流星群
「ねぇ、知ってる?今日は流星群が見えるんだって!」
「へぇ…」
「…あ!流れ星!」
彼女は手を合わせて願い事をしているようだ。
「…何の願い事したの?」
彼女は満面の笑みでこう言ったっけ。
「あなたとずっとずっと、幸せでいられますように。
ずっとずっと、今の関係でいれますようにってお願いしたの。」
「そっか。」
「ねぇ。1週間後の私の誕生日に、流れ星ほしいな。」
「えぇ!?」
「できたら、の話よ。ね?それに、いつかあなたが私に流れ星を
くれそうな気がするの。だから。」
「あ、ああ…」
「約束ね!」
彼女と指きりしたあの夜から丁度1週間後。
誕生日に彼女は死んだ。
自分の無力さに
自分自身を呪った。
最後に見たものは彼女の安らかな寝顔。
「おはよう」って話しかけたら起きてくれると思って
幾度も
幾度も声をかけた。
声をかければかけるほど
辛くなり
言葉は最後
涙と化して
頬を伝った
ふと
1週間前を思い出した。
『流れ星ほしいな』
ふと
ある事を考えた。
そのまま彼女の葬式場を後にして
無我夢中に走った。
走って 走って 走って…
その先にあったのは…
「ひまわり畑…」
いつだったか、彼女が言っていた。
「今度、ひまわり畑に連れて行ってあげる」と。
彼は
持てるだけのひまわりを持って
彼女の葬式場にもどった。
そして
安らかに眠っている、一生目覚める事のない眠り姫の胸に
たくさんのひまわりをのせた。
彼女が
「ありがとう」
と言ってくれた気がした。
彼女を乗せた車は火葬場へ向かい、そして…燃やされた。
葬儀の夜…
部屋でぼうっとしていると、チャイムが鳴った。
「はーい。」
ガチャ。
「……!」
「あの…私はなぜここにいるんでしょう…
気づいたらここにいて…」
彼女にそっくりだった。
その夜も流れ星は光り続けていました……