二人でプリクル MH 予告
……──ねえ、知ってる? 憎しみって甘いのよ。胸が悪くなるほどに──。
平和な魔法の“独裁国家”ル・インセクトリア王国──。
女王・コンチュリアの元、『蛮酷神』ことセミリンティヌスと、おしゃまおばさん垂家救命阿(4X歳)は、戦後処理とテロ鎮圧の為、今日も首都ファーブルで吹き荒れていた。
「あら、ご覧になってセミリン? 陛下に治めるコルァーゲン入り特級茶葉の中に、こぉんなモノが」
「どれどれジュメア……(ペロッ)……むっ、この味は猛毒ダーニ・アス!? 貴様、陛下に毒を盛る気か!?」
「ヒィッ……! と、とんでもねえ! オラ達は本当にただの樹液農家で、陛下にお美しいままで居てもらおうと……!」
「言い訳は無用、続きは虫籠で伺いますわ」
「……だが、我々は慈悲深い。納税を怠らない勤勉な市民を庇う事ぐらいは造作も無いのだが……どうするね?」
「……くそったれ!」
我が世の春を謳歌する日々。二人の息は最高──世は正に暗黒時代。
打倒蛮酷神を果さんとする市民グループのリーダー、賢者ダンゴムは最後の手段に打って出る。
「ごきげんよう、ダンゴムさん。全て理解しているわ。……お二人はどちらに?」
魔都ファーブルで次々と起こるホウ酸テロ、亡国ジャ・アーク・ディスの生き残り・ノーマットの武装蜂起。
鎮圧に乗り出す蛮酷神──季節は晩夏、ひぐらしのなく頃に。
宿命の再会は果たされる。
「お久しぶりね、セミさん。……私の事、覚えているかしら?」
「あ……貴女は……ッ!」
突然の襲来に傷つき、倒れるセミリンティヌス。その手に握りしめられた一通の予告状。
『拝啓 おしゃまおば様 某月某日、貴方の陛下を殺しにゆくわ。無駄だとは思うけど精々戸締りは厳重に。私の手は長く、そして静かに伸びる。 ──“P”』
「……そう、そんなに憎かったのね。貴女も──」
降りしきる雨の中、憎しみの連鎖に心を痛めるジュメア。だが──……。
「セミリンを傷つけたことだけは許しはしないわ。……来なさい“P”とやら。……憎みしみあいましょう」
──今度こそ本物のマジック・アクション!……なの?
──ヒドい奴らが帰ってくる!
──交錯する憎しみ、恩讐の彼方に見るものは!?
劇場版・二人でプリクル! Makkusu Heito
──Kamingu suunn.