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AとK  作者: 東久保 亜鈴
24/29

Kの巻(その八①)

一人前の女優になるためと薫に持ち込まれた仕事は子供向け戦隊もの。

演技力を身に着けるためと役柄は脇役で、顔をお面ですっぽり覆うスーツアクターだった。

それでも勉強になるからと前向きで努力する薫。

裕樹は仕事に慣れ、今までと違った世界にのめり込んでいき、薫から距離を置き始める。


一美(ひとみ)は不機嫌だった。

「なによ。

 あの監督の推薦だから、テレビドラマだって言うから期待したのに。

 お子ちゃま向けの戦隊シリーズですって?!

 しかも、脇役。

 なんて言ったっけ、なんとか星の何とか姫!」

「ピカピカ星のアカルイナ姫」

薫がボソッと答える。

「そう。

 そのピカピカ星を悪人に追われて地球に逃げてきた悲劇のヒロイン。

 そこまでならいいわよ」

「…」

「なんでスーツアクターなの!!

 昆虫みたいなお面を被って、顔なんて少しも見えないじゃない!

 薫、この話断ってもいいからね。

 ね、裕樹くん!」

「あ?

 う、うん。

 でも、やるやらないは、薫ちゃんに任せてあるんだ」

ちらりと薫の方を見る。

薫は心ここにあらずで何か考えているようだった。


数日前。

浅倉に用事があり二人が練習している劇団に、映画監督の大黒宜輝が顔を出す。

大黒は最初に薫の女優としての素質に興味を持った監督で、その日はテレビドラマの話を持ってきたのだった。

その大話とは新しく始まる戦隊ものの出演の打診だった。

「え?

 ピカレンジャー?」

「ピンクとかイエローの役ですか?」

「いや、違う。

 ヒロインの方だ」

「え?」

二人は顔を見合わせる。


「まっ!

 任せるって、薫はまだ子供よ。

 受ける受けないの最終ジャッジはマネージャーの仕事よ。

 もう、仕方ないわね。

 薫はどうなの?

 嫌よね?」

薫は大黒の言葉を思い出していた。


「え?

 お面を被るんですか?」

「そうだ。

 頭からすっぽり」

「じゃあ、薫ちゃんの顔は?」

「全く見えないよ」

「そ、そんな」

裕樹は絶句する。

顔が見えないのに評判が上がる訳ないだろうと普通に考えても思うことだった。

「お面を付けた演技は難しい。

 普通は表情で喜怒哀楽を表すのだが、お面を付けると表情が見えない。

 なのでちょっとした仕草や、大袈裟な仕草でそれを態度で表現しなければならない。

 それができるようになれば、表情だけでなく全身で表現できる最高の女優になれると儂は思っている」


最高の女優か…

女優として評判が上がれば、裕樹の小説が映画化された時、主演も夢じゃないわ。

薫の瞳に決意の光が宿る。

「一美さん。

 私やってみる」

「そうよね、やめ…えっ?!

 な、なんですって。

 受けるの?」

「はい。

 私やってみたい。

 監督から仕草で表現できる女優になれば、一流の女優になれるって」

「まっ!!」

本当かしら…

本人がやりたいと言うならいいかしら。

どうせ顔も見えないし、子供向けの番組だから。

一美は諸手を挙げて納得するわけではなかったが、取り合えず様子を見ることにした。


その夜、鏡の前で薫はいろいろなポーズをとってみる。

やってみたいって言ったけど、うまく出来るかしら。

喜怒哀楽を表情じゃなくて態度だけで表すって意外と難しい…。

恥ずかしがっているポーズや寂しがっているポーズ。

自分ではこうかなと思うけど、見る方にちゃんと伝わるかしら。

演劇の稽古では、表情を重視で大きく作ったりして、割合的には大きいのよね。

ふぅ。

でも、裕樹は特に反対していないし、やりたいならやってみたらって。

裕樹はダメな時はダメって言ってくれるから、今回も大丈夫。

あとは自分が頑張ればいい。

だって…。

薫は両手を握るとその力を籠める。

裕樹は自室でパソコンの前に座って、書きかけの小説を開いていた。

しかし、書こうとしても浅倉の言葉が頭を過り手が止まる。

「え?

 今度の役を薦めてくれたのは先生なんですか?」

「そうよ。

 今回の戦隊ものの監督は大黒先生のお弟子さん。

 ひょんなことからスーツアクターの第一人者の女性が今回はたまたま都合がつかなく、代わりを探しているっていう話を聞いたので、薫を推してみたの」

「なんで、薫ちゃんを?」

「最近、稽古で随分表情を出せるようになってきたわ。

 素質?

 それもあるけど本人の努力かしら。

 あの子、今どきの若い子と違い、なんでも真剣に向き合っているんじゃない?

