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不滅のダンジョンマスター  作者: やみあるい
第二章 迷宮覚醒の章

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46.ダンジョン拡張と新たな機能

あらすじ


冒険者たちからは多くの情報を得ることが出来た。

未知なるスキルや称号、ギルドという組織のこと、冒険者たちの動向。

彼らで試した魔物の複製を生み出す機能も問題なく稼働した。

ここまでの結果は大成功といえるだろう。

そして最後の最後、“私”は彼らにダンジョンの情報を持ち帰らせる選択をした。

冒険者たちにここが大したことのないダンジョンだと侮ってもらうために。

 一つの分水嶺は過ぎ去った。

 色々と思う所はあるけれど、もうそれについてグダグダと考えていても仕方がない。これからは私の行った選択の先を見据え、改めて準備を始めていかなければならないのだ。こうなってしまえば、次の冒険者が来るのにそう時間はかからないだろうから。

 私は今の自分がすべきことを見定めるため、自分のステータスを改めて確認する。



 名前:――――

 種族:ダンジョンコア

 年齢:15

 カルマ:+5

 ダンジョンLV:2

 DP:1056236

 マスター:無し

 ダンジョン名:名も無き洞窟

 スキル:『不老』『精神的苦痛耐性LV9』『空想空間LV8』『信仰LV7』『地脈親和性LV4』『気配察知LV7』『魔力感知LV8』『伝心LV7』『読心LV7』『記憶LV4』

 称号:【異世界転生者】【□□□□神の加護】【時の呪縛より逃れしモノ】【聖邪の核】【鼠の楽園】【惨劇の跡地】【F級ダンジョン】



 一時期は一日に大体20,000DP程を収集出来ていたが、戦闘部隊だけに魔石集めを任せてからは少し収入が減り、その後、戦闘部隊のゴブリンたちが全員進化を果たしたことで、また少し収入が戻ってきた。その結果、ようやく1,000,000DPを越える程にDPが貯まった。

 ……ん?

 その時、私はDPの数字に違和感を感じた。先ほどより少し、増えている?

 ウルード村同盟という五人組が来る直前に見たものと比べて、どうやら若干DPが増えているようなのだ。増えていると言っても、大体10DP程。何処で増えたのだろう?

 この短時間の出来事で考えられる可能性は、あのウルード村同盟の五人組がダンジョンにやってきた事と、複製された魔物が倒されたことくらい。

 もしかして複製された魔物が死ぬと、DPが増えるのだろうか。ならば、複製された魔物を殺し続ければ、DPが増えていく?

 私は試しに前回倒された後、暫く経って復活した複製ゴブリンを黒牙に倒させてみる。倒された複製ゴブリンは何も残さずに消えてしまった。

 確か、冒険者たちに倒された時は魔石が残ったはずだけど。それにDPも増えていない。

 まあさすがに魔力供給で復活する複製を倒しただけで、DPが増えたりしないか。それではダンジョンにとって都合が良すぎる。だが、だとすると何が関係しているのだろう。

 もしかして、侵入者が複製された魔物を倒したことに意味があったのだろうか。もしくは複製された魔物というよりも、侵入者との戦闘そのものに意味が?

 そう言えば今までダンジョン内で戦闘が起こったことなど殆ど無い。私のファンタジー知識にあるダンジョンと言えば、戦闘の多発地帯のような印象だったのに。

 原因としては、侵入者があまり来なかったというのもあるけれど、何よりダンジョンの手前にゴブ太たちが村を構えていたというのが大きい。

 それでもしいてダンジョン内での戦闘を上げるなら、一番最初にあったのはケーブラットたちの共食いの時だろうか。あまり思い出したくはない記憶だが、確かあれが始まってから中立だったケーブラットたちが侵入者判定になっていた。

 二度目に関してはしっかりと覚えている。ゴブ太と襲撃してきたゴブリンロードの戦いだ。

 そして三度目があの勇者と魔王の残滓による戦い。

 どの時もかなり緊迫していて、他に意識を向ける余裕は無かった。それ故に『記憶』のスキルをもってしても、当時のDPが増えていたかは思い出せない。

 もしやこれまでもダンジョン内で戦闘があった際には、DPが増えていたのだろうか?

 はっきりとはしないけれど、もしこれが侵入者の戦闘による影響であるならば、新しいDPの回収方法になりうるかもしれない。これまでにもあった地脈からの吸収や、アイテムの回収、信仰による収集などと比べれば、正統派のダンジョンらしい方法である。

 増えたのがたったの10DPとはいえ、倒された複製ゴブリンは魔力供給により復活済み。つまりは実質元手ゼロ。

 これから侵入者が増えていけば、戦闘もあちこちで発生するようになるだろう。そうすれば、その度にDPが増えていくようになるのだろうか?

