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終焉世界の探索者  作者: 雷炎
2章:恐慌の二年目
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北綾瀬攻略2

迫り来る連鎖爆発の津波から逃げつつも俺は指示を飛ばす。


「ジークフリート!殿(しんがり)を頼む!宝具も使って構わない!」


「心得た。」


普段は霊体化しているジークフリートを呼び出し時間稼ぎをしてもらう。宝具でモンスター共を自爆させずに倒せればその分だけ勢いが落ちる。


「お前らの中で足の遅い奴は誰が担いで先に行く!そこの槍担いでるやつより後ろを走ってる奴は俺の方に来い!」


走って戻るメンバーの中でスピード的に追いつかれる可能性のある奴をマジックアイテム【絶対括り付け縄】で無理矢理背中に結びつけて『無窮歩法(タキオンステップ)』で超加速して入り口を目指す。


「ジークフリート!」


「宝具解放。“これは邪悪なる竜を穿ち屠りし一撃なりて…”『邪竜魔剣(バルムンク)』!」


ジークフリートの剣に嵌め込まれた青い宝玉が輝き剣先から放たれた霊力を纏った一撃が周囲のモンスター達を数十体規模で吹き飛ばし仕留めていく。


「ゴオオオオオオッ!」


「ああくそっ!」


俺たちが逃げ出して行くのを見てバゼルギウスが逃すまいと身をよじって爆鱗をばら撒いて来やがった。


「悪りぃなお前ら!」


「えっ。ちょっ!」

「うわーーーーー!」

「なーぜーでーすーかー!」


【絶対括り付け縄】で縛った隊員達をそのまま入り口目掛けて勢いつけてぶん投げる。


「多分これが一番早いと思います。」


そう言いつつもムラクモを鞘に入れたまま手にかけ構えを取る。


お前(ムラクモ)と抜刀術10の超性能を見せてみろ。」


迫り来る爆鱗を全て視界に収めタイミングを見極める。


「『瞬息居合・撒』」


本来なら絶対刃が届かずカスリもしない間合いの中で職業【侍】のスキル『瞬息居合』を解き放つ。本来これには型なんてない筈で一瞬の隙に距離を詰めて抜き放つだけの技。だと言うのに俺今確信を持って『撒』という型を使った。


“斬”


放ったのはいくつもの剣撃、だが響いた音は一度のみ。しかして結果はすべての鱗が空中で切り裂かれ俺たちにはそよ風程度の爆風を届けるのみであった。


「なんだこのぶっ壊れ威力…。チートにも程があるだろ…。」


「ゴアアアッ!」


俺に鱗を全て迎撃されたのが気に食わないのかバゼルギウスが更に追加でばら撒いてくる。


「『瞬息居合・撒』」


“斬”


太刀を鞘に収め柄に手を掛けスキルを発動する。

それだけで舞い散る爆鱗の悉くが空中で切り裂かれその役目を果たすこと無く爆発して儚く消えて行く。


と、ここで自衛員達が全員入り口の前まで戻った。


「全員戻った!引くぞジークフリート!」


「承知した。」


ジークフリートが霊体化して俺の元に戻ってくる。自衛隊の方では点呼や怪我の確認を軽く済ませたようだ。



こうして俺たちのC20へのファーストアタックはほんのさわりを見ただけで終わった。




◆◇ダンジョン入場口前◇◆


事前に待機していた自衛隊員達が俺たちのあまりにも早い帰還に驚いていた。


「どうしたんですかこんなに早く!?」


「ありゃダメだわ。数が増えれば増えるほど不利になる。」


「よくわかりませんが一度上官に報告を上げるのでお待ち下さい。」


上層部への連絡が終わるまでの間、俺は一緒に潜った自衛隊の班の隊長と今後の相談をしていた。


「申し訳ありません。私ども家族不甲斐ないばかりに。」


「いいっていいって気にすんな。別にお前らが悪いわけじゃ無ぇんだし。」


「しかし我々がモンスターの処理に失敗したばかりにあの様な事に…」


「どのみちあいつらの爆発威力確認の為に爆発させる予定だったんだから気にすんな。ちょっとイベントが早まっただけだっての。」


「しかし」


「どのみちこのダンジョンは集団で攻略に挑むのは相性が悪すぎて無理だ。恐らく上層部からの指示で俺単独で潜ることになるだろう。」


ちょうどその時、先程の自衛隊員が上層部からの連絡を受け取ってきたようで駆け足で戻ってきた。


「報告いたします。上層部の判断により鈴木亮一郎殿が単独であれば潜行が可能であると判断された場合各種消耗品を受け渡した後に鈴木殿のみで潜行。不可能であると判断されれば出来うる限り情報を集めた上で帰還せよとのことです。」


「了解した。俺一人で潜ると伝えてくれ。」


「はっ!」


たった今戻ってきたのに隊員が慌ただしくまた走っていった。

あいつには後でジュースでも奢ってやろうと思う。


「と言うわけで予想通り俺一人で行ってくるわ。」


「…わかりました。それでは餞別代わりにこれを。」


そう言って隊長は数枚のお(ふだ)を渡してきた。


「こいつは?」


「政府お抱えの《刻》属性の技術者に作成してもらった道具です。私の《蓄》属性の紋様が刻まれているので霊力を込めれば一枚につき一度だけ《蓄》属性の霊術を行使することができます。」


「すごいなこれ。確か作成難易度が高くて使い捨ての癖に100枚も出回ってない貴重品だろ?てか、あんた固有属性持ちだったのかよ。」


「ええ。以前それの作成実験の際に呼ばれまして、固有属性の札の作成の手伝いをしていました。

そして私の固有属性ですが文字通り蓄えることに特化した能力を持っています。《異空庫(アイテムボックス)》の様にものを蓄えたり発動前の霊術を蓄えておくことができます。多少ではありますが霊力を蓄えておいて擬似的に霊力の最大値を増やすことも可能です。」


「かなり汎用性の高い能力じゃないか。」


「ええ。仕事柄便利だとは思っています。ですが今は隊長という役割故あまり生かさず持て余しています。有効活用できるのであればご存分にお使いください。」


「ありがとう。遠慮なく使わせてもらう。」


「はい。それではご武運を。」


「おう!行ってくるわ!」


────────────────────

【TIPS】

固有属性にも当然当たり外れがある。だが属性には属性進化というシステムがあり固有属性もこの例に漏れない。だがこの属性進化はどの様な条件で起きるのか全く解明されておらず現在日本国内で確認された例は数件のみである。その中でも固有属性の進化は《溜》属性から《蓄》属性へと進化を遂げた一例のみである。


※申し訳ありませんが作者の限界と書き溜めが尽きたのでこの話以降は不定期投稿となります。出来れば今月中に10万字を超えたいと思っているので気長にお待ちいただければ幸いです。

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