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不滅のダンジョンマスター  作者: やみあるい
第四章 迷宮再始動の章

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102.四天王候補

あらすじ


この世界にやってきて十七年目の日、私はいよいよ動き出す。これからの目標は、安定した力を身に着けること。

まずはDPを集めたいが、冒険者がダンジョンへやってこない。だから、以前の魔物を狩って吸収する集め方に戻すことにする。しかし、最近様子のおかしい黒牙には頼れない。

そこで、黒牙以外の配下を育てることを決意。目指すは圧倒的な個の力。

その他、色々な条件を加味した結果、まず召喚する魔物をCランクの魔獣系統に決めた。




 召喚する魔物のランクはCランク。系統は魔獣系統と決めた。それを踏まえて魔物図鑑の中から選び出したのは魔鼠、魔狼、魔鹿、魔熊、魔猪の五種。ここから最終的に召喚する魔物を選んでいく。


 最初に候補として上がったのは、現在の黒牙の進化前でもあるCランクの魔鼠アサシンラット。以前、黒牙から相談を受けた際には、どんな進化でも受け入れると伝えたし、今の黒牙の強さに不満がある訳では無いけれど、今の黒牙が無くしてしまったアサシンラットの隠密能力は、今も非常に魅力的だ。出来る事なら、そちらへの進化も確認してみたいというのもある。

 けれど、先にも考えていた通り、いきなり召喚する魔物を一体に絞るのは怖い。召喚されたばかりの魔物はレベルが一でスキルもその種族が本来持つスキルを最低限、取得しているだけの状態だからだ。その為、まずは何体か召喚して、単独で行動をさせ、それぞれに強さを磨いてもらう。出来る事なら、そうして出来た強力な個体を三、四体は手元に残しておきたい。

 最終的に私が思い描くイメージとしては最強の四天王とかだろうか。

 ふむ、目指すはそこだな。


 そんなわけで、消費DPが高すぎるアサシンラットは保留。無しでは無く、あくまで保留だ。DPの回収量が増えて、残りDPに余裕が出て来たら、その時に召喚してみよう。アサシン部隊とかも作りたい。と、それはともかく。今は召喚する魔物を決めなくては。

 魔鼠は無しとして、あとに残るのは魔狼、魔鹿、魔熊、魔猪の四種。現在の残りDPは大よそ百二十万DP程なので、召喚する数はやはり二体が妥当か。Cランクの魔物が二体いれば、さすがに召喚されたばかりでも、どちらかは確実に生きて帰ってくるだろう。よっぽどの事態に陥らない限りは。


 魔狼ホーンウルフ、魔鹿ビッグホーンディアー、魔熊ストロングベア、魔猪ジェットボア。

 この中で、次に候補から消えるのは、ビッグホーンディアーだろう。魔鹿の群れの印象もあるけれど、消費DP的に考えても他と比べ、明らかに弱い。

 残るは、魔狼、魔熊、魔猪の三種だ。

 この中で実際に私が知っているのは、魔狼ホーンウルフのみ。ホーンウルフは魔狼たちの群れで、ガルセコルトの代理として群れを任されていた魔狼だ。なんやかんやあって、実際に戦っていたところを私が確認した訳では無いけれど、複製体の魔狼を的確な指示で操っていたことは知っているし、何よりもその強さは一対一で正面から戦った黒牙に聞いている。

 私の認識内では、群れを率いる能力と知能の高さが目立っていたが、総合的な戦闘力も相応に高いそうだ。

 ただ、魔物図鑑に載っていた説明文でも書かれていた通り、やはりその真価を発揮するのは群れを率いた時だろう。そうすると、ちょっと今回の狙いからはズレてくる。よって、魔狼ホーンウルフも候補から外そう。


 こうして、魔熊ストロングベアと魔猪ジェットボアの二種が残った。何だかんだで消去法になってしまったけど、案外、悪くない選択肢なのではないだろうか。

 一応最後に、魔物図鑑へ記された説明文も確認しておこう。


 種族:ストロングベア ランク:C スキル:『嗅覚』『体術』『怪力』

 魔獣族魔熊系の上位種ストロングベア。『怪力』を生かした戦い方を得意とする。その反面、動きは他の魔物に比べて遅いが、それを補って余りある力を持つ。その力の強さは同格の魔物たちの中でも上位に位置し、その攻撃をまともに受ければ格上の相手とて致命傷は免れないだろう。


