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そして捧げる月の夜に――  作者: あわき尊継
短編 二

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206/261

登場人物紹介

終盤へ向けての紹介会。

今夜17時に短編を上げ、隔週でまた別の短編を上げていく予定です。

本編作成に少々手間取っていますので今しばらくお待ちください。


ハイリア

 デュッセンドルフ魔術学園学生小隊元一番隊隊長。

 フロエを救いたい、という強い願いが縁となって生まれた意識の集合体。

 セイラムの力によって繋ぎ止められている為、その消失と共に意識は霧散してしまう。



メルトーリカ=イル=トーケンシエル

 フーリア人の少女で、巫女。ハイリアによって婚約者であることが公言された為、ウィンダーベル家所有の奴隷からは外された。

 現在はハイリアと共に対セイラムの重要人物としてホルノス王に保護されている。



フロエ=ノル=アイラ

 フロンターク人の少女。セイラムの器として幼い頃から調整を受けており、聖女が降臨した際にはその意識は消失すると言われている。

 立場的にはジーク=ノートン所有の奴隷。三本角の子羊亭も書類的にはアリエスの所有物となっている。




エリック=ジェイフリー

 デュッセンドルフ魔術学園学生小隊一番隊隊員。

 ハイリアの勝利を見届け、再び会うという約束を果たし、息絶えた。

 姉が一人居て、両親が方々を回って稀少本を買い求めている間に書店を経営していたが、内乱以降は店を閉めてしまっている。結果的にだが、家族は後の混乱に巻き込まれず、生存している。

 姉の名前はイリーナ=ジェイフリー。



    ※   ※   ※



ジーク=ノートン

 カウボーイハットがトレードマークなイレギュラー能力『銃剣』の使い手。

 しかしデュッセンドルフの戦闘で、四柱の一つ『槍』の術者との戦闘によって魔術を封じられた。



リース=アトラ

 元騎士家系の娘だったが、新大陸での一件により位を剥奪されている。『剣』の上位能力『旗剣』の使い手。

 ジーク=ノートンと行動を共にするが、徐々に彼とは違う方法で解決を探るようになっている。



ティア=ヴィクトール

 イレギュラー能力『魔郷』の使い手。ホルノスの内乱中、フロエの肉体を乗っ取ろうとしたセイラムを身の内に収め、封印した。

 本人は囚われのお姫様気分らしいが、やっていることは俺はいいから先へ行け系であることに気付いていない。



    ※   ※   ※



クレア=ウィンホールド

 両脚を失うも、現在は義足によって問題無く歩行が可能な模様。

 ホルノスでは見た目から得られる同情と油断を利用し、外交面での活躍を見せる。

 デュッセンドルフでの事変以降は多くの執務を放り投げられ、不満を溢しながらも結構テキパキこなすので増量傾向にある。



クリスティーナ=フロウシア

 くり子の名で呼ばれる平民の少女。情報の処理という点では類稀な能力を持ち、ハイリア直属の部下として文官系の仕事を多くこなしている。

 すっかり戦いへ出ることも無くなって訓練からも離れているのでお腹のお肉が大ピンチ。



セレーネ=ホーエンハイム

 元前髪ガリ勉少女だったが夏休みデビューによって垢抜けたっぽい田舎っぺ少女。

 明るく元気に振舞いながらも計算と打算と邪魔者の排除は忘れない。腹黒系と思いきや、今や三人娘の中で最も出遅れた純情っ子である。



ダット=ロウファ

 寡黙で気遣い屋。元一番隊では優れた『弓』の使い手として扱われていたが、本人は裏方の雑務の方が性に合っていると思っている。

 オフィーリアとの関係は発展してるんですか、してないんですか?



オフィーリア=ルトランス

 恋愛脳が悪化を続ける大貴族の令嬢。昔は良いように遊ばれていたが、最近は知識も増えて常識も覚えた。

 色気が増してきたとの話もありますが、原因はなんなんでしょうねえ?