 きっと空いている時間でも、一生懸命、一人で練習しているのが見て取れるわ」

確かに、何でも弱音を吐かずに頑張っているよな。

学校の勉強でも、体力をつけるスポーツジム、撮影、劇団の練習と土日も休む暇ないくらいなのに、いつも笑顔を絶やさないし。

なんで、そこまで頑張れるんだ?

僕の書いた小説のヒロインを演じるんだって?

小説家になれるか、慣れたとしても映画化されるほどヒットする作品を書けるなんて決まってもいないのに。

「今のままなら、きっといい女優になれるわ。

 ただ」

「ただ?」

「うん。

 まだ、十代半ばを少し過ぎたくらいでいろいろな経験が足りていないと思う」

経験?

経験なら他の同じ世代の子たちより、ずっと酷いことを経験しているが。

裕樹は薫の過去の忌まわしいい経験について、薫の母親以外とは共有していなかった。

「例えば、身を焦がすような片思い。

 恋愛の嬉しさ、嫉妬、怒り、絶望。

 死別の悲しみ。

 これからいろいろと経験していくのだけれど。

 その時、声に出せない、顔に出せない時、誰でも仕草が出てくると思うのだけど、それが薫には足りていない。

 大女優になる人は、喜怒哀楽をちょっとした仕草でとれを表現できる。

 戦隊もの、お子様向けだけど、十分、勉強できるはず。

 何かを掴めるはずよ。

 だから大黒先生に相談してみたの。

 そうしたら、先生も乗り気になって。

 先生も薫の何かを感じているみたいなの」

「何を?」

「それはわからない。

 ただ、私が感じているのは、マグマのような燃える情熱が彼女の中で目覚め始めている。

 それがなんだかはわからないけどね」

情熱…。

それが、今の薫ちゃんを駆り立てている。

女優への情熱?

劇団の稽古も真剣に取り組んでいるし。

軌道に乗って行けば、過去の忌まわしいことも薄れていくかな。

そうしたら、僕との間も少しずつ距離が開いてくるだろう。

それは、それでいい。

薫が仕事に夢中になるのを裕樹は嬉しいことだったが、少し寂しい気分になっていた。

撮影は順調に進み、テレビ放送も始まり、視聴率はまあまあだった。

本来は子供が見る番組。

それを一緒に親や兄弟も観る。

それに戦隊マニア、ピンクや敵役の女優の追っかけ、戦隊ものに出てくる子役やお面、衣装のフェチなど視聴者は意外と幅広い。

そうであるため、戦隊ものの合体ロボやフィギアは企業にとってドル箱になっていた。

第2話の放送が終わると子供以外の視聴者から薫の演じるアカルイナ姫に対し酷評が聞こえるようになる。

「なんだ、あのアカルイナ姫。

 まるで演技がシロートじゃないか。」

「スーツアクターの力量不足だろ」

「せっかくかわいいお面や衣装なのに、ちゃんとした役者じゃないと観る気が失せる」

「そう言えば、だれがやっているのか役者名がキャストに出てきていないな」

「確かにビデオで確認したんだけど表示されなかったな」

「新人か?

 舐めてるよな」

「我々オタクを舐めていると痛い目に合うのがわかっていないんじゃないか」

「だろうな。

 俺たちがロボやフィギア、関連菓子を買ったり、ショウを観に行っているのがわかっていないのかな」

「そうそう、俺たちがそっぽを向いたら売り上げ減だろうに。

 キャスト交代をSNSでぶち上げるか」


全て薫の演じるアカルイナ姫に対する不満や不評の声で、その声は否が応でも薫の耳にも入って来る。

「一美さんは気にするなって言ってくれるけど、やっぱり気になるなぁ」

裕樹の部屋のベッドの上に座り、薫は裕樹の枕を抱えてしかめ面をする。

「“オタク”の戯言を鵜吞みにするなってか?」

「うん。

 演技指導の人も、監督も悪くないよって言ってくれるんだけど。

 裕樹はどう思う?」

「そうだね。

 そんなに悪くはないから気にしなくてもいいんじゃないか」

確かに、学芸会のように表現が大げさすぎるし、ぎこちなさはあるけど、子供向けならいいんじゃないかな…。

「う~ん…

 でも、気になる。

 部屋に戻って先生から教わった演技を練習してみるね」

そう言うと、薫は残り香を置いて裕樹の部屋を出て行く。

「…」

裕樹は何も言えずに薫が出て行ったドアを見ていた。


そう言えば、薫ちゃんと最近ご無沙汰しているな。

10日間?

