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不滅のダンジョンマスター  作者: やみあるい
第四章 迷宮再始動の章

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104.DPを稼ぐ

あらすじ


ダンジョンコアの機能の一つ宝図鑑の中にトレントの種を見つけたことで、私は勇王国によって切り開かれた道への対処を決める。

トレントの種はその種類によって、育つ速度が変わるようだ。遅いものは数年、早いものだと数か月ほどで成木となるらしい。

私はそれらを植えていくことで、切り開かれた道を消していくことにする。私はトレントの種を召喚すると、それを森から呼び戻したケーブラットたちへと託して送り出した。




 最近、ご近所さんとなった魔鹿たちの群れ。その群れをまとめ上げるリーダーは三体のBランクの魔鹿たちだが、その中でも特に群れをまとめる頭脳の役割を担っているのがクリスタルホーンディアーだ。最近の私は、そんなクリスタルホーンディアーと雑談などに興じていたりする。

 育った世界も、種族も、環境も全く違うというのに、年齢が少し近いせいだろうか、クリスタルホーンディアーとは妙に話が合うのだ。雑談に付き合ってくれているクリスタルホーンディアーも、もしかしたら同じ感覚なのでは無いのだろうか?

 とはいえ、雑談はあくまで雑談。話すのは取り留めもない話ばかりで、私もクリスタルホーンディアーも、あまり自分自身のことについては触れることは無い。まあ、気が合うとはいえ、あくまで私たちはただのお隣さんというだけであり、仲間という訳では無いのだから、当然のことだろう。けれど、そんな雑談の中でも、察せられることは幾つかあった。

 どうやらクリスタルホーンディアーは他の魔鹿たちとは違い、以前は病魔の森の外で暮らしていたことがあったようだ。しかし、何かしらの危機に瀕して、病魔の森に逃げ込んできたらしい。その為、他の魔鹿たちと比べると、進化の方向性が幾分か違うようだ。クリスタルホーンディアーが昔住んでいた場所は、ゴツゴツとした岩場だったらしく、それ故にあのような進化を辿ったらしい。

 どうやら魔物の進化には、環境という要因が強く関係しているようだ。まあ、ケーブラットなんて、まさにそうだろう。そのまま洞窟鼠だからな。だとしたら、病魔の森という環境でベビーラットを進化させたら、森に適した種へと進化するのだろうか?

 またいつか、試してみることにしよう。



 さて、それはともかく。以前、召喚した二体の配下たちは、今も病魔の森の中で順調に狩りを続けている。さすがはCランクのジェットボアとストロングベアだ。召喚してから一ヶ月ほどで、ちょっとは安心できるレベルにまで成長した。

 四天王候補の第一段階としてはまずまずの成果だ。そんな成果を出してくれたこの二体には、さらなる成長を願って名前を送ろうと思う。

 ジェットボアの名は……猪丸。ストロングべアは……よし、熊吉にしよう。ちょっと古臭いだろうか? でも、私なりに結構考えてつけた結果だ。まあ、彼らは喜んでいるようだし、問題は無いだろう。

 名前を付けた瞬間、彼らのステータスに変化が訪れる。


 名前:猪丸

 種族:ジェットボア ランク:C

 年齢:0

 カルマ:±0

 LV:17/60

 スキル:『嗅覚LV3』『爪牙術LV3』『突進LV3』『森歩きLV3』『気配察知LV3』『体術LV2』

 称号:【――――の眷属】


 名前:熊吉

 種族:ストロングベア ランク:C

 年齢:0

 カルマ:±0

 LV:15/60

 スキル:『嗅覚LV3』『体術LV3』『怪力LV3』『森歩きLV3』『気配察知LV2』

 称号:【――――の眷属】


 これできっと、さらに強くなってくれることだろう。

 ただ、未だDPの回収に関しては芳しくない。ジェットボアとストロングベアは何匹もの魔物を狩っているし、付き添いのゴブリンたちはしっかりとその魔石を回収してきてくれるけれど、それらはFランクやEランクの魔物の魔石ばかりで、その全てを吸収しても増えるDPは微々たる量だ。