ジン=コーリア

 かつては王族の末席に身を置いていたが、フーリア人に国ごと滅ぼされて地位を失った。

 立場を生かして保護を受ける手もあった筈なのに、国外の財産を食い潰しながら学園通いをする放蕩貴族。

 多くの浮名を流して遊びまわっているものの、一時の遊びはともかく交際している姿を見た者はいない。



クラウド=ディスタンス

 剛弓使いの頑固者。鉄甲杯へも参加していたが途中敗退した。

 オフィーリアへの密かな恋心に敗れ、戦いにも敗れ、頑固男は黙して動く。



ウィルホード=クラン

 デュッセンドルフで比較的大きな、歴史のある商会の跡取り息子。

 現実の王子さまより王子さまらしい、爽やかイケメン。

 セイラとは政略結婚が決まってから徐々に思いを通じ合わせるようになったが、家の都合や負うべき責任との間で板ばさみになっている。



セイラ=ノルン

 ウィルホード同様、歴史ある商会の家の娘。

 彼との政略結婚の相手とされてきたが、ハイリアとの繋がりが強固になり、彼の価値があがるほどに強力な対抗馬が増え、立場を危うくしている。

 現実のお姫さまよりお姫さまらしい、利発な天然キャラ。



アンナ=タトリン

 デュッセンドルフ貧民街で暮らす少女。母が洗濯屋をしている為、娼館で暮らすヨハンと知り合った。

 色々と無茶をするヨハンの巻き添えでいつも大変な目に合うが、彼女も彼女で容赦なくヨハンをぶっ飛ばしたりするのでどっちもどっちである。



ヨハン=クロスハイト

 娼館の娼婦によって産み落とされた少年。

 北方の島国エルヴィスの貴族ワイズ=ローエンへ剣を預け、騎士の位を受けた。

 誰もが羨むほどの大出世である筈なのだが、本人にその自覚は無い。というか主であるワイズを放置している。



オットー=フェルスヴェルク

 小さな施療院に勤める、元一番隊の青年。

 かつてイルベール教団と一番隊が衝突した際には後方で負傷者の治療を受け持っていた。

 医療の未発達なこの時代、優れた医者の条件とは少しでも早く手足を切り落とせる事だったと言われている。



    ※   ※   ※



ジェシカ=ウィンダーベル

 ウィンダーベル家の中では傍流、権力の及ばない西方へ飛び出していった異端の家系。

 元々は深窓の令嬢じみていたが戦場を経験する内にサバけていった。最近思考を委ねられる人間を確保したせいか直感的な発言が増えている。元々か。



アベル=ハイド

 ラインコット男爵領出身の平民。眼鏡。子羊亭の雇われ小僧。

 デュッセンドルフ魔術学園の入学試験を最優秀の成績で突破し、以降も優秀な成果を修め続けている。

 権力には服従が身に染み付いている癖に、必要とあれば平然と無視して利用する。

 不遜、と称されることもあるが優先順位の関係で不要と判断しているだけなので敬意はある。あるけど無視するだけなので許してください死刑は止めて。



グランツ=ドルトーレン

 フーリア人。伝説の隠密とも呼ばれるが本人に自覚は無い。フィラント王国へ所属し、王さまのことも気に入っている。

 技術班が次々用意するオモシロ兵器を使いこなし、歴代最高とかいう白い人と大立ち回りを演じたり、最高に美味い塩焼きを作ったりと多岐に渡る才覚を見せ付けるが、割と失敗してたりもする。「おっす」しか言わないけど、言葉はざっくりなんとなく理解している。