こんなに間隔が開いたのは初めてだな。

演技に没頭し、それどころじゃなくなったかな。

病気は治ったのだろうか。

もともと精神的な割合が大きな病気だしな。

どんどんのめりこんでいき、その内、僕じゃなくても、僕がいなくても大丈夫になって、薫ちゃんと釣り合いの取れる男性と恋に落ちて行く…か。

まあ、もともと薫ちゃんのような可愛く、綺麗な女の子が僕なんかと付き合っているのが普通じゃないことだろうからな。

そろそろ身の振り方を真剣に考えないといけないか。

裕樹は覚悟したように一つ息を吐く。


一方薫は浅倉に教わった表現の練習を真剣に取り組んでいた。

先生に教わった体を使った表現方法…。

難しいなぁ。

ちゃんと出来ているって思っていたんだけど評判悪いな。

演技指導の人からも監督からも問題ないよって言われてはいるんだけれど。

何が足りないんだろう。

もっと裕樹に見てもらって、アドバイスしてもらわないと…。

そう思う薫だが、裕樹の前だと安心感からか演技ではなく素の自分がさらけ出せて、撮影の時とは雲泥の差で表現力が良くなっていることに気が付いていなかった。

そうそう、生理が終わらなくて10日も裕樹と一緒になれなかった。

いつもは半分くらいで終わるのに、今回はどうしちゃったんだろう…。

でも、やっと終わったし、明日は思いっきり甘えちゃおう!

うふふ。

そうだ!

明日はセーラー服で攻めようかしら。

それとも巫女さんで攻めようかな。

裕樹ったら、どっちの恰好でも鼻の下伸ばして喜んでくれるし、凄く気持ち良くしてくれるし。

うーん。

やっぱり、この前凄く喜んでくれたセーラー服に三つ編みおさげにしようっと♪

体の調子も良くなり、裕樹に抱かれるのを楽しみにしていた薫は、遠足の前日の子供のように、ワクワク、そわそわしていた。


翌日、学校から帰って来た薫は、髪を三つ編みおさげにして、前日に用意しておいたモデルの撮影で使うセーラー服が入った袋を持って家を出ようとする。

「あ、薫。

 どこに行くの?」

加津江に呼び止められる。

「え?

 裕樹のところよ」

加津江は順調なのかお腹がふっくらしてきていた。

「だめよ。

 この前言ったの忘れたの?」

「?」

「今日から麻里さんが裕樹君の上の部屋に入るっていったでしょ。

 変に思われるといけないから、しばらくは裕樹君の部屋に行くのは禁止だって」

「あっ!

 そうだった…」

加津江が口にした麻里とは、名前はトリンスキー麻里、加津江の会社のトップモデルの一人。

薫と同じ年でポーランド人の父と日本人の母を持つハーフで、完璧な美少女。

父親の仕事の関係で両親が3か月ほど日本を離れるため、その間、社宅の裕樹の上の階の部屋で預かることになっていた。

一美の場合と違い、薫のマネージャーとはいえ男の裕樹の部屋に頻繁に薫が出入りすると良くない印象を与えかねないので、加津江は薫に良く言い含めていた。

そうだった…

えー!?

じゃあ、折角セーラー服まで用意して、裕樹に喜んでもらおうと思ったのにー!!

裕樹にLINEしてみよう。

ホテル?

ううん、変な噂や補導されたら困るから使っちゃダメだって言われているし。

車もダメって言われたっけ。

でも、この前みたいに遠いところなら。

休憩で1万円かかっていたっけ。

私のお小遣いだとそんなにも無理だし、裕樹の負担になっちゃう。

どうしたら…

眉間に皺を寄せて考え込む薫を加津江は微笑みを浮かべて見つめる。

加津江は薫の病気のことを知っていたので、我慢できる範囲でと考え無理強いするつもりはなく、いざとなったら裕樹に任せるつもりでいた。

それになんだかんだで薫を大事にしている裕樹に信頼を寄せていた。


「そろそろ麻里ちゃんと一美さんが休憩しに来るわね。

 お茶の支度、手伝ってね。

 薫も麻里ちゃんと面と向かって話したことなかったでしょ。

 一緒にお茶しましょう。

 あ、裕樹君も呼んでくれる?

 裕樹君は初対面だと思うから」

加津江の会社では高校生以下の学生モデルは会社には出社せず、マネージャーを介して連絡を取り合い現場に直行直帰をしていたので、モデル同士同じ現場でないと顔を合わせることはなかった。

薫も同じ現場でもすれ違う程度で麻里とは話をしたことがなかった。

「え?

 う、うん、わかった。

 手伝うね。

 それと裕樹にLINEしておくわ」

薫は目立ってきた加津江のお腹を見て、手伝わざるを得ないと観念する。

紅茶とケーキをテーブルに並べると、タイミングよく一美と麻里が社宅からやってくる。

「ご苦労様。

 一美さんも引っ越しの手伝い、ご苦労様。

 ん?

