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終焉世界の探索者  作者: 雷炎
2章:恐慌の二年目
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定例会議・下


「さて、次の議題だ。次の議題内容は先月より増加傾向にある霊術、魔術、法術などを用いた犯罪の増加だ。昨年度一年間は神々の手によって全人類に軽度の暗示がかけられておりステータスを利用した犯罪利用はかなり抑制されていたわけだが今年度からはそうもいかないだろう。」


「星の命運がかかってるというのに犯罪へ走って攻略の停滞を招く様な馬鹿は焼却してしまえば良いのよ。」


「Oh☆流石に蓮花嬢は手厳しいデスネ☆」


「黙れクソウザ道化師。」


「Oh...手厳しい。…デスネ☆」


「…《火花》」


「アッチ!」


「黙れと言ったでしょ。」


「おお怖い怖い。それでは(わたくし)黙らせていただきますね☆」


そう言い終わるや否や間藤は“ポンッ”と煙を立てると間藤そっくりにデフォルメされた人形に変わっていた。


「香取。ダンジョン外での霊術は控えろ。」


「はいはいわかったわよ。」


「・・・では議題に戻る。鈴木の神(オモイカネ)の齎した情報に曰く、システムが導入された最初の一年は世界の混乱を抑えるためにステータスを利用して犯罪を行おうとする意識を抑える暗示が働いていたそうだがそれはもう無い。加えてここ一年にただの一つも【神器】が奉納されなかったことによる民衆の不安は膨れ上がる一方だ。このまま行けば犯罪者の増加に留まらずその内自殺者も増えるだろうと言う結論に国は達した。」


「大変だね。(お腹空いたな。)」


「そこでこの恐慌抑えるためにお前達にはどうにかして一つ【神器】を確保して貰いたい。」


「うちの国がすでに見つけた3つの神器は奉納出来ないのですか?」


「あれがそう易々と奉納出来るような物では無いということはよくわかってるだろう玻座間。」


「そうですね。言ってみただけです。」


「あの【神器】達を奉納するのは最終手段だ。そこで確認だがお前達どこまで攻略を進めている?」


「ここにいる奴らは全員19番(・・・・・)までは攻略済み(・・・・・・・)だぜ。」


「おやぁ〜?鈴木さん先程の講習ではその4、5分の1しか進んでいないと仰っておりませんでしたか〜?」


いつのまにか人形から本体に戻っていた間藤が如何にもうざったい声で亮一郎に話しかける。


「お前あれ見てたのかよ…。つかあんな外部に情報がダダ漏れになる様な場で本当の攻略状況なんて言えるわけねぇだろ。実際何人かはスパイだったろ?」


「ええ、アメリカ、中国、ロシア、イギリスと選り取り緑でしたよぉ〜☆」


「まあ、私たちの国だって同じ事してるのだからあまり文句は言えないわよね。」


「………」


「お前は一言位喋ったらどうだ?衣良図。」


「………鈴木、コノ後模擬戦スルゾ。」


「ホワイッ!?」


「不用意に衣良図なんかに話しかけるからそうなるんだよ。(お腹空いたな。)」


「そう言うお前もようやくまともに喋ったな伊武。」


「うん、空気を食べて少し空腹が落ち着いたしね。(お腹空いたな。)」


「どうせ頭の中は空腹を満たす事以外何も考えていないのだろうがな。」


「話を本題に戻してくれますか?そろそろ帰りたいので。」


「おっとすまない。今ここに居ない根久と院堂の2人には半蔵門線、南北線、副都心線の完全攻略を行ってもらっている。

…それで【神器】探索についてだがこれは鈴木に一番力を入れてもらうことになる。」


「俺のあのスキルが原因なのはわかるがこれから先の20番代の難易度は上昇率がえげつないからそう簡単にはいかねぇぞ?」


「それに関しては【参叢】を貸し与える。」


“!”


先程まで呑気にマイペースであった会議参加メンバーの空気が一瞬にして豹変した。


「…一応聞いておくが本気か?あれを表に出すのはかなりのリスクを伴うぞ?」


「構わん。既に上の許可は取ってある。」


「…そうか。そこまで決まってんなら俺は文句ない。念のために聞くが【捌咫】と【参参尺】は引き続き秘匿するよな?」


「ああ、そこは抜かりない。」


「ならいい。」


「さて、次が最後の課題だ。」


「あたしいい加減帰りたいんだけど。」


「良いじゃねぇか。最後の一つ位ちゃんと聞こうぜ。」


「………」


「衣良図は黙ってるけど話聞いてる?(お腹空いたな。)」


「………無論。」


「ともかく最後の議題だ。お前達、『ダンジョン狩り』は知っているか?」


「確か中国で暴れ回っているダンジョンを崩壊させて回る男でしたね。」


「そうだ。その『ダンジョン狩り』に崩壊させられたダンジョンの残骸から新しい事実が判明した。」


「何ですか?気になりますね☆」


「ダンジョンにはその存在を維持する【迷宮核(ダンジョンコア)】が存在することが判った。」


「ダンジョンコア?」


「全てのダンジョンの最深層の隠し部屋に存在し、これを破壊するとそのダンジョンからは二度とモンスターが発生せずその代わりにマジックアイテムも発生しないようだ。」


「大発見ですね☆」


「これを使えば誰にも攻略出来ないダンジョンは最悪破壊すれば何とかなるかも知れない。」


「いや、駄目だ。そいつは何度も使って良い手じゃ無い。」


ダンジョンに対する大きな問題を解決する策に亮一郎が待ったをかけた。


「何でよ?そのダンジョンコアとやらを壊して回れば攻略済みできないダンジョンからモンスターが溢れる問題が解決するのよ?」


「今うちの神に聞いたところによると、そいつはそのダンジョンへ供給されているリソースを止めるだけらしい。」


「と言うと?」


「ダンジョンコアを破壊されたダンジョンの周囲にあるダンジョンにそのダンジョンへ回されたリソースが回る。…要は周囲のダンジョンが強化されて難易度が上がる。そしてダンジョンコアを破壊されたダンジョンのボスモンスターが周囲いずれかのダンジョンにレアモンスターとして徘徊する様になる。こいつは踏破済みのダンジョンでも関係ない。」


「…それは不味いな。上層部では攻略不可能と目されるダンジョンのコア破壊計画が持ち上がっている。…すぐに報告に向かわねばなるまい。今日の会議はここまでだ。ここで解散とする。」


「おう。」


「うん。」


「………」


「それじゃあね。」


「バッハハーイッ☆」


「(ぺこり。)」


こうして大神の苦労を増やしつつ定例会議は幕を降ろした。










「………鈴木、個人闘技場二行クゾ。」


「うげっ、覚えてたのかよ…。」


────────────────────

【TIPS】

日本政府では機密保持等の観点から【神器】やそれに準ずるマジックアイテムは【参叢】、【捌咫】や【参参尺】の様に別名で呼んでいる。

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