第五十七話 上機嫌ですわ!
翌日私達は、王様のいる城に向かった。
手助けすることを伝える為だ。
私たちが城の前に立つと、門番をしている2人が何も言わずに門の中へと通してくれた。
既に私たちのことは聞いているようだ。
その後も案内人が同行してくれ、スムーズに玉座の間の前までたどり着いた。
案内してくれた人が扉を叩き、その後ゆっくりと扉を開けてくれた。
すると部屋の奥に、愛も変わらず偉そうに玉座に座っているナギア王がいた。
「やぁキャットに踏みつけモンスター。待っていたよ」
「いつまで言ってるんですかそれ。ですわ」
「僕様の気が済むまでかな」
やっぱりまだ、根に持ってる様だ。
「まぁ冗談はやめておこう。考えが纏まったからここにきたんだろ?早速だが、君たちの決断を聞かせてくれ」
あたりは静寂に包まれる。
「随分と悩んだのだがな。今回は手助けすることになった。よろしく頼む」
にゃあ吉は平然とそう言い放った。
その言葉に王はとても驚いた顔を見せる。
「本当か?‥協力してくれるのか?」
「だからそう言っているだろう」
王はとても嬉しそうにしながら上を向いた。
「はは‥半ば諦めていたんだ。次はどう動くかも考え始めていた。そうか‥」
そう言って再び私たちの方に顔を向ける。
「感謝するぞ2人とも。詳細はそうだな。もう時期昼間なことだし、食事でもしながら話そうじゃないか」
そう言って王はすぐそこで控えていた、召使の男性に何か指示を出す。
「もう時期下僕君がくる。そいつに案内してもらってくれ。僕様もすぐ行く」
王はとても上機嫌の様子で、無邪気に笑っている。
その後王様ははけていって、ジニアさんがやってきた。
「お待たせいたしました。それでは食堂へ案内いたしますこちらへ」
私達は玉座の間を出て、食堂へと向かう。
「‥ありがとうございます」
向かっている途中、ジニアさんは急に、私たちに感謝を伝えた。
「なんのことですかですわ?」
「王に協力していただけるということで、‥ほんとどう感謝を伝えればいいか」
ジニアさんの声は少し震えていた。
そしてこちらを一向に向こうとはしない。
直接見なくてもわかる。泣いているのだろう。
ジニアさんがそこまで追い詰められているとは思っても見なかった。
あまり王様とも仲が良さそうには見えなかったからだ。
(下僕君呼びやったし‥)
「王はここ最近、先の話ばかりをしていました。自分の代わりになるものの話や今後起こるであろう問題の解決案など、まるでもうすぐ自分が亡くなるかの様な話ばかり‥」
そう言ってジニアさんは鼻を啜る。
「半ば諦めた様子で語る王の姿が、私は見てられなくて‥本当に、本当にありがとうございます」
「本来まだ戦いが終わってすらいないのだから、感謝するには早すぎる気もするが」
泣きながら話すジニアさんににゃあ吉はその様な言葉で返した。
ジニアさんは「すみません」といい、私はにゃあ吉に空気を読めと言おうとしたところで再び話しだした。
「何も責めてなどいない。私が協力する時点で、あいつが助かるのは確定している。だからその本来早すぎる涙も間違ってはいないのだ」
愛も変わらずにゃあ吉はすごい自信だなと感心する。
自分を鼓舞しているのかもしれないが、この力強い言葉にジニアさんも救われるだろう。
私はよく言ったという様に、膝でにゃあ吉を突いた。
その後長い廊下を数分歩いて、私達は食堂にたどり着く。
食堂の天井にはこの城についてから何度も見ている、大きなシャンデリアがつけられており、その光で部屋が輝いて見えている。
部屋の中心には何人座れるのか見当もつかないほどの、長く大きな机と、ものすごい数のとても豪華椅子が並べられていた。
そして机にも、これまた豪華な料理がずらりと並べられている。
絶対こんな量は食べきれないだろうと思いつつも、私は料理を見て、早速口の中によだれが溢れてしまっていた。
王は机の一番奥に座っており、こちらにこいと手で合図をしてくる。
私達は机の右側を歩いて、王の近くに向かう。
わざわざ私たち2人とも右側歩いた理由は、左側には召使や料理人が控えているため、通りにくいからだ。
王に近づいたところで、にゃあ吉は少し離れたところの椅子をひいて、そこに座った。
私はにゃあ吉の隣に座ろうと思ったが、王様にいじられそうな気がしたので、にゃあ吉と王様の間くらいの席に座った。
「おいキャット。もっとこちらにくればいいだろ」
「何故お前とそこまで近づいて飯を食わないといかんのだ」
王は楽しそうに笑っている。
にゃあ吉が協力してくれることがよほど嬉しかったのだろう。
気が張った様子ではなくなっていた。
「それでは集まったことだし早速食事を始めようか。そこの踏みつけモンスターが、今にも飯に飛びついてしまいそうだしね」
「え?!そんなわけないやろ‥ですわ!」
私はよだれを拭き取りながらそう言った。




