Episode 182 1年目の総評
ほんま、なんていうか、堂々と覇者の貫禄を見せつけたって感じ。
正直、それを見て安心してる私がいるのも事実。
決勝競技を見て、選手たちがなにか感じ取ってくれたら幸いかな。なんて思ったりね。
そんなことを思ったまま、初日の競技は全て終了。
さすがに、いつまでいても仕方ないのはわかっていたんだけど、直哉と遊菜が戻ってくるのを待たずに帰るのはさすがに酷いと思い、扇商の面々が全員揃うまで帰るのを待った。
だけど、そこはインターハイ覇者の直哉と遊菜。
みんなが待っているとは知らずに、悪気がないことも分かっているけど、競技と競技の間に行われる表彰式が終わっても中々戻ってこず、リレー競技の表彰式が終わったタイミングで戻ってきた。
とは言いつつも、他の選手たちも、トップ選手の泳ぎを見てなにか参考になってくれたらいいかなって思いで待っていた。
まぁ、朝早くから会場に来て、レースもこなして、やることがなくなった選手の大半は疲れてうたた寝したり爆睡したりしていたけどね。
そして、2日目は距離が50と100が入れ替わっただけ、200のメドレーがフリーリレーになっただけで、あまり代わり映えがないから、この2日目はダイジェストみたいな形になってしまうことを許して欲しい。
まず、200メートルフリーリレーだけど、女子も男子も個人で見れば、いいタイムを残した。とは言いつつも、さすがに、リレーのタイムをベストタイムにするわけにはいかないから、あえて選手たちの前では、自己ベストだよ。とは言わなかった。
そのあとも、半分くらいの選手は、個人レースで自己ベストをたたき出す選手が多く、実りのあるレースになったのかなって勝手に思っている。
そんなこんなで扇原商業高校の25期水泳部はみんないい感じにタイムを残して来年からの活動に弾みをつけることが出来たんじゃないかなって思ったよね。
「この1年。みんながむしゃらやったな。めっちゃタイム伸びてるし、うちも自信になったわ。最初はあんただけ見ることになるんかなって思ってたけど、まさか、遊菜が乱入してメニューについてくるとは思えへんかったわ」
「俺もそこはびっくりしたけどな。やけど、なんていうか、幽霊部員になるつもりやったあいつがあそこまでテンション上げるのはこっちとしてもやる気につながった部分はあるけどな」
「そうやろうね。傍目から見たら、遊菜は獲物を追いかけてるイルカみたいに見えたからな」
「追いかけられてる身からしたら、そんなこと考えてる余裕はなかったけどな。ただ、フォームチェックメニューのときは、めっちゃ落ち着いてるから、そんな感じには見えんかったけど、あいつがベストタイム更新する度にちょっと恐怖は感じたけどな」
やっぱり、前を泳ぐ直哉からは楽しそうに泳ぐ遊菜の姿はあまり気にすることはなかったか。とはいいつつも、上から見ていたら、遊菜が本気で直哉に追いつこうとがむしゃらになっていたのも事実。そこが意外といい結果を産んだのかなって思ったりね。
それに、遊菜が本気を出してくれたから、直哉以外の選手も楽しい雰囲気で部活ができたんだと思うし、愛那との相乗効果で活発で、活気のある部活になったんだと思っている。
これが来年、再来年、私たちが活動できる間にどこまでいい効果が出せるか。直哉と遊菜がインターハイでまた輝ける日が来るのか。正直に言って楽しみしかないのも事実。
これからの扇商水泳部が楽しみだ。
これで美咲たちの1年目が終わりますね。
とんでもない飛躍した1年に美咲は驚いているようですが、これも直哉と遊菜の潜在能力が開花した結果でしょうか。
次話からは2年目のお話に舞台が移ります。
2年目の扇商水泳部。どんな選手が出てきて、どれだけ成長しますでしょうか?楽しみなところです。
(次話の2年目は2015年のデータを参照いたします。1年目同様、現在の記録、データではないのでご了承ください)




