたらさなかった。


“バキッ、バキッ、ジュルジュル”


「何だ?」


俺が手を出しあぐねていると竜巻の内側からナニカを破る様な音とナニカを啜り出す様な音がしてきた。


そして少し勢いが弱まり薄っすらと見えた竜巻の内側にとんでもない物が見えた。


片翼を失い地に落ちたクシャルダオラ。だが別に奴は生き残ることを諦めちゃいなかった。瀕死のバゼルギウスを尻尾や足先などの致命傷になり辛い部位から順に効率よく餌を長く保たせて喰らっていた。

クシャルダオラがバゼルギウスを喰らう程に翼の傷は癒え、斬り落とされた部位すら再生を始めていた。

だが変化はそれだけで終わらない。クシャルダオラの鋼の鱗が先端へ向けて徐々に赤味を帯び始める。丸でバゼルギウス(・・・・・・・・)の爆鱗の様な(・・・・・・)変化はそれに留まらず傷口を侵食する様に黒く濁った体液が新たな翼を生やしそれらも同様に赤味を帯びた鱗が張り付いていた。


【爆鉄龍 クシャルダオラ】

爆鱗竜バゼルギウスや自爆能力を持つモンスターを何体も喰らい自己進化を遂げたクシャルダオラ。その身に纏う鱗の硬度は落ちたが代わりに爆発への耐性、爆発制御能力を獲得し、風を操る力も大幅に強化されている。龍の進む変態の過程。


ユニークモンスターになった訳でも無くただ環境に適応し変質しやがった。


「これが龍か。」


クシャルダオラの体表の鱗が数十枚勝手に剥がれ奴の操る嵐に取り込まれてゆく。

取り込まれた鱗は赤熱し始め風によってその勢いをさらに強めていく。


そしてシステムによって定められた最初の姿を超え、システムによって人為的に産み出されたユニークボスモンスターでも無い変態を遂げたモンスターは世界に一個の存在として認められてシステムの恩寵(・・・・・・・)を受ける。


即ち


「おいおいこれはヤベェぞ。」


クシャルダオラが風を操り大量の赤熱した鱗を超高速でこちらへと飛ばしてくる。


アァァァァァァァッ(『爆鱗旋風槍』)!!!」


モンスターは【特殊能力(スキル)】を獲得する。


────────────────────

【TIPS】

システムに定められし定型を破り己が身体を磨き研磨し、極点へ至らんとするその行為を我々は大いに賞賛する。認めよう。お前は量産型の種では無く、悠久の果てに我々と同じ位階に立つ資格を持った唯一無二の(お前)だと。故に我々はお前に敬意を表し極点への道程を示そう。何故ならそれこそが我々に許された唯一最大限の干渉なのだから。

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