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不滅のダンジョンマスター  作者: やみあるい
第二章 迷宮覚醒の章

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幕間.黒牙2(三人称視点)

 次に黒牙の心へ変化を与えたのは、やはりダンジョンへ侵入してきた人間だった。

 人間は灼熱の業火をダンジョン内へ振り撒き、マスターの配下たちを悉く滅ぼしていく。

 黒牙による必殺の一撃も防がれてしまい、黒牙は致命傷を負う。

 だが結局、今回も黒牙は辛うじて生き残ることは出来た。また、マスターも死んでいない。

 しかし、黒牙の心には大きな傷が残った。


 前回、死にかけた時とは違い、今回は全ての記憶が黒牙の内へ鮮明に残っている。

 磨き上げ、工夫に工夫を重ねた必殺の一撃が、通用しない。

 前回はまだ良かった。黒牙の一撃を防いだ相手は、黒牙が意識を取り戻したとき、既に死んでいたからだ。防いだ相手が死んでいるのであれば、もう次が来ることは無い。

 だが今回、黒牙の一撃を防いだ侵入者は、まだ生きている。

 次があった時、黒牙は自身の攻撃が侵入者に通じるとは思えなかった。

 既に一度は防がれている上に、黒牙の攻撃はその性質上、知られてしまえばその威力を一気に削られてしまう。

 このままではいけない。でも、どうすればいいのだろう?

 それは、黒牙の心に初めて迷いが生まれた瞬間であった。


 その後、黒牙はマスターの意向により、ダンジョンの外へ出て魔物を狩り始める。

 目的は魔物が体内に宿す魔力の結晶を集める事と、黒牙自身が強くなること。

 黒牙はその狩りの過程で、様々な戦法を試していた。

 従来通りの隠れた状態からの必殺の一撃や、『闇魔法』を主体とした遠距離戦。そして、『身体強化』を活用して肉体の力を上昇させた状態での正面戦闘。或いは、それらを絡めての戦い方など。自身の戦法の幅を広げるべく、思いつく限りの方法に手を出していった。

 だが、どうしても今一歩、感触が良くない。

 どのような戦い方を試していても、あの炎を操る侵入者の姿がちらついて、敗北をイメージしてしまう。


 そんな時だった。

 マスターから黒牙に新たな命令が下される。

 それはマスターの用意した使者と共に魔狼たちの縄張りへと向かい、魔狼たちと決闘をしろというものだった。

 マスターから聞く決闘の方法は、黒牙がこれまで行ってきた戦い方とはかなり違う。しかも、魔狼の群れには黒牙よりも遥か格上の魔物までいるという。

 一応マスターの予想では、決闘の相手は恐らく黒牙より格下になるだろうとのことだったが、それは今までと比べてかなり異質な命令であり、危険も相応に大きいように感じた。

 自身の戦い方に迷いを抱いていた黒牙は少しの不安を抱えつつも、マスターの命令の通りに魔狼たちの群れへと向かう。




 戦いは黒牙の勝利で終わった。

 黒牙の相手はマスターの予想通り、角を生やした魔狼ホーンウルフ。

 魔物としての格は、確かに黒牙の方が上だ。

 だが、それは決して楽な戦いだった訳では無い。

 総合的な戦闘力で言えば、黒牙が勝っている。速度で翻弄し、魔法で隙を作り、強力な一撃を叩き込む。黒牙の苦手とする正面からの戦いであっても、ただそれだけに徹してれば負ける様なことは無い。

 だが、決着は長引いた。

 問題となったのはホーンウルフの体力と、幾度倒されても起き上がる不屈の精神だ。

 黒牙がマスターから伝えられたことを鑑みて、攻撃に手加減を加えていたというのもあるけれど、それを抜きにしてもホーンウルフは打たれ強かった。

 幾度も幾度も立ち上がり、黒牙の前に立ちはだかる。

 格上である黒牙を相手にどれだけ傷付こうとも、その闘志が衰えることは無かった。

 戦いは長引いていく。


 戦いの中で、黒牙はホーンウルフの背負うものを感じた。

 それは何処か、黒牙の背負うものと似ていた。


 大切な誰かを守ろうという強い意志。

 いつしか黒牙は、ホーンウルフの持つその闘志に魅了されていた。

 ああいう風に戦えるようになりたいと、思う程に。





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