 どうかしたの?」

微妙な顔をしている一美に気が付き、声をかける。

「麻里さん、部屋が狭いそうですよ」

「だって、家の自分の部屋より狭いんですもの」

一美の後ろから麻里が顔を出す。

麻里の家は豪邸で、部屋は20畳以上あり、ウォークインクローゼットもついているほどだった。

加津江は麻里の家のことを知っていたが、そんなことを知らない一美は面白くなかった

十二畳もあるのよ。

何処が狭いの?!

「まあまあ、そうかも知れないわね。

 しばらくの間我慢してね」

「それにキッチンも狭くって」

「そうだ、麻里ちゃんは自炊するのよね。」

「はい、おばさま」

“おばさま”?

それに自炊するの?

この子、確か進学校で偏差値が全国トップクラスのお嬢様学校に通っているんだっけ。

家事全般、料理も出来て、この美貌でお金持ちのお嬢様。

はぁ、神様はやっぱり不公平だわ。

一美もなかなかの美貌の持ち主て有名四大卒業の才女。

それなりのプライドがあったが、麻里の前だと自分がかすんでいくようだった。

「ええ。

 でも、そんなに大した料理は出来ませんよ。

 それと、クリーニングお願いしたいんですが、大丈夫ですか?」

「ええ。

 家の契約しているクリーニング屋に一緒に出してあげる」

「ありがとうございます!」

「あら?

 洗濯するんじゃないの?」

一美は麻里が自分で洗濯すると言っていたので意地悪っぽく尋ねる。

「ええ。

 下着やパジャマとかちょっとした服は自分で洗濯しますが、学校のブラウスや仕事に行くときの服は綺麗でないとみっともないのでクリーニングに出しています」

「そ、そう」

完璧すぎて嫌味もないわ。。。

薫も動きを止めて麻里を見つめる。

いつもすれ違いざまだったけど、こんな近くで見ると、やっぱり麻里ちゃんは綺麗。

流石、トップモデルだけあってオーラが凄い。

それに、いい匂い。

何の香水を使っているって言っていたっけ…。

「あ!

 薫ちゃん」

麻里は薫を見つけると笑顔で手を振る。

麻里に見惚れていた薫は、慌てて手を振り返す。

「薫とは、仲いいんだっけ?」

一美は意外そうな顔で尋ねる。

「何度か、仕事場ですれ違って。

 薫ちゃんは可愛いからたくさんお話ししたいなって、ずっと思っていたの。

 薫ちゃん、よろしくね」

「は、はい。

 よろしくお願いします」

「薫ったら、何を緊張しているのよ。

 同い年でしょ」

その一言に皆笑い出したが薫には麻里が年上に見えて仕方なかった。


「そう言えば、私の部屋の下に男の人が住んでいるんですよね」

どうせ大したことのない男だろうし、それに階が違うっていっても同じ屋根の下で暮らすって嫌だな。

麻里の顔が曇る。

「あ?

 裕樹君のこと?」

「裕樹…君?」

「マネージャーの高橋君のことよ。

 皆、裕樹君や裕樹さんて名前で呼んでいるの」

加津江が説明する。

「大丈夫。

 裕樹さんは、きちんとしているから、何も心配ないわ」

「そうそう、そろそろここに来るはずだから紹介するわね」

「はい…」

まあ、同じ会社のマネージャーなら仕方ないか。

麻里は追い回してくるファンや言い寄って来る男に飽き飽きしていた。

「あ、ほら、噂をすれば」

加津江が窓の方を指さすと社宅から玄関に向かって歩いてくる裕樹が見えた。

「え?」

素敵…。

私好みだわ。

いけない!

「おばさま。

 部屋に忘れ物してきちゃった。

 ちょっと、取りに行ってきますね」

麻里はそう言うと、慌ててリビングを出て玄関に向かう。

途中、裕樹とすれ違ったが、顔を伏せて目を合わせないように通り過ぎる。

ただ、裕樹に気づかれないようにちらりと横顔を盗み見る。

裕樹は、麻里が顔を伏せていたので誰だかわからないようだった。

「お疲れ様です」

リビングに入って行くと、薫がそそくさと裕樹の横に来る。

「麻里ちゃんにすれ違ったでしょう」

「あの子が麻里ちゃん?

 顔を伏せてすれ違ったからわからなかった」

「そうなの?」

「ああ」

あの子が麻里ちゃんか。

裕樹はすれ違いざまの麻里の香水の良い香りを思い出していた。


10分くらいすると麻里が戻って来る。

「お待たせしちゃって、すみません」

そう言って麻里は薫の隣に座る。

あら?

