魔術についての設定資料 その壱
希望があったので軽く設定資料を設置。
現時点で判明しているモノと、公開可能な魔術に関する情報です。
飛ばしても特に問題ありませんので、次へ進みたい方は飛んで下さい。
お暇な方はだらだら読んでみると楽しめたり楽しめなかったりします。
◯各属性の関係
剣 ← 盾
↓ ☓ ↑
弓 → 槍
『剣』は『弓』に強く、『盾』に弱い。
『槍』は『盾』に強く、『弓』に弱い。
といった具合です。対角線の属性は概ね拮抗します。
各属性には上位の能力が存在し、およそ十万人に一人程度の割合で覚醒者が出るものと言われている。ただ、単純に優れた下位能力者がレベルアップしていった結果になる訳ではない。
◯『剣』(ブランディッシュソード)
歩兵を意味する魔術。
使用者はくり子、クレア嬢、リース=アトラなど
魔術光は赤
火のように揺らめき、術者の周囲に纏わり付く。
魔術光は防具の役割も果たし、多少の防御力がある。ただ、視認性が上がることを嫌って一切の防御を捨てる者も多い。
以下、あくまで平均値
攻撃力 : C
素早さ : A
耐久力 : C+
器用さ : B
最大射程 : 3メートル
最大捕捉 : 1人
使用する武装によって各パラメータは上下するが、殆どの場合速度に優れた性能を持つ。
また、全属性で最も術者が多く、大体全体の四割強を占める。数が多い為に上位能力者の覚醒者も比較的多く、軍の精鋭には『旗剣』(ライトフラッグ)のみで構成された部隊も存在する。
武装の種類も最も豊富で、破壊力重視のトゥーハンドソードとか、速度重視の短剣とか、防御重視のソードブレイカーとか、かなり変化を持たせることが出来る。
ただし、トゥーハンドソードでも『槍』の、例えばハイリアの短槍には打ち負ける。
戦闘以外では脚力を活かした情報や物資の運搬を請け負う運び屋などがある。
数が多いだけにいろんな使い道が広まっており、未成熟な文明レベルにも関わらず情報や物流の速度はかなり早い。が、やはりまだ規模が小さい。
使用時には肉体の反応速度が爆発的に上昇し、動体視力などの補正も受けられる為、腕の良い術者なら『弓』の攻撃を軽々回避して肉薄できる。また、他の属性より魔術に対する知覚力が向上するなど、魔術光を隠蔽して不意を狙う『弓』に対して高いアドバンテージを誇る。ただし、起動の瞬間に増大する僅かな変化を読み取る程度で、隠蔽状態そのものを見抜ける訳ではない。
一方で、攻撃力に劣る場合が殆どで『盾』の防御を貫通するのは難しい。迂闊に切りかかればカウンターを受けての敗北は必至。
『槍』に対しては、機動力で圧倒できる一方、打撃力や防御力に劣る為に効率のいい決定打をうつのは難しい。
最大の武器は数。
得意とする『弓』の術者は大抵の場合、苦手とする『盾』に隠れて行動する為、一人ひとりの戦力としての価値は最も低い。
しかし、潜在能力の高さは随一であり、過去全ての属性を単独で倒し切るような凄腕の術者も存在した。
最弱にして最強となりうる属性。
◯『弓』(ストライクアロー)
弓兵を意味する魔術。
使用者はアリエス、弓男など
魔術光は黄色。
術者の周囲には黄色く輝く羽が舞い散る。
羽の一枚一枚にも僅かながら攻撃力があり、不用意に接近すると思わぬ反撃を受ける。
攻撃力 : C-
素早さ : B-
耐久力 : C
器用さ : A
最大射程 : 200メートル
最大捕捉 : 1~5人
射程距離の長さと『剣』に次ぐ機動力の高さが特徴。
反面攻撃力は低く、敵を打ち取るにはある程度の手数が必要になってくる。
遠距離から矢を射る以外にも、射程距離は落ちるが様々な罠を投下して設置することが可能。時限式に発射される矢とか任意で起爆する地雷みたいなものとか、後は元々あるものを利用して相手を捕獲したりなんてことも。
実戦では『盾』と共に陣地作成の要となる。
また、得意となる『槍』の防御を貫通するべく、現在は大弓や弩などを使う者が多い。手数より一発の威力を上げて、より早く『盾』を貫通してくる『槍』を落とそうとしていた。