 種族:ジェットボア ランク:C スキル:『嗅覚』『爪牙術』『突進』

 魔獣族魔猪系の上位種ジェットボア。その身体は分厚く硬い毛皮に覆われており、前方に生えた二本の牙は太く非常に頑丈。ただ、ジェットボアの真価はそこでは無い。その発達した速度から繰り出される突撃は、目の前に立ちふさがるあらゆる障害を吹き飛ばしていく。


 どちらもなかなかに頼もしそうだ。

 そんなわけで、召喚する魔物はストロングベアとジェットボアに決定しよう。

 魔猪は前に一度、Dランクのパワーボアを召喚したことがあるけれど、魔熊に関しては完全に初めての召喚だ。ちょっとワクワクしている。

 そんなわけで、召喚っ!


 〈ダンジョン内にストロングベアLV1を召喚しました〉

 〈ダンジョン内にジェットボアLV1を召喚しました〉


 ダンジョン内に二体の魔物が召喚された。早速、召喚したばかりの二体のステータスを確認する。



 名前:――――

 種族:ストロングベア ランク:C

 年齢:0

 カルマ:±0

 LV:1/60

 スキル:『嗅覚LV1』『体術LV1』『怪力LV1』

 称号:【――――の配下】


 名前:――――

 種族:ジェットボア ランク:C

 年齢:0

 カルマ:±0

 LV:1/60

 スキル:『嗅覚LV1』『爪牙術LV1』『突進LV1』

 称号:【――――の配下】



 召喚されたばかりとあって、二体ともレベルは一だし、スキル欄はランクの割に少し寂しい。しかし、『気配察知』や『魔力感知』で感じ取れる力は、既になかなかのものだ。これなら病魔の森に送り出すのも、安心かな。


 ただ、召喚された二体を観察していて、少し問題を発見してしまった。

 たとえ獲物を狩れたとしても、この二体ではそれを全て持ち帰ってくるというのは難しい。一体くらいなら、引き摺って持ち帰ることも出来るだろうが、それではあまりにも非効率的だろう。そこで、この二体にはダンジョンに住まうゴブリンたちを二体ずつ補助としてつけることにする。

 ひ弱なFランクのゴブリンを二体つけた程度では、運搬能力がそれほど高まることは無いけれど、ゴブリンたちは手先が器用だ。だから、すぐに魔物の解体方法を学習してくれるだろう。そして、解体が出来るようになれば、魔物の亡骸から魔石を抜き出すことも可能となる。


 魔石。

 それは、魔物の体内に存在する魔力を結晶化したような器官だ。これは私が吸収する際に、魔物の亡骸の中で最も多くのDPに変換できる。その為、DPを回収するというのが目的なら、最悪、これだけでも持ち帰ってくれればよいのだ。

 まあ、最初はゴブリンたちも解体に手こずるだろうし、何よりこの二体がどれだけの数の戦闘を行えるか分からない。この辺りに生息する魔物は大抵がEランクやDランクなので、一つ二つの魔石を回収してくる程度では、この二体を召喚するのに消費したDPを回収するだけでも大分かかってしまうだろう。

 けれど、今はまず軌道に乗せることが肝心だ。DPの回収が遅れたとしても、単体での戦いに慣れてもらいたい。その為、一先ず彼らには、生き残ることを最優先として、ダンジョンの周辺で野生の魔物たちを狩ってもらう。


 さて、ダンジョン周辺に広げた私の『気配察知』には現在、七匹の魔物の気配が感じられる。そこで私は、その情報を新たに召喚した二体の配下たちに共有し、獲物を振り分けていく。すると、二体から了承の意思が返ってきた後、それぞれに動き出した。


 まず動き出したのは、ジェットボアだ。

 ジェットボアはダンジョンから出た後、一瞬で加速すると最短の距離で魔物の気配に向かっていった。そうしてあっという間に獲物と接敵したジェットボアはその速度のまま、魔物の気配に突撃する。

