プロローグ 金曜 五限目
かつてこの世界で言語と呼ばれる物は一種類だけだった。
ヒトは天にも届く塔を作ろうとし、神の怒りに触れた。
そして、神はヒトの言葉を乱し、塔は崩された。
そのあとは大変だった。
まず最大の勢力を持っていたヤワ耳達が数の多さをフルに活用した戦術に出る。
文化・宗教を広め各地で言語、通貨の統一を謀ったのである。
それに気付いたナガ耳達が、世界の中心機関として「ヤスフ連盟」を作りました。
そこの初代理事をナガ耳にする事で「世界の中心はナガ耳!」と示す気だったんですね。
他の種族は基本的に無関心だったのですがケモ耳……失礼。
モフ耳達は「勉強が嫌だ!」という理由のみでこの二派閥に真っ向から対立。
これを皮切りに、多くの対立が生まれました。
カタ耳はヤワ耳の「安かろう、悪かろう」な製品の大量生産に文句をつけ、
トゲ耳はナガ耳の「ナガ耳絶対主義」に猛反発。
世界にとげとげしい空気が蔓延しました。
そして、おおよそ400年前に神様によって、言語の再統一が行われた訳ですね。
これにより多少の方言以上の言語のズレはこの世から無くなりました。
この時の神様のお言葉、テストに出しますから書いて下さいね。
えー……『多様性というものを知らんのかお前らは』ですね。
……はい、書けましたか? じゃあ今日はここまで!
次回の授業では少しだけ最近の話もしますよ。
「ダンジョンの発生」と「ダンジョン景気の崩壊」に触れておきます。
それから五年前の「ダンジョンの決壊」これも外せません。
では皆さん良い週末を!