ハイリアは、自分自身が『槍』の術者に対して優位に立てることもあり、またジーク戦では『槍』の術者が登場しないだろうという読みから、弓男には単弓を使わせて手数を増やした。これによって単純な攻防ではなく、弓の射撃によって《状況》を作り出す手法を目指した。
因みに、耐久値のパラメータが相手の攻撃力と等しかった場合、ほぼ一撃で防御を貫通してくる。つまり、腕の善し悪しはあれど、『剣』の攻撃一発で『弓』の術者は落ちることになる。
四属性の中では唯一、魔術光を視認不可能なレベルまで抑えることが出来る。これによって戦場へ罠を投下する過程もその後も、相手に知られず行える。起動時にはほんの僅かながら魔術光が強く出てしまう為、『剣』の術者には察知される。
機動力で圧倒的優位に立てる『槍』の術者に対しては、遠距離から延々と攻撃を加え、罠によって進行を阻むことでほぼ完封することが可能。
『盾』に関しては『剣』同様に貫通出来るだけの攻撃力が持てない為に、不意を打つか罠へ誘導するしかない。
最大の武器は遠距離からの多彩な攻撃手段。
『盾』の術者と行動を共にするのが基本で、安全な位置から『槍』さえ掃除してしまえば戦いを有利に進められる。一応は機動力がある為一定の生存力はあるが、無防備な状態では『剣』にあっさり敗北する。
他者との連携が要となる。
◯『槍』(インパクトランス)
槍兵を意味する魔術。
使用者はハイリア、ポーキー君など。
魔術光は青。
風のように術者の周囲へ纏わり付く。また、この光には高い防御性能があり、様々な攻撃を遮る甲冑となる。
攻撃力 : A
素早さ : C-
耐久力 : B
器用さ : C
最大射程 : 3メートル
最大捕捉 : 1~10人
武装の種類にもよるが、四属性が持つ防御力をほぼ一撃で貫通可能。
機動力が低く、纏った魔術光の影響で移動速度は非魔術使用時より遅くなる。
過去に生身で走ってから接近して魔術使用、という方法も考案されたが、機関銃を構える敵に対して装甲車を乗り捨てて接近するようなものなのですぐに立ち消えた。一応、視認性の悪い戦場や待ち伏せなんかでは有効だが、魔術の起動が他と比べて最も遅いという点が足を引っ張る。予め起動していれば魔術光が派手過ぎてまず見付かる。
『槍』の運用に関しては定期的に様々な検証が成され、その度に頓珍漢な方法が生み出されるが、どれも定着するに至っていない。
真正面から確実に接近していくのが最も単純で効果的。
現在のセオリーとしては、『盾』によって形成された陣地を活かして敵へ接近し、敵陣地を破壊していく。『剣』や『弓』はその援護や迎撃にこそ終始する。
戦いにおいての中心、花型とも言われる。
大昔に居たある建国王が『槍』の術者であったことも手伝って、もっとも高貴であるという認識が広く浸透している。その為か、やや様式ばった所があり、戦場であっても卑怯な行いをすれば敵味方から批難を受ける。
戦場が膠着し、お互いが『盾』の援護から出ようとしない状況が続くと、双方の『槍』術者が出てきて一騎打ちを始めるような事もある。
強い軍隊には必ずと言っていいほど優れた『槍』の術者が存在する。
また、機動力に劣るとはいえ、達人クラスともなれば『弓』による攻撃を弾いてしまうなど、必敗の関係とは言い難い部分がある。ただし、追いかけっこになると追いつけないから勝つのは無理。
同様に、『剣』に関しても相手が逃げの手を打つとどうしようもない部分がある。
逃げまわる誤魔化しが効かない為に、純粋な腕前を上げるしかないんだとか。
最大の武器は圧倒的な打撃力。
軽く振るうだけでも相手の攻撃を弾くことが出来、当然全力で振るえば複数の敵を同時に叩き飛ばす事も出来る。どんな相手でも一定の対抗手段を持つことも、かなり大きなポイント。
◯『盾』(フォートシールド)
盾兵を意味する魔術。
使用者はビジットなど。
魔術光は灰色。
霧のように周囲へ漂い、術者の身を覆い隠す。
攻撃力 : B
