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終焉世界の探索者  作者: 雷炎
2章:恐慌の二年目
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定例会議・上


◆◇都内某所◇◆


「それではこれより定例会議を行う。」


そう告げたのは日本国異界対策将校こと【異界将】大神照義その人である。


「おう。」

「うん。(お腹減ったな。)」

「………」

「ええ。」

「 イェーイ!」

「よろしくお願いします。」


「今日は院堂、暦、根久の3人は欠席だ。」


「『阿修羅』と『霊媒師』はわかるが『先見』が欠席するのは珍しいな。」


そう呟いたのは日本国における九人の国家認定冒険者が一人『虚無の英雄』鈴木(すずき)亮一郎(りょういちろう)


「そうだね。(お腹空いたな。)」


そしてそれに追随して答えたのはこれまた日本国国家認定冒険者が一人『ゲテモノ勇者』こと伊武(いぶ)九郎(くろう)


「………」


そしてこの一言も話さない寡黙な男も日本国国家認定冒険者である『素手ウェポンマスター』衣良図(いらず)(つるぎ)


この中でも二人しか居ない女性の片方である長髪で真っ赤な宝石の嵌め込まれた杖を持つ女。『煉獄』香取(かとり)蓮花(れんか)


どう見ても部屋の空気とマッチしていない派手な格好をしたマジシャンの様な男『奇術師』間藤(まとう)源治(げんじ)


この中で一番真面目な雰囲気が伝わってくるスーツを着て眼鏡を着けているエリートっぽい女『縮地』玻座間(はざま)真宵(まよい)


そしてここに居ない三人『阿修羅』の院堂(いんどう)羅門(らもん)、『霊媒師』の根久(ねく)ロマン、『先見』の(こよみ)美穂(みほ)の九人が現在の日本国国家認定冒険者である。


「暦は今大儀式の真っ最中だ。例の神器()を使って起きる現象について調査している。」


「ああ、あの。実際の所アレ(・・)どん位の性能がありそうなんだ?」


「現在判明している情報からして概算でもアメリカ合衆国全土と戦争が起きてもアレを使えば勝てるだろう。」


「うひゃーおっかないですねー☆」


「あんたは喋り方がウザいから黙りなさい。」


「そうだね。(お腹すいたな。)」


「…………」


「相変わらず纏まりませんね。」


「そう思うのならおまえが纏めてくれていいんだぞ玻座間。」


「それは私の業務に含まれないのでお断りします。」


「全くこれだからお前らは…。兎も角定例会議を始める。

まず一つ目の議題は鈴木、お前が先日無許可で行った英霊召喚についてだ。前々から何か企んでいるのはわかっていたがとんでも無い事をしでかしてくれたな。しっかりと報告をして貰うぞ。」


「わかったわかった。あれは俺も悪いとは思ってるんだぜ?…反省はして無いが。兎に角報告書は用意したからそれに目を通してくれ。」


会議参加者達が資料に目を通す。


「要点だけ言うぞ。

まず英霊召喚には己の血液と霊力を媒体とした魔法陣を描きその中央に伝説に存在するマジックアイテムを設置する必要がある。儀式の祝詞は俺が唱えた通りだが後半辺りから俺の頭の中に知識が追加される様な感覚があって後はその通りに喋っていた。不完全な状態で儀式を行うと不足した分を自分の血液と霊力で無理矢理賄われる。賄われる量はかなりの物で俺は軽く死にかけた。また、召喚した英霊と契約を行うには己の【神格】の最大値を1つ消費…1つ英霊に譲り渡すことで霊的なパスを繋げている。故に恐らく依り代でなければ英霊との契約は不可能だ。」


そして亮一郎は一区切り置いて話を続ける。


「召喚した英霊の詳細だが、俺の召喚した英霊はジークフリートだ。まあ有名なやつだから説明は省く。もしわからないやつがいたらググれ。英霊の性能はどうやら契約者の能力に比例するらしく強さ的には俺とあんまり変わらん。俺のステータスを物理偏重型に振った様な性能をしている。」


それはとても驚愕的な話である。何せそれが意味する所は仮に現在第一線で活躍する冒険者全員が英霊召喚を行えば実質的に彼らが二倍になるのとなんら変わりが無いからだ。


「そもそもの話その英霊とやらはお前の言うことを聞くのか?召喚した直後に斬りかかって来たりしたら笑い話にもならんぞ?」


「そこは問題無い。基本的に英霊は俺達の命令に従ってくれる。…まあ“世界よ滅べ”と心から願っている奴を召喚したらどうなるかは知らんが。

それと、契約者は英霊に対して【神格】を1消費することで一時的な強化などを施せる。」


「その具体的な内容は?」


全能力強化(バフ)弱体化(デバフ)全解除、肉体完全回復、霊力完全回復の4つだな。一度に使う数に制限も無いし同じ能力を使っても重ねがけされる。」


「ふむ。大体わかった。では最後の質問だ。肉体ダメージが一定量を超える…つまり致命傷を受けた英霊はどうなる?」


「それに関しては実際に試したわけでは無く俺の神様に聞いただけだがいいか?」


「構わん。と言うか知恵の神に嘘をつかれては何も信用出来ん。」


「それもそうか。んじゃ聞いたことそのまんま伝えるぞ。

まず英霊は致命傷を負うと霊力に変換され【神格】のパスを通して契約者の体内で一時的に眠りにつく。その状態から1日経つと元の状態で復活する。また、この1日のインターバル中に呼び出すことも可能だがその間にまた致命傷を負うと復活出来ずに契約が解除されて消える。」


「成る程。それはかなり有益な情報だな。それに関しても追って報告書にまとめてくれ。」


「了解っと。…あっ、もう一個報告抜けがあったわ。」


「なんだ。そしてお前もとサラリーマンの癖に報告の抜けが多過ぎないか?」


「すいません。

んで報告し忘れたことなんだが、英霊にはそれぞれ【宝具】と呼ばれる物を持つ。」


「宝具?」


「【宝具】又は【伝承能力(レジェンダリー)】と呼ばれる物で、俺達(依り代)が稀に会得する【逸話能力(ミソロジー)】に近いものだ。その英霊の持つ伝承、伝説、逸話が具現化したものでかなり高性能な物ばかりだ。例えば俺のジークフリートの持つ宝具の一つである『邪竜血鎧イビルドラゴンズブラッド』はあらゆる武器に対する強い耐性と超高性能の肉体再生能力を持つ。」


「まて、“宝具の一つ”と言うことは英霊はそんなとんでも能力を二つも三つも持っているのか?」


「んー、完全に場合によるみたいだな。その英霊の持つ逸話や伝承の長さや具体性、有名度の高さなどでかなり変動するみたいだ。

例えばアーサー王を召喚したらその逸話と知名度もあって馬鹿みたいな性能した馬鹿みたいな数の【宝具】が出てくるんじゃ無いか?」


「成る程な。しかしこれは召喚した者によっては英霊一人で世界のバランスが崩れてしまいそうだな。」


「元々バランスもクソも無い世界になってる気がするんだが?」


「それもそうだな。それでは次の議題に移る。」


会議はまだ終わらない。


────────────────────

【TIPS】

英霊は【宝具】の使用に莫大な量の霊力や魔力を消費するが、大気中から取り込んだり契約者から受け取ることで賄うこともできる。

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