 毎日狩りに向かっても、貯まったのは一ヶ月でようやく一万DPほど。このままだと二体の召喚に使ったDPを全て回収しきるには、一体どれだけの時間がかかることか。名前を付けたことが後押しとなり、二体の成長に比例して回収できるDPの量も増え続けてくれるのであれば、全く問題は無いのだけれど。それを信じて頼り切るのは、さすがに楽観が過ぎるだろう。

 そこで私はこれを機に、新たなDPの回収方法を模索してみることにした。


 ダンジョンコアに附属している様々な機能を使用するうえで、必要となるDP。これを回収する方法は大きく分けて三つ。地脈から得る方法、アイテムや魔物の魔石を吸収する方法。そして、ダンジョンで戦う冒険者からDPを回収する方法。

 今回は三つ目の方法、ダンジョンで戦う冒険者からDPを回収する方法を試してみようと思う。ただ、これをそのまま行う訳では無い。

 私はこれまで、この方法で人間の冒険者からDPを回収していたが、これは別に人間限定の回収方法という訳では無い。ただ、最初にこの方法でDPを回収できることに気が付いたのが人間の冒険者からだったせいで、私は何となくこれを人間からDPを回収する方法と認識していた。しかし、元人間とはいえ、今は魔王となったレティシアからもDPは回収できていたのだから、魔物からだって回収は出来るはずなのだ。もしも、この方法で病魔の森の魔物からDPを回収できるとしたら、今よりもずっと効率的にDPを回収し続けることが出来るようになるかもしれない。

 ただ、この方法にはまだ、少しわかっていない部分があった。その為、先にそちらの確認から行ってしまおう。


 以前、私は黒牙に複製体を倒させてみたことがある。その時はDPが増えることは無かった。その後も色々と試してみた結果、どうやら私の味方が複製体を倒してもDPが増えることは無いということが分かったのである。

 ダンジョンコアの機能の一つにダンジョンマップという機能があった。このダンジョンマップでは、ダンジョンの施設が白、味方が青、敵が赤で、中立が黄色として表示されている。複製体を倒してもDPが増えないのは、青で表示される味方だ。逆に複製体を倒してDPが増えるのは、赤で表示される敵。ならば、黄色で表示される中立はどうなるのだろう?

 結論から言うと、どうやら黄色で表示される中立の魔物たちがダンジョン内で複製体を倒したら、一応DPは回収できるようだ。ただし、回収できたのは一DPだけ。どれだけ強い魔物であっても、中立の場合は一DPのみのようだ。

 これは最近、お隣さんとなったクリスタルホーンディアーに相談したところ、何度か検証を手伝ってもらったことで判明した。味方に倒された場合と比べれば、一DPだけでも回収できるだけ悪くはない。ただ、一匹の複製体を倒して一DPというので稼ごうとしたら、復活するたびに全滅させることを延々と続けなければならないだろう。ただのお隣さんにそこまで手伝ってもらう訳にはいかない。そもそも、今回は魔鹿たちに少し無理を言って手伝ってもらった為、これを毎回というのはまず無理だろう。

 そんなわけで、ここからがいよいよ、今回の本命。病魔の森に生息する魔物たちをダンジョンで複製体と戦わせてDPを稼ぐ方法について、考えていく。



 以前、旅の魔物にダンジョンの印象を聞いた時、その魔物たちはダンジョンのことを修練の場とか、稼ぐための場所と答えていた。あとは、仕官の場というのもあったか。まあ、仕官というのは、あくまで私が『読心』で読んだ魔物の思考から想像した言葉だから、正確には微妙に違っていたりもするのだけれど。

 それが一般的な魔物たちの認識なのだとしたら、魔物たちにとってダンジョンとは有益な場所のはずだ。では何故、私のダンジョンには病魔の森の魔物がやってこないのか?