素早さ : E-
耐久力 : A
器用さ : C
射程距離 : 20メートル前後
最大捕捉 : 0人
フォート(要塞)の名の通り、陣地作成を主な役割とする魔術。
射程距離内にならどこへでも盾を生み出すことが出来、大抵の場合は5・6メートル規模の大盾を生み出して遮蔽物とする。盾には受けた攻撃に対して自動で衝撃を放つ性能があり、盾を貫通しきれず防がれた場合には、強烈なカウンターを受けることになる。現実で言えば反応装甲をほぼ標準装備している感じ。
特徴としては、具現化した武装を破壊された時のフィードバックがかなり小さく、継戦能力が高い点。また盾ごと破壊された場合のカウンターは発動しない。
移動はほぼ歩く程度の速度しか出なくなる。魔術の影響もあって運搬するには相当頑張らないといけない。『槍』が戦場の花型なら、『盾』はお山の大将。戦場を自由に書き換えることの出来る『盾』は、大抵の場合指揮官を務める。
勿論、個人単位を守る手持ちの盾も扱える。
具現化可能な数も比較的多く、初期段階でも二つ、腕次第で十は生み出せる。
カウンター以外に攻撃手段はなく、単独では相手を倒す手段がない。手持ちの盾で殴りつけるくらいは出来るが、『剣』も『弓』も機動力に優れている為ほぼ無理。
他者の魔術光と被る形では盾を生み出すことが出来ず、特に硬い防御の為、広範囲に魔術光をまき散らす『槍』へピンポイントの援護をするのは難しい。より正確で早い未来予測が不可欠。
何の支えもない空中にも、数秒間だけなら盾を固定して具現化することが可能。
『剣』に対しては、相手をただ阻み続けるだけで自滅を誘うことが出来る。かつて速度とフェイントを活かして『盾』を打倒する術者も居たが、極めて稀。一方でそのレベルにもなると、下位能力しか使えなくとも手が付けられない状態になる。
『弓』にはカウンターそのものが届かず、追い付けもしない為、『盾』側が勝利することは難しい。しかし、まず防御を破られることもなく、罠を警戒するならば動かなければいいだけなので、お互いに決着付かず。
『槍』の術者には一撃で盾を砕かれカウンターも発動せず、とほぼ対抗手段が存在しない。移動速度でも劣る上に、射程内へ食い込んできた『槍』の眼前に盾をいくつも配置してカウンターを、なんてことも広範囲の魔術光が邪魔して出来ない。重ねて防御した所で破城槌の一撃でまとめて潰される。
『槍』が射程範囲へ食い込んでくること事態が、『盾』の効果範囲を狭めることに繋がる。
一般的な戦術としては、まず『剣』を斥候に放ち、敵の視界から『槍』を隠しながら接近させる。敵の『槍』を発見したら『弓』で積極的に攻撃を加え、近づけさせないよう罠を設置していく。
設置された罠は『剣』で解除し、進行を援護。他には後方から見ていてどうしても視界が悪くなる『盾』への報告なんかもする。
射撃で敵の『槍』を全て落とせれば、後は昼寝してても終わる。は言い過ぎだけど、ほぼ負けが消える。残るはじっくりゆっくり接近して、こちらの防御を貫通できない敵陣へ『盾』を伴って食い込んでいき、敵の大盾を破壊しながら『剣』と協力して『弓』を狩る。
『槍』と『弓』を失った時点でほぼ勝敗は決する。
と、現在のセオリー展開は概ねこんな具合。
最大の武器は戦場を形成できること。
『槍』という明確な弱点はあるものの、『弓』と連携すれば落とすことは十分に可能。術者としての力量以上に戦場を見極める戦術眼が求められる。
※ ※ ※
以上、基本的な四属性に関する情報です。
より現実的な考え方で勝つことに執着するのなら、まず魔術を使わせる前に奇襲で仕留めるのが一番。そんな訳で女主人みたいな暗殺者が重宝され、その技術や対抗手段なんかも広く発展している。
過去の名だたる英雄も、戦場で散った者より謀殺された者の方が多い、のかもしれない。
これら設定資料は半分くらい趣味で作られたモノであり、物語に対して絶対的な制約を課すものではありません。(本編で書いてないことは変更する可能性あり)