やっぱり、年頃のお嬢さんね。

加津江は麻里の変化に気が付いた。

高校生なので薄化粧なのだが先ほどと違い皆が気付かないほど化粧を整え、先ほどの服装の上に薄い白っぽいカーデガンを羽織っていた。

「改めて紹介するわね。

 高橋マネージャー。

 皆、下の名前で呼んでいるから麻里ちゃんもね」

「え?

 は、はい。

 トリンスキー麻里です。

 えっと…」

「麻里ちゃん。

 僕は高橋裕樹。

 さっき社長が言ったように裕樹でいいよ。

 よろしくね」

「はい!

 裕樹さん、よろしくお願いします」

麻里ははにかんだような笑顔を見せる。

な、なんて可愛い…。

薫ちゃんも可愛いけど、この子、トップモデルだけあって滅茶苦茶可愛い。

色白で二重、しかも小顔。

栗色の髪に青みかかった瞳。

細身でスタイルの良いし、体の線も丸みを帯びて柔らかそう。

それに香水も年相応できつくもなくいい香りだ。

裕樹はまじまじと麻里を見つめる。

裕樹ったら、麻里ちゃんを見て鼻の下を伸ばして。

確かに麻里ちゃんは綺麗だけど、何だか面白くないな。

薫は麻里に向いている裕樹の視線が気に入らなかった。

「裕樹。

 そんなに麻里ちゃんを見つめたら失礼よ。

 鼻の下が伸びている」

薫は面白くないと言った顔で裕樹に注意する。

「え?

 あ、ごめん、ごめん。

 そんなつもりじゃないんだよ」

「そんなって、どんなつもりですか?」

麻里はもじもじしながら尋ねる。

「え?

 ええっと…」

「二人とも、揶揄わないの」

加津江が笑いながら助け舟を出す。

「裕樹君は薫の主担当マネージャーなのよ」

「へぇー、そうなんですね」

いきなり薫が裕樹を呼び捨てにしたので、不思議に思っていた麻里は納得する。


「麻里ちゃんは今までお母さまがマネージャーをしていたんだけど、しばらく旦那様と海外に行っているので、その間の主担当は一美さんにお願いするけど、裕樹君にも手伝ってもらうわ」

「手伝う?」

「ええ。

 麻里ちゃんの学校、ここから電車で1時間以上かかるの。

 こんな可愛い子を電車に乗せたら世の男たちが黙っていないで、大騒ぎになっちゃうでしょ?」

「おばさまったら」

「おばさま?」

「私の母とおばさまは昔からのお友達で、私が小さなころからよくお会いしていたの」

「そうなんだ」

「だから、車で学校までの送り迎え。

 特に麻里ちゃんは平日でも仕事が入ったりするから、それに応じて運転手をお願い。

 あと、クリーニングに出す洋服を集めて」

「おばさま!

 それは、自分でやります!!」

麻里は真っ赤な顔をして口を挟む。

あらあら、やっぱりお年頃よね。

裕樹君に頼むのは恥ずかしいって顔して。

薫とは大違いだこと。

「大丈夫よ。

 クリーニングの収集袋に入れてくれれば、定期的の運んでもらうから」

「でも…」

ああ、まだらっこしい。

ぶりっ子じゃあるまいし。

「社長、私がやります。

 さすがに年頃の子なので着ている服を異性に触られるのは恥ずかしいでしょう。

 クリーニングから戻って来た服の仕分けも私がやります」

一美は麻里と加津江のやり取りがじれったくなっていた。

私は、裕樹なら平気だな…。

わかったような、わからないようなことを考える薫。

「あと、麻里ちゃん、自炊するのよ。

 だから、食材の買い物とかお願いね」

おーお、立派な使い走りだこと。

一美はげんなりしてきていた。

すごい。

麻里ちゃんて料理も何でもできるんだ。

感心している薫の耳元で麻里が囁く。

「ねえ。

 高橋マネージャーって、優しそうね」

「うん。

 とっても優しいよ」

「それに理知的な顔をしている」

「うん。

 頭もいいし」

「素敵よね」

「うん、とっても…?」

「高橋マネージャーって、奥さんいるの?」

「え?

 独身よ」

「じゃあ、彼女の噂は?」

「それも…なしよ」

本当は自分が裕樹の彼女だと言いたかったが、正式に告白されたわけでもなく、流れでくっ付いているだけだと思い、薫は口をつぐむ。

「やったぁ。

 高橋マネージャー、私の好みなんだ。

 じゃあ、私、アタックしちゃおうかな!」

「え?!」

いきなり薫が声を上げたので、皆、薫と麻里の方を見る。

「どうしたの?」

「い、いえ、なんでも…」

「ええ、何でもないわ」

動揺する薫を尻目に麻里は平然とする。

ちょっと、何で裕樹に。

こんなに美人な麻里さんに言い寄られたら、裕樹を盗られちゃう。

薫は泣きそうな気分になっていた

「でもね、麻里ちゃん。

 自炊は土日のお休みの時、気が向いたらにしなさい。

 一人で食べるのは寂しいし、おかしくなっちゃうわよ。

 こっちでみんなで一緒に食べましょう。

 それに、契約している栄養士の先生が作ってくれるから、美味しいわよ。

 美容にもいいしね」

加津江は裕樹にウィンクする。

「え?