 感じていた気配からして、相手はEランク程度の魔物。種族は四足歩行の魔獣系統かな。

 相手の魔物は、ジェットボアの突撃を避けられず激突すると、近くの木の幹にぶち当たり、そのまま気配が消えていく。さすがにランク差もあって、一撃だったようである。

 それにしても、魔物図鑑の説明文で知ってはいたけど、素晴らしい速さだ。でも、これだとお供につけたゴブリンたちが付いていけない。

 ジェットボアには魔物の近くまではゆっくり進んでもらうか、もしくはゴブリンたちをその背に乗せて移動して貰おう。

『伝心』でその事を三体に伝えると、早速、試してみることになったようだ。ジェットボアがその場で座り込み、ゴブリンたちがその背に乗った。

 さすがにジェットボアが最高速を出すとゴブリンたちでは耐えられないようだが、速度をある程度抑えれば、問題無くゴブリンたちを乗せたまま走れそうだ。

 それを確認し終わると、ゴブリンたちがジェットボアの倒した魔物の解体を始めた。やはり、どれだけ手先が器用と言っても、スキルがまだ無い以上、それなりに時間は掛かりそう。これなら、ジェットボアには先に、次の獲物を狩りに行ってもらった方が良いかな。

 なんにせよ、こちらは順調に進んでいるようだ。


 一方でストロングベアの方はというと、のっしのっしと歩く速度で、獲物の元へと向かっていく。魔物図鑑の説明文にあった通り、その動きはかなりゆったりとしている。同時に召喚したジェットボアと比べてしまえば尚更だ。なにせ、ジェットボアが二体目の獲物に辿り着く頃、ようやくストロングベアが最初の獲物に辿り着いたくらいだから。

 ストロングベアの向かう先にいるのは、恐らくDランクの魔蟲系統。ランクはストロングベアの方が上だけど、種族やレベル、スキル次第では負ける可能性も十分にある。

 魔物まである程度近づいたストロングベアは、そこから一気に速度を上げ、魔物へと跳びかかった。そうして前足で魔物の身体を抑え込み、腕力で絞め殺す。襲われた魔物からは、あっという間に気配が消えた。それを見届けたゴブリンたちが後からやってきて、潰れた魔物から魔石を回収していく。

 どうやら、ストロングベアは種族としての力もさることながら、そこに『怪力』という力を強めるスキルが合わさることで、恐ろしい怪力が実現しているようだ。あの攻撃力があれば、そこらの魔物など殆ど一撃で倒すことが出来るだろう。

 気になるのはその速さだが、獲物に襲い掛かる一瞬の速度は、そこまで遅いという印象は無い。Cランクの中では遅いのかもしれないが、それ以下のランクが相手であれば、十分に通用しそうだ。いつもその速度を出していないのは、持久力の問題だろうか?

 まあなんにせよ、頼もしい限りである。

 こちらは歩調も合っているようだし、問題は無さそうだ。


 再び、ジェットボアに意識を移すと、最初の獲物から魔石を回収したゴブリンたちを、次に倒した獲物の下まで背中に乗せて運んでいる最中のようだった。一応、ジェットボアは速度を抑えているようだが、上に乗っているゴブリンたちは振り落とされないよう、必死でその背に掴まっている。かなり苦しそうだ。これは、しっかりと掴まれるように、鞍のようなものを作った方が良さそう。

 とはいえ、まあこちらも順調ということで、一応。


 そのまま二体はそれぞれのペースでダンジョン付近にいた七匹の魔物を狩ると、抜き取ってきた魔石をダンジョンに持ち帰ったのち、さらなる魔物を求めて、病魔の森に分け入っていった。


 一応事前に、病魔の森の中にある危険な縄張りの場所は、分かっている範囲で伝えてある。今の病魔の森で縄張りを築いている危険な魔物たちは、基本的に縄張りから動けないような魔物ばかりなので、不用意に縄張りへ踏み込まなければ、Bランクの魔物に襲われることは無いだろう。しかし、危険はそれだけでは無い。同ランクの魔物が相手となれば、十分に脅威となるし、弱い魔物でも集団に襲われたら、負ける可能性はある。

 レベルがある程度上がるまで心配は尽きないけれど、そこはもう気にしても仕方が無い。


 さあ、これであとは、彼らの頑張りに期待しよう。










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