 昔はダンジョンの周辺に私のコアの核となっている大魔王の魔力が満ちていたことで、魔物たちはダンジョンまで近づいてこなかった。しかし、その魔力は色々あって、既にその残滓すら残ってはいない。実際、魔力が薄れるにつれて、ダンジョン周辺の森にまでやってくる魔物たちが増えていた。

 だが、最近はまた、ダンジョン周辺に住まう魔物の気配が減っている。その理由として心当たりは、幾つか思い浮かんだ。


 この場はつい最近まで多くの人間たちによって、かなり騒がしい状況だった。そのせいで、警戒した魔物たちが近づいてこないのだろうか? いや、少なくともこの病魔の森の中において、これは理由にはならないだろう。この程度の争いは病魔の森の中で幾度かあったし、既に争いは終結しており、人間たちも居なくなった。この状況で、それが尾を引いているとは思えない。だから、これは違う。

 魔物たちが忌避するのは、やはり自分よりも強い魔力だ。だとすると、考えられるのは魔鹿の魔力か? Bランクの魔鹿たちは現在、ダンジョンの近くに縄張りを持っている。しかし、縄張りを示す魔鹿たちの魔力はクリスタルホーンディアーが生み出した岩場という狭い範囲内にのみまとまっており、ダンジョンの入り口辺りまでは届いていない。

 ならば、魔鹿たちよりも強い、ここで死んだガルセコルトの魔力が残っている? いや、魔力の強さで言うのなら、もっと恐ろしい存在がいた。魔王レティシアだ。

 大魔王の残した魔力の残滓ほどではないにしても、魔王は帰りがけに殺意の籠った魔力を盛大に周囲へ振り撒いていった。恐らく、アレの影響が強いのだろう。

 それが原因だとしたら、少し厄介だな。さすがに大魔王の魔力ほど、この地に長く停滞することは無いだろうけれど、どれだけこの状況が続くかわからない。下手したらこの先、数年から数十年は弱い魔物は近づきにくい場所のままだ。

 しかし、幸いなことに私はこの状況を解決する方法を知っている。


 魔物たちは強い相手の発する魔力に敏感だ。だからこそ、その魔力が満ちる高位魔物の縄張りには、魔物たちはあまり近づこうとしない。だが、一度その魔力に慣れてしまうと、逆に魔物は鈍感になってしまう。その魔力が周囲へ満ちていることに気が付けないほどに。実際、ダンジョン周辺に大魔王の魔力が満ちていた頃、それでも一体の魔物がダンジョンへ近づいてきたことがあった。その魔物は自身の住んでいた集落を凶暴な魔物に滅ぼされ、必死で逃げている最中だった為、大魔王の魔力に気が付けなかったようだ。

 今回はこれを利用しようと思う。つまり、強い魔物を使って、弱い魔物をダンジョンへと追い込むのだ。一度でもダンジョンへ追い込んでしまえば、その魔物は魔王の魔力に慣れ、うまくすればダンジョンへ近づく忌避感はなくなるかもしれない。


 そこで、ジェットボアの猪丸とストロングベアの熊吉の出番だ。この二体に、ダンジョンの周辺にいる魔物たちをダンジョンへと追い込んでもらう。そうして、無理やりにでもダンジョンを体験してもらうのだ。その後、暫くダンジョンを彷徨わせれば、きっと魔王の魔力にも慣れてくるだろう。そうなったところで、魔物をダンジョンから脱出させる。

 この作戦の重要なところは、ここからだ。

 これを幾度も行って、魔物たちに魔王の振り撒いた魔力へ慣れてもらうと共に、ダンジョンを体験してもらう。そうやって、ダンジョン周辺の魔力に慣れた魔物が増えていけば、それを見た他の魔物も何れはそこに危険が無いと気付くかもしれない。

 あわよくば、そんなダンジョンを体験した魔物たちの中に、ダンジョンを気に入ってくれる魔物がいる可能性もある。

 そうなったなら儲けものだ。ダンジョンへ繰り返しやってくる魔物が出来れば、それは確実なDPへと変わる。

 とはいえ、今はまだそれらは全て机上の空論。実際にやってみなければ、それらがうまくいくかは分からない。だから、とりあえずはやってみよう。


 私が猪丸と熊吉に『伝心』で作戦を伝えると、二体は早速とばかりにダンジョンから出ていった。














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― 新着の感想 ―
先日、とあるスコッパーの方の記事でこちらの小説が紹介されていたので、興味深く読ませて頂いています。 エピソード123で気になった点がひとつ。 熊吉のスキル構成が スキル:『嗅覚LV3』『体術LV3』…
[一言] この小説かなり気に入ってますので、書籍化や漫画書いて貰えるん人が現れたら嬉しいです。毎日楽しみに読んでます。更新楽しみにしてます。
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