 まさか裕樹さんが料理を?」

「違うわよ。

 栄養士さんは、私の旦那が作る偏った食事で薫の健康、美容を心配して裕樹君が勧めてくれたのよ」

「へぇー、そうなんですね。

 薫ちゃんの可愛さの秘密はそこにあったんだ。

 なら安心です。

 でも、いいんですか?」

「いいのよ。

 一人増えたくらいで、どーってことないわよ」

「やったー!

 薫ちゃん、よろしくね」

「う、うん」

薫は先ほどの麻里の言葉が気になって気もそぞろだった。


翌日

裕樹の運転する車に学生服姿の薫と麻里が乗っていた。

麻里の制服は薫と同じように紺のブレザースタイルだったが赤い線が縫い込まれていたり明るい大きめなリボンと葵の制服よりは派手で明るく見えた。

「裕樹。

 麻里さんの学校の場所はわかるの?」

「ああ。

 昨日、調べておいたから大丈夫だよ」

「え?

 わざわざ調べておいてくれたんですか?!

 わー、ありがとうございます!!」

嬉しそうな顔で麻里は身を乗り出す。

麻里の笑顔は強烈で、どんな男もイチコロになるくらい可愛かった。

「い、いや、見ておかないと遅刻したらたいへんだろ」

麻里さんの学校まで行ってみたんだ。

薫は面白くなかった。

「でも、薫ちゃんまでごめんね。

 いつもよりずーっと早く着いちゃうんじゃない?」

「う、うん…」

いつもは大抵電車通学する薫だったが、朝早く当番があったので一緒に車に乗ったが、それでも早く着くのには変わりなかった。

だって車の中で二人きりになるなんて…。

麻里さん可愛いし、それに綺麗だし。

裕樹ったら鼻の下を伸ばして。

昨日の麻里の一言もあって不安で仕方がなかった。

薫が下車り、麻里と二人きりになると車内の空気が一変したようだった。

「ねえ、裕樹さん。

 今度のお仕事も裕樹さんが付いてきてくれるんですよね」

「うん。

 メイン(主担当)は一美さんだけど、送り迎えはこの車で僕がやるよ」

「やったー!!

 嬉しい」

「え?」

「ううん、なんでもない」

ルームミラーに映る麻里はまるで小悪魔のような可愛い顔をしていた。

なんだか車の中がいい香りがするな。

麻里ちゃんの匂いかな。

美人だし、良く笑う可愛い子だし、すこし大人びて見えるな。

ルームミラーを見ると麻里は裕樹の視線に気が付いたのか、ワザと脚を組みなおし、健康的な太ももをチラリと見せながら微笑む。

「…」

裕樹は思わず生唾を飲み込む。

「今日はね、6限目まであるから3時ごろに終わるから、よろしくお願いします」

「オッケー」

「じゃあ、いってきまーす」

学校の正門の前に車をつけると麻里は元気よく車を降り、すぐに知り合いを見つけたのか女子学生の方に寄って行き、楽しそうにふざけながら校舎に向かって歩いて行く。

薫ちゃんとは大違いだな…

麻里の後姿を見ながら考える。

薫も友達はいるがどちらかと言うと受け身な性格で自分から進んで声をタイプではなかった。

それに外国人の子供って成長が早いし。

麻里の成熟し始めたボディラインが一緒にいる女学生と比較に丸みが違っていた。

なんか体のラインも抱きしめたらどんなに気持ちいいだろう…

い、いかんいかん。

何を考えているんだ僕は。

商品に手を出したらいかん。

広くは慌てて邪念を吹き消すように頭をふる。

「?!」

ふと視線に気が付き麻里の方を見ると麻里が振り向き裕樹に手を振っていた。

慌てて手を振り返すと嬉しそうな顔をして、また、友達の方を向く。

「ねえ、誰に手を振っていたの?」

「内緒!」

そんなことを言い合っているようだった。

いいなぁ~。

思わず見とれていると、プップーッと後ろの車に場所を開けろというようなクラクションの音に車を動かした。


午後約束した時間に迎えに行くと、麻里はすでに正門の横で待っていた。

「ただいまー」

裕樹が車を付け、ドアを開けると麻里は飛び込むように乗り込んでくる。

天気が良く陽の光の中、外の風と共に麻里の香りが流れ込んでくる。

いいなぁ~

裕樹は覆わずうっとりとしてしまう。

「一美さんは?」

「撮影場所に先に行っているよ」

あれ?