 これについては、もう少し正確な情報を知りたいところだ。どうせこれから冒険者がこのダンジョンにやってくるようになるのだから、そこをちょっと意識してみるのもいいかもしれない。



 さて、改めて私は何から成すべきなのか。

 まず思いつくのは、更なるダンジョンの拡張だ。第二階層を迷宮化して、ゴブリンたちの住処とダンジョンコアを第三階層へと移す。DPはもう貯まっていて、さらに冒険者たちがこれから乗り込んでくるとなれば、それが最良だ。

 そうとなったらまずは確認として、そのまま階層追加をしてみよう。

 前回は階層の追加に条件が必要なようだったが。


 〈未達成の条件があるため、階層の追加に失敗しました。階層を追加するには、現在の最深階層を十部屋以上に拡張してください〉


 思った通り前回と同じ文字が現れた。どうやら階層が深くなっても、条件は変わっていないらしい。ここまでは、予想済み。まずは十部屋を用意して、それからまた試してみよう。

 現在、最小の部屋を一つ作るために必要なDPは20,000DP。

 第二階層の部屋は階段のある部屋が一つ、ゴブリンたちの住む中部屋が一つ、そしてダンジョンコアが安置されている最深部の小部屋が一つの計三つ。残りは七つだ。

 どうせだから元からある部屋はそのままに、第一階層と同じように侵入者を惑わせる道を作りながら部屋を追加していこう。けれど、全く同じ形にだけはならぬよう気を付ける。

 罠は、とりあえず後回しで。今は階層を増やすことだけを意識する。今回も『空想空間』を併用して、一度空想の模型で再現した後に、ダンジョンの拡張へ手を付けていく。ここでも新しく増えた『記憶』のスキルが作用しているようで、何だか空想の模型を維持するのが幾分か楽になったような気がする。細かい空想部分の精度も上がっているようだ。


 ……こんなものだろうか。

 私は出来上がった空想の模型の通りに、ダンジョンを拡張していく。結果、小部屋の作成に140,000DP。通路の作成に400,000DPを使用した。

 これで階層の追加が出来るようになるはずだ。私は改めて、メニューからダンジョン拡張を選択して、階層追加を選ぶ。

 その瞬間、先ほどまでダンジョンコアのあった場所から下に土が掘られていくのを感じ、それが終わるとダンジョンコアが下の階層へと移動した。

 私を通してダンジョン内へと流れる魔力が、また一段と強くなったような気がする。

 階層追加には300,000DPを使ったようだ。残りのDPは216,236DP。現在の状況を考えると、少し心許無い。思った通り、第三階層でもダンジョン拡張に必要なDPが増えている。その差は第一階層から比べて三倍となった。どうやらダンジョン拡張に使う消費DPは、基本となる消費DPから階層数を掛けたDPが必要、で決まりのようだ。



 これで一先ず、ここは全三階層のダンジョンとなった。でも、まだ第二階層は部屋と通路で作った迷路があるだけで、ゴブリンたちの待機部屋となっている中部屋もそのまま。第三階層も階段部屋兼ダンジョンコアの小部屋があるだけだ。今回ゴブリンたちの住処を第三階層へと移動させるのは見合わせて、先に第二階層の整備にDPを消費していこうか。

 ここでもう一度、自身のステータスを確認してみよう。何か変化はあるだろうか?



 名前:――――

 種族:ダンジョンコア

 年齢:15

 カルマ:+5

 ダンジョンLV:3

 DP:216236DP

 マスター:無し

 ダンジョン名:名も無き洞窟

 スキル:『不老』『精神的苦痛耐性LV9』『空想空間LV8』『信仰LV7』『地脈親和性LV4』『気配察知LV7』『魔力感知LV8』『伝心LV7』『読心LV7』『記憶LV3』

 称号:【異世界転生者】【□□□□神の加護】【時の呪縛より逃れしモノ】【聖邪の核】【鼠の楽園】【惨劇の跡地】【F級ダンジョン】



 変化は、あった。ダンジョンLVが3に上がっている。第二階層を作ったときにもこのレベルは上がっていた。もしや、階層と連動しているのだろうか?

 ステータスにはもう、他の変化は特に無い、か。

 次は、メニューの各項目についてだが。何か変化している所はあるだろうか?

