幕間.ゴゥグウ先生と学ぶ魔法スキル
幕間その二、魔法について。
ああ、魔法が使いたい!
ゴゥグウはゴブリンシャーマンと呼ばれる種族で、黒牙やゴブ子と同じように魔法が使える。そして『鑑定』のお蔭か、この世界のスキルに関する知識もなかなかに豊富だ。もしかして私に魔法の使い方を教えてくれるのでは? と思い、ある日聞いてみた。
結論から言うと、「自分には無理」だそうだ。悲しい。
ただ、代わりという訳でもないが魔法について教えて貰うことができた。
例えば、ゴゥグウの持つスキル『火魔法』は魔力を火という現象に変換するためのスキルだ。つまり魔力を利用して火を生み出すことが出来る。しかし、このスキルだけでは、生み出した火を自在に操ることは出来ない。
これを操るのに必要となってくるのが『魔力感知』と『魔力操作』だ。
『魔力感知』によって魔力を認識し、それを『魔力操作』によって操る。魔力から変換された現象は、暫くの間は自身の魔力として操ることが出来るので、魔法で生み出した現象は好きなように操ることが出来る。
ちなみに『魔力感知』や『魔力操作』は魔法系のスキルを使い続けると、自然と覚えることが出来るようだ。私のように『魔力感知』を先に習得するというのは、割と例外的なものなのかもしれない。
この辺りの話は黒牙やゴブ子にも聞いたことはあるのだが、二匹とも非常に感覚的な使い方をしているらしく、聞いてみてもいまいちよく分からなかった。そこのところをゴゥグウに聞いてみた所、他の魔物たちも大抵はあまり深く考えず、本能の赴くままに使っているそうだ。そもそもスキルに関しても感覚的に何となく出来るという意識がある程度で、それがどんなスキルによるものかとかはあまり知らないらしい。
魔物というのは大体そんな感じなのだが、ゴゥグウは昔から妙なところが気になって色々と調べることが多く、それ故に【知者】の称号が付き、『鑑定』を覚えたそうだ。
それはともかく。
まあつまり、魔法とは魔力を現象に変換するための魔法スキルを覚えていることが前提の技能なのだ。それを覚えた方法に関しても進化して覚えたというものだし、私には試すことは出来そうにない。
とても残念だ。なのでせめて、さらに魔法に関する情報を収集することとする。
魔法スキルにはそれぞれ属性が設定されており、それに即した現象へ魔力を変換することが出来る。属性はそれぞれ、火、風、土、水、灯、影の六つ。
その中でも灯と影はあまり見かけないらしい。大量にいた襲撃ゴブリンたちの中でも、その二つを持っていたのはごくわずかだったそうだ。
ちなみに灯は魔力を光に変える魔法で、影は魔力を闇に変える魔法だ。ただ、それ自体に攻撃力は無いので、他の四つに比べると襲撃ゴブリンたちの間ではあまり重宝はされていなかったらしい。まあ彼らは分かりやすい強さこそ至上って感じだったしな。
さて、ではそれらに入らないゴブ子の『神聖魔法』はどういう位置づけなのだろうか?
ゴゥグウによると、『神聖魔法』は神聖属性というよりも、ギフトスキルに近いものらしい。
ギフトスキルと言えば、高位の存在から与えられる力だったか。
ゴゥグウの『鑑定』によれば、『神聖魔法』は魔力を対価として高位存在から力を借り受ける魔法なのだとか。それは確かに現象に直接変換する属性魔法とはちょっと違うな。
という訳で、ゴゥグウは『神聖魔法』を属性魔法とは別の魔法として位置づけたそうだ。
とはいえ、ゴゥグウが『神聖魔法』の存在を知ったのは、こちらの集落に来てゴブ子と出会った時なので、まだまだ探求の余地はあるそうだが。