一美さんの予定、知らなかったっけ。

「やったー、二人っきりだ」

「え?」

「ううん、何でもない。

 今日は暑いですね。

 これから梅雨だっていうのに」

麻里はブレザーを脱ぐ。

真っ白なブラウスが眩しく、また柔らかそうに膨らんだ胸が男心をくすぐり、下半身が疼き始める。

これだから若い子は…

このまま押し倒し、ブラウスを引きちぎり、柔らかな胸を蹂躙し、熱く猛り狂ったものを無理やり…

はぁ、ここで実行に移すかやめるかで人生の岐路になるわけだ。

ああ、もう!!

この時、裕樹の頭からは完全に薫のことは消えていた。

「何を見ているんですか?」

裕樹の視線を感じた麻里が訝し気に尋ねる。

「い、いや、なんでもないよ」

返事にならない言葉を口ずさむ裕樹を見て麻里は笑いだす。

「冗談ですよー。

 さあ、行きましょう」

裕樹さんて、やっぱりいいわ。

優しいし、誠実そうだし、私の好み。

好きだわ。

その日は雑誌のグラビア撮影で3時間くらい。

終わって、一美と麻里を乗せ裕樹の車は帰路につく。

「お疲れ様。

 疲れたでしょ」

一美は冷たいスポーツドリンクの入ったペットボトルを麻里に渡す。

「ありがとうございます。

 もう、喉がカラカラ」

現場でスタッフからもらった花束を横に置いて麻里はペットボトルを受け取るとゴクゴクと冷たいドリンクを飲む。

「あー、美味しい。

 一息ついたらお腹空いてきちゃった」

「大丈夫。

 夕飯出来ているって。

 薫から連絡あったから。

 薫も一緒に食べようって待っているからね」

「やったー。

 それに薫ちゃんが待っていてくれるなんて、嬉しいなぁ」

「あら、自炊して一人で食べるって言っていた子が」

一美は年頃の女の子の一面を見た気がして笑い出す。

「明日も今日と同じで撮影があるのか」

「ええ。

 明日はキャンペーンのポスターの写真撮りね。

 今日と同じように放課後ね」

「でも、大変だよな。

 勉強や遊びの時間がないよな」

「うん。

 でも慣れているし、それにこのお仕事好きだし」

横から麻里が口を挟む。

「ならばいいけど」

「あ!

 そうだ、裕樹さん。

 後で勉強教えてください。

 授業でわからないところがあったの」

「え?

 いけど、僕は国語と社会くらいしかわからないよ」

「数学だけどいいの、いいの。

 ご飯食べたらお願いします。」

「高校生の数学だろ?

 数Ⅱ、数Bとか駄目だったんだよね」

「いいの。

 一緒に考えてくれれば答えが見つかるから。

 ね」

「う、うん」

「まあ、モテること」

一美が笑う。


この人、薫も熱を上げていて、そこにこの子まで。

三角関係、勃発かしら。

まあ、大人なんだから大丈夫だとは思うけど…。

そうだ

「そうそう、裕樹さん。

 他の会社のマネージャーさん、ほら、この前紹介した美由紀さん。

 小柄で可愛らしい女の人。

 覚えている?」

裕樹は覚えていると頷く。

「その美由紀さんが情報交換したいって言って、あなたのLINEを教えてくれって言ってたわ。

 教えちゃっていい?」

「いいけど、ライバル会社だよね?