ベンズ=リコット

 ガルタゴで提督と呼ばれる家系の末息子。結構やんちゃしてた時代もあるらしい。

 海賊に憧れるが、海賊であるべきなのかと思い悩み、形の無い夢の輪郭をゆっくりと描き始めた。



ペロス=リコット

 ベンズとは双子。箱入り娘で、甘やかされて育った為か言動や思考が年齢に比して幼い。そして甘えん坊。

 しかし、彼女も自分の思考を持たないわけでは、決して無い。



サイ=コルシアス

 フーリア人。錬鉄の力を名工オスロ=ドル=ブレーメンより受け継ぐも、事情により鎚を置いていた。

 おとなしめで気弱そうな印象を与えるが、職人らしく我は強く、時に不遜。

 ハルバード『半月』を打ち上げ、ハイリアへ贈った。



    ※   ※   ※



フィリップ=ポートマン

 かつてティアへ強引な勧誘を仕掛け、ジークにぶっ飛ばされた。

 その後もやらかしの連続で長を務めていた小隊を壊滅させるも、鉄甲杯で部隊を新設していたハイリアの元で己を立て直し、友人となる。



ワイズ=ローエン

 北方の島国エルヴィスからやってきた、デュッセンドルフにおけるエルヴィス筆頭貴族。

 二番隊の隊長でもあり、将としても戦士としても優れた資質を持つが、未成熟な学生という域を出ないでいた。

 最近は、正直引っ込んでて欲しいというホルノスの思惑から超歓迎を受け続け、私愛されてると思い込んだ次期女王候補(ツンデレの国の)の姫様をお守りするので忙しい。



プレイン=ヒューイット

 エルヴィスの貴族だが歴史あるローエン家とは違って、剛腕による出世を繰り返してきたややダーティな所もある家の次男。

 学園では最高の『剣』の術者との評価を受ける。ジャック=ピエール以上の長身で、格式や品性を平然と蹴り飛ばし、汚い手も使う。

 友好的な態度は見せないが、割とヨハンとは意見があっているらしい。



ミリー=ダルフォーネ

 元はワイズらの小隊に属していた卒業生。優れた『剣』の術者で魔術の探求にも熱心で、学園に残されていた資料から邪道の技を学んだ。

 在学中、技の探求をする内に実務としても行うようになり、卒業後もホルノスや他国への情報収集や、必要とあらば捨て駒としての使用も前提として留め置かれた。寒冷地で物資の乏しいエルヴィスにて、塗炭民と呼ばれる泥炭を糧として生きる被差別階級の出身。本人は今の待遇をそれなりに気に入っており、デュッセンドルフにおける情報収集の重要性が挙がるほどにワイズたちでも容易くは動かせなくなっていった。



ロック=クレイネル

 元はフィリップの小隊に属していたが、崩壊後に二番隊から勧誘を受けて所属した。

 ハイリアに『弓』の術者を確保させないように、という理由からの行動だが、プレインの別働隊で主力を勤めるなど重用はされている模様。

 また彼自身はエルヴィス出身ではない。実力はあるが、平民出身というのもあってフィリップの下では雑用を強要されていた。



シエラ=パーキンス

 フィリップの小隊で副隊長を務めていた少女。

 気が強く、上位の者にも真っ直ぐモノを言えるが、相手を威圧しがちな吊り目を気にしていたり、周囲への気遣いを忘れない繊細さもある。

 度重なるフィリップの恐喝に一時精神の安定を欠いていたが、デュッセンドルフ攻略戦では義勇兵団へ志願し、成果をあげた。



    ※   ※   ※



ルリカ=フェルノーブル=クレインハルト

 ホルノスの王。思索の徒、とも称されるほどに物事を深く思考し、未来を見通すことさえある。

 民衆の奴隷たる政治家ではなく、民衆を所有する王の道を選び取り、思うが侭に世界を操っていく。

 ただ、この子が最年少の女の子であることも忘れてはいけない。ね、お兄ちゃん?



ビジット=ハイリヤーク

 『王冠』を持つ、ホルノスで本来王族の血統とされてきた家の青年。

 そりゃあ、ジークがウィンダーベル家で保護されていたなら、一緒に行動していた彼も紛れ込んでますよね。

 ルリカの『王冠』として彼女の絶対性を証明し続ける支持者。ホルノスの内乱ではフーリア人虐殺を指示したことで国賊とされているが、今回の事で内部的には秘匿されたまま彼女の傍らに立ち続けることになる。罰せられ、自由に終われなくなったことが、彼にとって最大の刑になるのかもしれない。



ディラン=ゴッツバック

 近衛兵団現団長。筋肉ダルマなナイスガイ。勢い任せに思えてちゃんと考えていて、考えた上で勢い任せ。



  ベイル=ランディバート

 ホルノス近衛兵団の現副団長。コイツはなんだかんだ死にそうに無い、毛根以外は。

 いい感じに格好付けるけど大体最後まで恰好付かないのは仕方ない、毛根弱いから。

 死ぬっぽいシーンの最後ではらりと落ちる髪の毛。多分、お守りとかそんな感じで。



マグナス=ハーツバース

 近衛兵団初代団長。様々な戦場を駆け抜け、ホルノスの内乱でハイリアたちへ後を託し、死亡した。



  傷ありの女

 ダリフに拾われ、間諜として育てられたが、内乱ではマグナスに与した。



  征西将軍

 内乱では目立たなかったがしっかりいい仕事をしていたお爺さん。現在は引退している。

 かつて部下の遺した子を養子とし、戦いとは関係の無い場所で育てようとしたが、少年はデュッセンドルフで戦いを学んでいる。



  ビーノ=ラインコット

 マグナスの蜂起に先んじて反乱を起こした男爵。

 なにやら大仰に事を構え、大仰に振舞うも正直色々頼りない。そのせいか私が面倒見ないとって妙に慕う人も居る困った子。



  シンシア=オーケンシエル

 劇作家にして作曲家にして錬鉄の技術を継承するエルヴィス出身者。フーリア人とのハーフ。

 悲劇ばかりを書くと言われるが、処女作は心温まる初々しい恋愛作品だった。

 物語は描くのではなく、掘り起こすことだと称し、書き留められた内容は時に未来をも写し取る。



  ダリフ=フォン=クレインハルト

 かつてホルノスを牛耳っていた宰相。ルドルフを王と仰いでいたが、本来ホルノスにおける王の本流は彼。

 愛した女を失い、王を失い、そして友を失った彼は今、何を思うのか。



ルドルフ

 ルリカの父親。ホルノスの先王。

 夢語りが好きな、ごっこ遊びとしての王さまを演じていたが、時代に呑み込まれるまま王となる。

 本流ではないものの、一応はダリフと同じ王族の血を引いている。

 



