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終焉世界の探索者  作者: 雷炎
1章:驚愕の一年目
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命を燃やす蛮賊の竜 その二

イキって太刀を抜いたまでは良いが勝てるビジョンが全く浮かばない。

取り敢えずダツに《虚空纏》を発動する。


「うおっ!?なんだこれ!」


以前サバイバルナイフに霊力を通していた時とは比べ物にならないくらい効率よく霊力が行き渡っている。霊力との親和性が高いだけでここまで差が出るとは思っても見なかった。

これならドスジャグラスよりよっぽど硬そうなあいつの鱗でも切り落とせそうだ。


「行くぞドスアングラス。」


太刀を両手で持ち相手を真っ直ぐに見据える。


「ジャッジャッジャ!」


ドスアングラスは相変わらず此方を見下した感じで嘲笑っているような声を出している。

…というかもしかしなくてもこいつ自分の意思をちゃんと持って思考して行動してるだろ?明らかに動作が人間臭いぞ。


「死に晒せぇ!」


兎も角俺は勢いよくスピードをつけて駆け出し奴に向かって突貫した。


「ジャッ!」


奴が身をくねらせて尻尾をぶち当てにかかるがそれは視えてる。


「瞬刻思考舐めんなぁっ!」


スローモーションの世界の中で俺は力なの限り足を伸ばして飛び上がる。


“ブォン!”


かなり早めに躱したっていうのに勢いよく風が吹いてくる。だがそんな大振り攻撃したら背中がお留守なんだよ!


「まずは一発喰らえやあっ!」


“斬”


明らかに硬い鱗をあっさりと切り裂き傷口から溢れ出た奴の返り血が俺の顔に吹き付けられる。


「ジャアアアアアアアアッ!?!?」


さっきまでの笑い声とはまるで違う明らかな痛みによる叫び声が部屋中に響き渡る。

奴の背中に着地した後即座に飛び降り距離をとる。

その瞬間奴は身体を捻って大きく回転した。

恐らく今のに巻き込まれたら軽傷では済まないダメージを負っていたことだろう。


「ジャアアアアアッ!」


ドスアングラスが先程迄とは違い俺を強く睨みつけている。それはまるでようやく嬲って遊ぶオモチャから殺すべき敵へと認識を変えたかのようだった。


「来いよ、どっちかが死ぬまで真剣勝負だ。」


俺はまた太刀を奴に向けてそう言った。


「ジャアアア」


俺の言葉の意味が分かったわけでは無いのだろう。だが俺には奴がそれに答えたかのように見えた。


「ジャアアアア………!」


奴が強く息を吸い込む構えを取る


「させねぇよ!」


俺は腰のポーチから超ねっとり餅を取り出し10個纏めて奴の口に投げつける。


「ジャッ!?」


口に入ってきた異物に反応して一瞬奴の口が閉じた。


「…!………!?」


「開けらん無ぇだろ。たった一つで大の大人が喉に詰まらせて死ぬくらい粘着性の高い奴だ。」


子供でも老人でも無くたって誰でも喉に詰まらせて死なせる餅。正直作った奴は大晦日と正月に大量殺人でもしたいのか?と言いたくなるような代物だ。

モンスターは呼吸を必要としないので死ぬことは無いがこれで最大脅威のブレスは封じた。


“ジュウゥゥゥゥ”


「ん?なんだ?」


“ブシュッ!ボオオオオオオオオォ!”


「のわあっ!?」


ドスアングラスの口を塞いだ餅の隙間から炎が噴き出した。

それはどんどん勢いを強め広がっていく。


“バリッバリッ”


「おいおいまじか…」


こいつ口の中の餅を炭化させて砕いてやがる。


「ペッ」


「流石に炭は不味いんだな。」


炭を吐き出し自由に動くようになった口を動かし奴が吠える。


「ジャアアアアアッ!」


「おこなの?激おこなの?」


「ジジジジジジジッ!」


「えっ、何そのモーション。知らないんだけどぉ!?」


犬が威嚇するように深く腰を落とした状態の奴の鱗からメキメキと妙な音がする。

ベキッと明らかに宜しくない音を響かせ奴の全身の鱗が逆立って触れた物に突き刺さる狂気と化した。


「…ドラゴンの弱点は喉元の逆鱗って相場が決まってるが全身が逆鱗になるとか聞いたことねぇぞ?」


「ジャアアアアアッ!」


ドスアングラスがその身体を捻り勢いよく突っ込んできた。あれに巻き込まれたら全身穴だらけの死体になること請け合いだろう。


「《虚空玉》!」


霊力強化が3に上がったことでそれなりの速度を持った《虚空玉》が突っ込んでくる奴の鱗に当たるがその鱗を消し飛ばす事無く掻き消された。


「くそっ。やっぱ武器越しじゃねぇと無理か…。」


全力で走って突撃を躱し攻撃を仕掛けようと振り向く。


「ジャジャ!」


「!?」


そしてそこには身体を弓の様にしならせた奴がいた。


「ジャッ!」


“ビュッ!”


奴が身体を伸ばすと同時に逆立った鱗達が次々と飛んでくる。


「ざけんなあ!《虚空玉》《虚空玉》《虚空玉》ぅーっ!」


《虚空玉》を並べて飛ばし壁の様にして数を減らし抜けてきた鱗を太刀で弾き飛ばす。

それでも躱しきれなかった物が肌を掠め傷口から血が流れる。

急いで《亜空庫》からポーションを取り出し回復するが今ので失った大量の霊力までは回復出来ない。


見れば奴の鱗は追加で新しく生え始めておりこれでお互い外見上のダメージはゼロとなった。

だが俺の霊力がかなり消費された様にあいつの鱗を再生させるのにもエネルギーをかなり消耗する筈だ。いくらダンジョンボスとはいえエネルギーが無限に供給されるなんて聞いたことがない。ユニーク故の特別使用と言われればそれまでだが、そこまで考えると俺の気力が持たないので奴もそれなりにエネルギーを消耗していると考える。


「さあ第2ラウンドの開始だ。」


────────────────────

【TIPS】

ダンジョンボスの多くは最後の最後まで完全状態で戦うためにエネルギーを消費して傷を癒す能力を持つ。


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新作です

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