 そんなことして良いの?」

「今どきは、結構、現場同士はお友達みたいで、このユーザー先はどうなのかとか、この現場はどうなのかとか情報共有する時代よ。

 まあ、それで仕事を取り合ったりする人がいるから注意は必要だけど、美由紀は良く知っているから大丈夫よ」

「そうなんだ。

 じゃあ、いいですよ」

同業他社っていったらライバルで情報交換何てしないものと思っていたけど、情報があった方がお互いに利点はあるからな。

美由紀さんって言ったっけ。

丸顔の可愛らしい女性だったけな。

昔、女性のアイドルグループにいた子みたいに小柄だけどスタイルは良かったな。

でも、一美さんといい、美由紀さんといい、モデルやタレントに出てもいいような美人さんのマネージャーが多いな。

確かに同業他社のタレントはもちろんのこと、社員、マネージャーもタレントに負けず劣らず美人が多かった。

話に出た美由紀は年のころは裕樹と同じくらいで、今田美桜風の美人だった。

夕飯後、裕樹たちの社宅の1階談話室に裕樹と麻里と一美の三人の姿があった。

テーブルに裕樹と麻里は並んで座り、麻里の持ってきた数学の教科書を二人で肩を寄せ合うようにのぞき込む。

麻里は良く似合う薄い水色のワンピース姿でほのかなオーデコロンの香りがした。

「この問題がわからないの。

 答えはわかるんだけど何でそうなるのかがいまいちで」

間近で見る麻里は、本当に美人だった。

そのリップを塗った薄赤い唇が妙に艶っぽく裕樹は思わず見とれてしまう。

「う、うん」

少し離れたテーブルでパソコンを使っていた一美が咳払いすると、裕樹は我に返ったように麻里の指さす問題を凝視する。

流石に高校2年の数学は得意ではない裕樹には荷が重かった。

助け舟をとちらりと咳払いをした一美の方を見るが、一美は我関せずと知らん顔を決め込んでいた。

もともと一美は裕樹と麻里が二人っきりになった時に間違いを起こさないようにと見張り役として座っていただけだった。

「ちょっと待ってね」

裕樹は覚悟を決めたように自分のノートパソコンを開き、類似問題の解き方を探す。

「あ、私も見たい」

麻里が裕樹とパソコンの間に割り込むように覗き込む。

談話室に来る前にシャワーを浴びたのか、麻里の髪からシャンプーのいい香りがする。

薫のシャンプーとはまた違った香りで少し大人びた高級感のある香りで麻里には似合っていた。

ふーん、女性のシャンプーの香りって色々とあるんだな。

いい香りがする。

思わず裕樹は新呼吸するように麻里のシャンプーの香りを吸い込む。

少し離れたところでは、また一美がワザとらしく咳払いをする。

結局、夜遅くまで裕樹は勉強会に付き合わされた。

「裕樹さん、遅くまでありがとうございました。

 また、明日、お願いしますね」

「あ、ああ」

麻里は万遍の笑顔で裕樹に頭を下げると、名残惜しそうに一美と談話室を後にする。

ふぅ、やれやれ久しぶりに使っていない方の頭を使ったか。

また明日?

まあ、いいか。

裕樹はまんざらではないように口元をほころばせる。

そうだ、薫ちゃんに連絡しないと。

でも、もう遅いしなぁ。

薫から麻里との勉強会が終わったら部屋に行くので連絡してと頼まれていたのを思い出し、スマートフォンを開けると、すでに薫からLINEが入っていた。

内容は「遅くなったので、また明日」で、薫自身勉強会は1時間くらいには終わるだろうと待っていたが、まさか2時間以上かかるとは、それにそんな時間にふらふらと裕樹の部屋に行くことは、翌日のことや一美や麻里に万が一見られた場合気まずくなると思い踏みとどまらせていた。

裕樹も手短に返信を書いて送る。

薫に会えない、すなわち薫を抱きしめられない残念さを感じたが、それ以上に麻里のシャンプーの香りが頭に残り、薫の影を薄くしていた。

あれ?

返信が終わり閉じようとした時、見慣れないアカウントのLINEメッセージが届いていたのが目に入った。

だれ?

メッセージを見るとそれは美由紀からで、意見交換会をお願いしたいという内容だった。

一美さんの言っていた件か。

連絡したんだ。

でも、なんて積極的なんだろう。

交換会、今週末の金曜日、都合はいいかって?

何人ぐらい集まるのだろうか。。。

ま、予定何もなかったな。

OKで返事しておこう。

裕樹は簡単な挨拶文とOKの返事を送る。

さて、シャワーを浴びて寝るかな。

裕樹は伸びをすると部屋に戻っていく。

薫は裕樹からのLINEを受け取ると、スマートフォンをベッドに投げ出した。

なによ、今まで麻里さんの勉強を見ていたの?!

明日も?

じゃあ、明日も裕樹の部屋に行けないの?

ええー?!

嫌だ、勉強をやめてとは言えないしなぁ~。

えーん、裕樹の肌の温もりが恋しいよぅ~。

・・・

今日は一美さんが一緒にいるって言うから大丈夫だと思うんだけど。。。

麻里さん、綺麗だし、何て言ってもハーフで美人だしなぁ。

迫られたら裕樹どうするんだろう。

私との関係も特に恋人関係とはなっていないし。

麻里さんと競い合って勝てるだろうか。

あ~あ。

ベッドにうつ伏せに倒れこむ薫だった。


前回の投稿から10か月くらい間が空いてしまいました。

本業が忙しく、温めるだけ温めて文字にするのが中々できません。

プラス、いつも一つの章を書き上げ、見直しながら直したりして投稿しているので時間が掛かったりしています。。

時間が取れれば新しいシリーズもと構想が浮かんできていますが、その前にこの「AとK」を完結しなくては。


次回は、自惚れて舞い上がった裕樹。

病気のせいとわかっていながら自分よりも異性経験が多い薫を見る目が変わってきます。

そして、とうとう一方的ですが裕樹の心に亀裂がはいります。

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