    ※   ※   ※



シャスティ=イル=ド=ブレーメン

 フィラント王国の王。フーリア人。

 巫女統括として育てられ、やがてカラムトラを受け継ぐことになっていた。

 オスロとの関係は良好とは言えず、状況を混乱させる要因として攻撃を受けたこともある。



リオン=ドーザ=クゥレスタ

 フィラントが建国された地域では強力な権力を振るっていた大貴族の末息子。

 一族最後の生き残りだが、仇などは考えておらず、その身には消えきらない痣や焼印などがある。



リリーナ=コルトゥストゥス

 フィラントの巫女。ただ、正規の教育や試練は受けておらず、証明としての印は刻まれていない。

 おっとりしているようでぼけーっとしてることもある。なんでも手際よくやりそうだけど家事全般が壊滅的で、彼女の部屋はリオンが定期的に清掃している。

 寝るときは全裸。しかも寝起きが悪く、中々起きない。リオンさん頑張って。



ユーリ=フェルノット

 ホルノス近衛兵団の元副団長。内乱末期、ルリカを誘拐して宰相へ譲り渡した後、行方を眩ませた。

 後の調査によって、集められていたウィンダーベル家の内、東方へ根を張った一族に連れられて国を出たことが判明している。

 兵団に居た頃はトーリと名乗っていた。現タグア地方のお飾り元首。



    ※   ※   ※



セイラム

 聖女と呼ばれ信仰の対象となってきた少女。

 異界からの来訪者ジルの全てを飲み干し、世界の滅びから抽出した力を、安定した形で運用できるように整えたのが現在大陸西方で使われている魔術である。

  ベルクハルト=ボウ=ノートン 義賊として名を馳せていた青年。

  ゼレム=ノア=クレアライン 親に捨てられ修道院に居たが、賊の襲撃を受けた際に助けられた。

  リーゼルド=シーク=ド=クレインハルト 内海東端周辺と中原を支配していた王。

  白髪の女 セイラムの侍女として付けられた奴隷。



アーノルド=ロンヴァルディア

 大陸中央から西方を尽く制圧した大帝国の始皇帝。強大な『槍』の術者であり、豪放且つ大胆極まりない戦いをする。

 彼自身は歴史の破壊者を自称し、目の前の利益以上に、時代を重ねた国々を徹底して滅ぼして回った。死後は国が九つに割れ、数十年に及ぶ内乱を続けた挙句に外部からの介入を受けて全て呑み込まれている。奪い取った土地の統治政策も碌に無く、利益を市井へ振り撒いて自らはひたすら大地を駆け抜けて戦い続けた。



ティリアナ=ホークロック

 月を落とした女の異名を持つ『弓』の術者。セイラムが召喚した四柱の一つ。

 長大な射程を持ち、その範囲内には無数の罠を設置出来る。

 病的なまでに白い肌と白い髪を持ち、身体つきは飢餓者のように細く弱々しい。しかし言動は荒っぽく、好戦的。

 過去の歴史によれば、幼い頃から戦場で生きてきたティリアナは三度の死産を経験しているという記述がある。また、その父親は不明。



ミシェル=トリッティア

 過去、伝説的な暗殺者として怖れられた『剣』の術者。セイラムが召喚した四柱の一つ。

 通常存在すら察知されずに消え失せるのが暗殺者だが、彼女は殺した相手の恋文を読み漁ったり、警備をおちょくったり、予告状を送りつけたりしていたので結構有名。しかも、その全てで対象を殺しきっていることからも、狙われれば全てを諦めろと言われたほど。例外はジャック=ピエール。