 前回、第二階層を追加した時の事を考えると、何かしらの機能が増えている可能性は十分にある。私は一つ一つ丁寧に確認をしていく。その結果、新たな機能を一つ発見した。それと同時にその機能に関する知識が意識に浮かんでくる。今までよりも、もっと鮮明に。


 それはダンジョン内に守護者を設置する機能だ。この守護者の設置機能にも魔物の複製機能と同じくメリットとデメリットがあるようだが、色々と一気に情報が増えたために理解が追いつかない。やはり魔物の複製機能の時と同じく、自分で改めて情報を整理してみよう。


 まず、守護者を設置するこの機能の使い方についてだが、守護者として設置する魔物は、複製のための記録の時と同じく配下から選ぶ事ととなる。選ぶ時の注意点としては、これも複製のための記録と同じでランクの制限があるようだ。

 続いて設置する場所について。場所はダンジョンの中でも次の階層へと進むための階段がある部屋にのみ設置することが出来る。そしてそこに守護者を設置すると、なんと侵入者がその守護者を倒さない限り、次の階層へ続く階段を利用できなくなるようだ。

 次はその効果について。守護者として設置した魔物は、通常よりも多くの魔力供給を必要とする代わりに、その力が全体的に強化されるようだ。強化の幅は数倍にも及び、魔物のランクで言うと一つ上のランクまで相手に出来るようになる。

 ランクで思い出すことと言えば、かつてゴブ太とゴブ太の集落を襲ったゴブリンロードとの戦いだ。あの時は一つ上のランクであるゴブリンロードに対して、ゴブ太は手も足も出なかった。結果的に様々な好条件が重なった状態で私の祝福を受け、戦力を限界まで強化したゴブ太がギリギリで格上のゴブリンロードに勝利したものの、ランクの差とはそれほどの違いを持つ。言ってしまえばあの時の祝福の強化版を常時受けられるのが、守護者となったものに与えられる強化と言えるだろう。

 さらに設置された守護者は複製された魔物と同じく、たとえ侵入者に倒されたとしても、一定時間で蘇生するという破格の性能をも有していた。

 この力が自在に振るえるのであれば、病魔の森を開拓する人間たちに直接戦闘を仕掛けても良いくらいだ。だが、それはこの機能の最大のデメリットにより、不可能となっている。

 最大のデメリット、それは守護者として設置した魔物は、次の階層へ続く階段のある部屋から外に出ることが出来なくなるというものだ。その行動範囲は複製された魔物の行動範囲である階層内よりもさらに狭い。これではもはや、ダンジョンの最奥を目指す侵入者を待ち受けて戦う以外に、戦闘を行えなくなってしまう。一応、複製された魔物のように、成長をしなくなるというようなことは無いようだが、戦闘経験を得る機会は激減する。

 おまけに守護者は次の階層へ続く階段を守る者だ。簡単にやられてしまっては、たとえその後で蘇生するとはいえ、私の危険に直結する。つまり守護者に指定する魔物は、複製のための記録の時と同じく、最初からそれなりの強さを持っている必要があるのだ。


 さて、ここからは誰を第一階層の守護者に選ぶかだが。

 一応第二階層も整えたとはいえ、出来るなら第一階層で侵入者を留めたいところ。ならば、このダンジョン最強の刺客を置くべきなのだろう。ところが、ダンジョン最強の戦力である黒牙は、ランク制限に引っかかって設置できない。そもそも戦闘スタイル的にも、黒牙は自由に動かせるようにしておくべきだ。よって、必然的にゴブリン部隊から選ぶこととなる。

 とはいえ、他にもゴブリン部隊から選ぶメリットはあった。それがランク制限に付随する緩和措置だ。守護者に対するランク制限は、複製のための記録と同じく階層の深さによってより強い魔物を置けるようになっていくのだが、それ以外にも制限を緩める方法があった。それが、その階層に記録した魔物の種族と、守護者の種族が同系列だと守護者のランク制限が緩和されるというものだ。

 第一階層に記録した魔物は、今のところゴブリンとゴブリンファイターのみ。つまりゴブリン系統の種族であれば、守護者のランク制限が緩和できる。

 これにより第一階層に置けるゴブリン系統の魔物のランクは、現状でEランクまで緩和された。Eランクの魔物であれば、探索部隊や総合部隊から引っ張ってくることも出来る。

 さすがにこれから育てるのは、時間的に難しかったのでこれは嬉しい。


 さて、守護者の設置はそれほど時間のかかる作業では無いので、ギリギリまで考える時間はある。現状でまだ進化を果たしていないゴブリンたちの中から守護者候補を幾つか探して、彼らには守護者となる事を念頭に置かせた特訓をして貰おうか。

 リミットは冒険者たちがこのダンジョンへやってくるまでだ。



 〈スキルの習熟度が一定値に達しました。スキル『地脈親和性』のレベルが4から5へ上がりました〉


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