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Episode 176 インターハイに出たいい結果

 そして、愛那が泳いだのは女子2個メのラストヒートだったこともあって、愛那のレースが終わったすぐ後に、またこの種目の上位20人が表示され、そのまま男子の2個メが始まる。

 この男子の2個メには扇商から誰も出ないから、私たちとしては休憩時間に入るかな。

 男子の2個メは12組。一組だいたい3分半くらいと仮定して、1時間近く暇な時間が続くと言う事か。

 まぁ、この間に、遊菜はまたアップに向かうことになるだろうし、ほかのメンバーも戻ってきたり、またアップに行ったりとするだろう。

 まぁ、荷物番として私がいるわけだから、その間に、レースを泳ぎ終わった選手たちがどれくらいのタイムで泳いだか聞きに来るだろうし、居眠りすることはないだろうな。なんて思いつつ、次々に進んでいく男子の2個メ。

 そんな中でひとつ思い出したことがある。そう思いながら、タイムを書きこんだプログラムをペラペラとめくる。

 ……おっと、思ったより、大丈夫じゃん。

 誰かタイムオーバーしているかと心配していたけど、そんな心配はいらなかったみたい。

 誰ひとりとしてタイムオーバーしていなかったことに安堵したし、心配だった香奈ちゃんと俊介、愛那とよっしーの4人がかなり成長したんだ。っていうのも感じた。

 夏の府大会は、何人かタイムオーバーしていたから、かなりヒヤヒヤしていたし、何人かは、レース棄権の打診をしようかと思ったくらい。

 だけど、先輩たちがそれを止めて、タイムオーバーしてもいいんじゃない?みたいな話をして、私は何も言えずで、先輩たちの話に乗っかるしかなく、何も手出しせずにプログラムに選手たちのタイムを書きこんでいっていた。


 それが今回は今のところないから、ものすごく安心しているところはある。


「うぃー、お疲れい」


 そんなことを言いながら戻ってきたのは伊丹くんと鈴坂さん。仲良く帰ってきたのはたまたまだろうと思いつつ、お似合いの2人を出迎える。


「お疲れ。伊丹くんはベスト更新してると思うで。鈴坂さんはもうちょっとやったなって感じやけど」

「そうなんや。夏の努力のたまものってことやろうな。でも、いろいろと言うてくれたから、それもあるんやろうな」

「私はベストまでどれくらいだった?」

「えっとね。ほんまに惜しいくらいやったで。1秒もないくらいたぶん、長水路に慣れてへんから、その分、ペース配分が狂ったんかな。って思ってるで」

「そんなもんか。やっぱり、腕が回らないのも感じたんだよね。キックは元から弱いって言うのはわかっているから、腕が疲れてきたときにキックを打ってスピードを保とうって思っていたけど、うまくいかないね」


 まぁ、一応、自分の中でもレースプランは持っていたんだ。と思いながらも、レースプランを持ってレースに挑んでいたことをほめる。


「ゆなちからいろいろアドバイス貰っていたからね。自分がどうしたいか考えて泳いだらベストも出せるし、楽に泳げるからって」

「遊菜も遊ぶだけやなくなったんやね。ほんま、インターハイを経験してから、自分勝手なところが少し隠れて、お姉さんキャラが少しついたかなって思うよね」

「本当にそれは思ったんだよね。ゆなちがものすごい成長してるわって思ってさ。ビックリしたんだよね」


 でも、インターハイに出たって言うだけでもすごいのに、そこからいろいろ技術を持って帰ってきたっていうのもかなりの功績な気がしている。

 それはもちろん、直哉もそうだし、私も全部のレースを見ていたこともあって、いろいろ技術は吸収したつもり。

 そこからは時間が短ったこともあったけど、各選手に技術は教えたつもり。

 そのおかげとは言いきらないけど、市立大会ではかなりの選手が自己ベストを出していた。


「インターハイに行って変わったんだな。って思ったよね。でも、チームとしてはいいことだよね。いろんなことを教えてくれるのが美咲ちゃんだけじゃなくて、色んな人が増えるっていうことは」

「そうやね。うちはバックは得意やけど、ブレが苦手やったからね。ブレについてはほとんどアドバイスできひんし、専門外のことはからしきやからね。勉強はしてるものの」

「それでも、的確なことを言ってくれるから、スーパーマネージャーって呼ばれるのかもね」


 それもどうかなって思ったりはするけど、まぁ今は嫌な気持ちにはならない。これが他のチームにひそひそ話されているのなら、話は別なんだろうけど。


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