 ヒース=ノートンと出身地が同じで、当時はまだ無名だったデュッセンドルフ魔術学園の卒業生でもある。



ヴィレイ=クレアライン

 イルベール教団を率いるクレアライン家の嫡子。セイラムが召喚した四柱の一つだが、実力を元に選ばれたのではない。

 ハイリアと同じ異界からやってきたが、彼はかなり幼い頃のヴィレイと混じり合い、長い年月をこの世界で生きてきた。

 自身やハイリアをプレイヤーと呼び、他の人間はすべてNPCと呼ぶ。



ジャック=ピエール

 虐殺神父とも呼ばれた事のある男。度重なる戦闘によって両腕を失い、教団の壊滅と共に地位や財産も失っている。

 ただ一人の男となった彼が今望むのは、幼い頃から監視として面倒を見てきたヴィレイ=クレアラインの抹殺。そして、



オラント=フィン=ウィンダーベル

 ウィンダーベル家の現当主。かつて知識の解放者とも呼ばれたが、その手管は容赦が無く、人の命を平然と消費する。

 一族を纏める為に大規模な粛清を行ったこともあり、多くの恨みを背負っている。磐石の状況であれば問題は無かったが……。



シルティア=フィン=ウィンダーベル

 ウィンダーベル家の本家第一夫人。第二は居ないけど。

 『弓』の上位能力である『角笛』の覚醒者で、かつては先王ルドルフの王妃役をしていたこともある。

 その血統はセイラムの親類にも通じると言われ、幼い頃は次々と不可思議な現象を引き起こし、危険視された為に古都へ送り込まれた。



ナーシャ=リアルド

 アリエスの小隊で副隊長を務める。

 鉄甲杯で起きた謀略にて毒を受け、体調の悪化も重なったことで戦線からは離れていた。

 立場を危うくするウィンダーベル家を切り捨てようとする家の事情から目を背け、脱出したアリエスを追った。



ヘレッド=トゥラジア

 一番隊解散以降、彼らの繋ぎ役として定期的にハイリアらの元を訪れて情報のやりとりをしていた。

 元々ハイリアらとは距離があり、また彼は本来アリエスの率いる部隊の人間である。

 現在は間諜として指名手配され、行方を眩ませている。



アリエス=フィン=ウィンダーベル

 ウィンダーベル家の次期当主。デュッセンドルフの変でホルノスを裏切ってセイラム側に付く。

 フロエの誘拐にも関与し、デュッセンドルフ壊滅前に脱出し、現在は王都の別荘に陣取って時を待つ。

 セイラムの通じる血の持ち主で、高い交感能力により未来の出来事を予知することが出来る。日記帳への記述という形になっているのは、オラントが記録の残しやすさを考えて後天的に習慣づけをさせた結果のもの。



    ※   ※   ※



フィオーラ=トーケンシエル

 メルトの姉。イルベール教団に囚われ地獄の日々を送ってきたが、開放されてからは徐々に己を取り戻している。

 ハイリアがジークと名乗っていた時代を知る数少ない人物。メルトを愛し、彼女の幸福と、それを叶えてくれるハイリアに幸あれと願い、自分の事には何一つ期待していない。



ヒース=ブリンガム

 ホルノスの王都ティレールに住む少年。父は王都守備隊で分隊長をしていたが、内乱の折、ハイリアの手によって討たれている。

 復讐を宣言し、いつか決闘を行う約束と共に己を鍛え始めた。



オスロ=ドル=ブレーメン

 フーリア人。地下組織カラムトラの首魁で、敵地での情報収集の為に巫女たちを奴隷商へ引き渡し、広大な情報網を築いた。

 セイラムと呼ばれる化生を確実に封じるべく、現在はホルノスに協力している。

 カラムトラとは本来、各地にある刀工たちの長老らが寄り集まって旧交を暖める、それだけの集まりだった。



ポーキー=コーデュロイ

 ジーク=ノートンの小隊に所属する大きな顔のおともだち。

 ヴィレイとは同郷だが互いに会った事はなく、派閥も違う。

 表だって動けなくなったジークやリースの変わりに軋轢のある組織間を橋渡しし、戦いに備えて腕を磨いている。髭はない。



ハイリア=ロード=ウィンダーベル

 幾度も時間を繰り返し、魔術の根源へ触れたことで記憶の継続すら可能とした、本来のハイリアという男。

 ゼロ時点からおよそ七年後の姿をしており、髪は伸びて色はくすみ、肌は少し焼けた。あらゆる因子を再調整すれば、七年後までセイラムとの決戦を先延ばしに出来る。彼の姿は、その時点での状態を写し取って召喚されている。

 一時的に矛を収めたものの、元一番隊の面々と関わることを拒絶して、監視役である近衛兵団に身を寄せている。

 『機獣』については、近衛兵団が飼い馴らしたと言い張っており、普段の素行の悪さと得体の知れなさから周囲は遠巻きにして目を背けているらしい。


 断片的な未来の記憶に翻弄され、遂に記憶の完全継続を可能とした最初のループにおいて、彼は守るべき全てを失った。





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